神話の島

2024-03-12 00:00:04 | たび
淡路島は国生み神話と大いに関係がある。古事記によるとイザナギノミコトとイザナミノミコトの二柱の神が空の上から長い矛で地面をかき混ぜて矛を持ち上げるとしずくがボタンと落ち「おのころ島」になり、そこに両神が着地し、数多くの島を作り始めたと言われる。スプーンからスープがこぼれてテーブルクロスに染みができるような感じだ。

おのずから(自から)凝り固まった島という意味で、淡路島の近くの島ではないかと考えられている。淡路島は本州と同様に地上に降りた神様が作ったことになっているので二次的な島ということになる。




ということで、最初に島の南部の「おのころ島神社」に行く。淡路島は北中南別に、淡路市、洲本市、南あわじ市の三市にわかれ、それぞれ東と西、さして南あわじには南というパートに分かれる。「おのころ島神社」は南の西側。



どちらかというと、自然発生的な地神感がある。神社には神や人ではなく山や岩や森といった天然物を祀るという場合がある。また神話の神様を祀る場合、特定の個人を祀る場合などに分かれるが、ここは神が降臨するより前(あるいは神話が成立する前)の時代から信仰があるのではないだろうか。




日を改めて北部の淡路市(西側)にある「伊弉諾(イザナギ)神宮」へ。こちらの方が堅い感じだ。働き過ぎたイザナギノミコトが余生を過ごしたといわれる神社だ。立派感はこちらの方が上だ。岡山の『吉備津神社』と『吉備津彦神社』のようなのだろう。



夫婦(めおと)大楠という樹齢900年の大楠が、根元で合体してしまったように見える。夫婦大樹というのは楠に限らず杉だったり別種の樹木だったりして夫婦円満の象徴とも言われるが、それぞれの木からすれば、何百年も窮屈な思いをしているとも言える。相手が早く枯れればいいと思っているはずだ。だから夫婦と言われるのかもしれないが。