パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

日曜俳句入門

2020-10-25 | book
1948年生まれの吉竹純が、投句者の視点で、気軽でかつ奥の深い俳句の投句について書いた。10歳年上の著者は、50過ぎの平成12年、2000月3月を前に会社を早期退職する。その直前1999年、全国の俳句大会で初入選する。その作品集が送られてきてから今日までの俳句道を提案する。

日曜俳句で新書ができるのか。そんなに情報量があるのかと思いながら読み進める。
日曜俳句。新聞・テレビ・雑誌に、投句料はいらず、出かける必要もなく、ひとりで作り、はがきに書いて投函すればよい。最近はネットでも。
俳句結社、同人誌、句会、俳句教室。その5つ目の日曜俳句。100万人の人口がいると筆者。

日曜俳句とは何か
新聞や雑誌、テレビなどのメディアに投句し、選を受ける一連の流れ、および公表された作品のこと。趣味として俳句を作るのが日曜俳人。俳壇の大御所が手に取り、読んでくれる。そして、選んでくれると反響がある。
その選者にも背景の俳句団体がある。俳句団体、現代俳句協会、俳人協会、日本伝統俳句協会、国際俳句交流協会。

日曜俳句デビュー
歳時記の話、新聞俳壇の魅力、各新聞の特徴と選者へのこだわりと入選のこつ、没作品でも1年寝かす。時間の経過とましになる技術が、点検を促す。そして別の先生に出す。
投句ははがきで。そしてパソコンで作成。プリンターで印刷。データベースにもなる。失敗や取りやめたはがきは、1枚5円で交換。はがきははずれ年賀はがき。縦書き一行。投函するまでの時間ときれいに印刷することで先品の粗が見えてくる。
「二物衝撃」「一物仕立て」「季語の斡旋」などの俳句用語の説明。投句の確認。入門書は、選者の先生の書がよい。

日曜俳句の続け方
継続は力なり。投句に解説はいらない。俳句だけで勝負しろ。作品だけで自立しろ。
ある先生のコメント「52回の投句と書いてあったはがきを読んで。全部没。こういう方は入選句を楽しむうちにきっとコツを会得される。」「たゆまず作って出して、結果に頓着しない。そして人の良い句を楽しむ。それが俳人の心だ。プロの俳人も同じだ」と。
1999年ごろに退職して、朝日俳壇に投句を始める。毎週欠かさず、歳時記をひっくり返して作句の日々。選ばれたのが投句して3年目。意思の上にも3年。
類句は時間が解決する。
日曜俳句には思い出がいっぱい。続ければ日記になる。
投句から掲載までのタイムラグを計算せよ。無季より有季を。日曜俳句には選者との出会いも大切。合わない選者とは一考も。2年取ってもらえぬ選者とは休んでみる。選者との相性も大切。
新聞俳壇の魅力は2週間から1か月俳誌にはないスピード。時世をキャッチした句もあり。俳句にフィクションあり。新聞の俳壇はジャーナリズムだ。
震災と俳句。
外国でHAIKU俳句。

明日へ動く日曜俳句
面倒なことはしたくない。自分一人の記念として残ればよい。それもまた、日曜俳句の楽しみ方。
俳人、俳句を教える人、趣味として楽しんでいる人の3つのカテゴリー。頂上には芭蕉。多くの俳人が道標。裾野でよい日曜俳句。裾野がなければ頂上もない。

巻末に筆者の投句規定が載っている。筆者の入選した多くの句も。

投句の位置づけ、そして魅力、ノウハウ。俳句の魅力。趣味としての俳句である日曜俳句を語る。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

JAZZ名曲入門

2020-10-18 | book
図書館で音楽のコーナーを見ていたら、「JAZZ名曲入門」という本が目についた。2007年5月第1刷だ。

もう10年以上も前の本だが、JAZZの名曲だ。これはと思い手に取る。副題が「100名曲を聴く340枚」とある。
解説が、

1曲あたり平均3.4枚という計算になる。各アルバムの解説付きだ。早速借りて帰り、うちのCD棚を見る。マイルスやblue noteなど、それなりに見つけることができた。
「珠玉のスタンダード名曲20」を聞く名盤100では、10曲で19枚。「心に響く80の名曲」を聴く名盤240では、33曲の37枚だ。
毎日、1曲づつ聴き比べ。楽しいひと時が過ごせた。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海とジイ

2020-10-12 | book
「海とジイ」。1971年生まれの藤岡陽子の新刊を読んだ。2018年11月刊行。藤岡は文学部卒業後、新聞社に就職。タンザニアに留学、看護師になる。2009年に作家デビュー。現在、看護師として勤務を続けているという。3編からなる。

海神-わだつみ
小学4年生の優生は、トイレでの暴力が原因で、不登校になり、1年。母親の千佳は、夫の敦に頼まれ、95歳になる病気の義理の祖父の清次が住む瀬戸内の島へ、優生、優生の妹と向かう。探し物を取り戻してくれると願いがかなうという大天狗神社へ皆で行く途中、清次は、30過ぎで亡くなった子、敦の父のことや小さい敦の願いなど、さまざまな話を聞かせる。その帰り、清じいが倒れる。優生は清じいと約束をしていた。

夕凪-ゆうなぎ
診療所に勤める看護師のわたしは48歳になる。27歳で大学病院を疲れ果て辞めてから21年。その診療所を閉じると80に近い院長の月島がいう。大学病院を追われ、妻と別れて20年。1人息子も31になっている。私は12年前に4つ下の男性と別れ、一人暮らし。
ある日、突然、月島がいなくなっていた。代理の医師を頼んで、瀬戸内の島へ行ったという。わたしは先生を連れ戻しに行く。人生も半分生きたとわたし。老いと死に向き合う月島。お互いに一人。

波光-はこう
大学受験が目前の年末、澪二は、母が心配していた83歳の祖父の様子を見に、瀬戸内の島へ行く。祖父は退職後、東京を離れ、亡き祖母の故郷で一人暮らし。石の博物館を運営しており、元日のリニューアルオープンの準備をしていた。澪二は、高校の駅伝部だったが、膝の怪我で大学のスポーツ推薦をあきらめた。
大晦日の夜、澪二は祖父の学生時代の思い出を知る。高校を出て就職し、28で大学に入学した。そこで出会った友人、18歳の真鍋。石の思い出。祖母との出会い。

生きること、人生を問う3篇。


我が子と孫は違う。孫の成長のどこかで確実に自分はいなくなる。だから時間がいとおしい。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たてがみを捨てたライオンたち

2020-10-11 | book
1983年生まれ。2004年に「野ブタ。をプロデュース」でデビューした白岩玄の2018年9月刊行、「たてがみを捨てたライオンたち」を読んだ。月刊文芸誌2017年9月~2018年2月掲載。

3人の若い男性の生活が交互に描かれる。

宮田直樹
30歳。小さな出版社に勤めて8年。新居を購入し、共働きの新婚の妻、可南子は妊娠中。企画書が通らなくて悩んでいる。4つ上の姉は結婚して熊本に住んでいる。1人暮らしの母親がいる。書籍部から雑誌部への左遷。パパ雑誌の編集を任される。可南子は直樹に専業主夫の提案をする。
男らしさに悩む直樹。可南子が倒れる。2人で考え、母親・男の人というイメージから逃げようと決める。

谷坂慎一。
大手広告代理店勤務の35歳。タワーマンションで一人暮らし。31歳で結婚、離婚して2年経つ。遊びに意欲を向けるが。
2歳になる娘がいる妹がいる。65歳と58歳になる両親の離婚。元妻葵と共通の知り合いのスナックのマスターの死。葬式で出会う元妻の葵。「女から逃げていないか」と自問する。

その葵のコメント「オスのライオンのたてがみは自分の強さを誇示するためにある。人間の男も同じで、見えないたてがみが生えている。他人よりも勝っていると思っているところを見つけ出して肯定してあげると男はリラックスする」と

森野幸太郎
25歳。市役所職員。独身。木造アパートの2階で一人暮らし。アイドルグループ「ラグドール」の追っかけ。5秒の握手会。婚活パーティで知り合い、2年前に別れた37歳の里美。中学から引きこもりの19歳の妹が、ラグドール2期生のオーディションを受けるため、上京してくる。
オタクつながりで取材を受ける。「人はどこまで逃げていいのか」と。同僚の年上の独身女性、綿貫さんは、kポップグル―プにはまっている。「長い人生には逃避することも必要だよ」と。コンプレックスだらけの自分がいた。

今の自分でよいのか。オトコとは何か。3人3様、自分に問いかけながら、また、悩みながら、自立していく過程を描く。オトコもオンナも皆、力強く生きている。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕の音盤音楽日記1971-1976

2020-10-04 | music/classic
愛知県岡崎市生まれ、版画家・イラストレーターの牧野良幸の「CDジャール 僕の音盤音楽日記1971-1976」を図書館で見つけた。2007年3月発行。2000年7月から2004年4月号までの掲載分を収録。
1971年は、著者が中学2年生。その頃から集め始めたアナログシングルやLPレコード。4chステレオ、オープンリールデッキなどの音響製品を、その頃の思い出とともにイラストで綴る。1976年3月の高校卒業・大学入学までの音楽日記だ。

同世代なので、集めたレコードもかぶる。シングルのアンディウイリアムズの「ある愛の詩」やクライマックスの「花嫁」。廉価版のクラシックLPの数々。中学校で出会ったS&G、シカゴ、エルビス、ビートルズ。イラストのいがぐり頭の時代だ。エルビスのハワイ中継もあったな。著者は高2でピアノ。自分は、お年玉でギターを買ったなあ。
当時、2千円は超えたLP。お年玉で集めた、集めた。でも高かった。勇気がいった。市内に3件あったレコード屋へ通った。家と学校が生活のメインの青春時代。その空気も懐かしい。

高校に入ると、個性的な同級生が、それぞれのお気に入りのLPを持ち寄り、持ち帰る。自転車や汽車通学。ジョンレノン、ポールマッカートニー、ユーライア・ヒープやディープ・パープルなどのブリティシュ・ロック。また、チューリップライブや顔も知らない小椋佳、チリチリ頭の陽水、かぐや姫の2枚組ベスト。今でも同級生の顔や、学内での受け渡しの光景が目に浮かぶ。LPを持ち、校内を闊歩する。男女の区別なくそれがステータスだった。

自分の音楽日記と重ね合わせ、楽しいひと時が享受できる。ありがとう、牧野君。
左ページの背景は、どこかで見たような…。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする