中村屋サロン美術館を拝見

2024-03-03 00:00:19 | 美術館・博物館・工芸品
新宿方面に所用があり、スキマ時間に中村屋サロン美術館に寄った。中村屋ビルの3階。地下にはカレーで有名なレストランがあり、新宿からは地下道でつながっている(地下鉄側の地下道)



所蔵品の中で最も有名なのは「女(荻原守衛作)」だろうか。絶作と言われる。正確には石膏型が完成したところで病没している。最初に鋳造された作品は国立近代美術館が所蔵しており、新たに石膏原型から鋳造されたもの。なお、この石膏原型は重要文化財に指定されている。



体の中にらせん状の動線が感じられるところは、マイヨールの作品とも共通している。

多くの文化人のサロンになっていた中村屋だが、創業者が中村姓だったわけではないそうだ。創業者は相馬愛蔵・黒光夫妻。普通なら相馬屋になるだろう。

実は当初開業したのが本郷の東大の道路を挟んで向かい側にあったパン屋だった。中村屋というパン屋が廃業するということで、居ぬきで開業したのだが、その際、店名をそのままにしていたそうだ。その後1909年に店舗移転。地下鉄の始発駅だった新宿を選んだそうだ。