パンダ イン・マイ・ライフ

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トルストイ「イワン・イリイチの死」

2023-04-09 | book
ロシアの文豪、トルストイの「イワン・イリイチの死」を読んだ。
ロシア語はまったく読めない。平成18年2006年10月初版第1刷の光文社古典文庫130ページではイワン・イリイチ、1928年10月第1刷の岩波文庫102ページでは、イワン・イリッチとある。
トルストイは1828年江戸時代生まれ。同年生まれには西郷隆盛やイプセンがいる。そして、1910年明治43年に82歳で亡くなる。このイワン・イリイチは1886年58歳の時の作品だ。

最初の段落で、イワン・エゴ―ロヴィッチ・シェベック、フョードル・ワシ-リエヴィッチ、ピョートル・イワ―ノヴィッチの3人の名前が登場する。ヴィッチ3連発だ。普通ならここで、読むのを断念するところだ(笑)。
裁判所の判事を務めていたイリイチが、45歳で亡くなる。それも体に異変を感じて3か月後のことだった。死んだという知らせを受けた同僚たち。そして、イリイチの小さい頃からの回想が始まる。勉学に励んだ若き日、結婚、子供の誕生。立身出世を目指した日々。そして。病気との闘い、不安や孤独が綴られる。

死に向かって歩むのが人生という考え方もある。死はいずれ訪れる。逃れることはできない。いつ訪れるのかもわからない。新聞の人生相談に、この本は紹介された。
この本に影響を受けたのが、黒澤明監督の映画「生きる」だといわれている。
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