カジノが焦点の横浜市長選の怪

2017-07-27 00:00:23 | 市民A
7月30日が投票日の横浜市長選がまったく怪しい限りになってきた。候補者は現職の林(71)市長、元逗子市長で元民主党衆院議員で映画監督の長島(50)氏、元日経BP記者で無職の伊藤(39)氏。林氏を推薦するのが自公で、民進党は自主投票、共産党は伊藤氏を推薦。民進党が分裂しているわけだ。

神奈川新聞等の事前調査では、林氏支持が50%、残り二人が各10%で未定が30%ということで、この組み合わせではどうみても開票後1秒で当確が出る感じだが、実際には400万人に近づいている大都市では大きな争点があるわけではない。大きな問題はたくさんあるが、できることは限られている。

そして、最大の争点というのが中学の給食問題と、カジノ誘致について。中学給食問題というのは、現在の横浜は「家庭弁当方式+ハマ弁」。要するに、家庭で弁当を作れない何らかの事情がある場合は、注文しておくとハマ弁という疑似給食を食べられるわけだ。

これについては市民の53%が完全給食支持、9%が家庭弁当支持、31%が選択方式(混用)支持。林市長は現在の混用型+ハマ弁100円値下げを打ち出す(現在のハマ弁利用者は1%)。残り二人は給食制を打ち出す。長島氏のプランは不明。伊藤氏は親子方式という近接小学校で中学生の分の給食も作るという方式を提案。

そして問題はカジノ誘致。市民の65%はカジノ反対で賛成は23%。候補者では林市長は元々誘致派だったが、今は「白紙」ということになっている。残り二人はカジノ反対。

賛成候補者がいないなら争点にならないはずなのだが、それが争点になる怪現象の原因は地元出身の菅直偉官房長官。候補者に頼まれたわけでもなくカジノ誘致の推進派だ。いつか見たことがあるような展開だが、全国何ヶ所かで誘致運動が起きているのに、カジノ特区の条件に「総合リゾート」に加え「国際会議場併設」の条件が追加されたようだ。「国際会議場・国際展示場」・「劇場や美術館などの文化施設」「日本各地への旅行を促す施設」「ホテル」の4つだ。

これにより、カジノの建設可能な場所は予定の2~3か所のうち、横浜と大阪が決まったも同然なのだそうだ。維新と官房長官の足元である。横浜では基本プランからアクセスプランまですでに立案済で関係者に近い京浜急行やセガサミーも事業参加するとも言われているようだ。

そして、市長が「カジノ白紙」と言ったところで、どこかの党の分裂もあって当選するのは確実なのだろうから白紙がすぐにカジノ設計図に変わるのだろうとは思うし、個人的には横浜カジノで腕を磨いてから、ラスベガスのトランプタワーに乗り込もうかとの不純な期待感もあるのだが。