川本喜八郎人形ギャラリー(三国志・平家物語)

2017-07-02 00:00:00 | 美術館・博物館・工芸品
渋谷Hikarieにある「川本喜八郎人形ギャラリー」に行ってみる。

場所はHikarieの8階だが、渋谷で「8」は特別な数字だ。もちろん上野英三郎東京帝国大学農学部教授の愛犬ハチに記念した数字で、東京都民で知らない人はいない。東大農学部は今の東大弥生門の近くだったそうで、市電を乗り継いで学校へ行かれていたようだ。

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川本喜八郎氏も名前に「八」が入っていて何かの縁だろうか。ハチ公が生まれて2年後に生まれた。八という命名が何らかの理由で流行っていたのかもしれない。

人形師というのが職業なのか芸術家なのかよくわからないが、四谷シモン氏のように最初からアートに傾く人もいれば、川本氏のように人形劇用の作体から始まる場合もある。

Hikarieのギャラリーでは、NHKの人形ドラマ「三国志(1982年)」と「平家物語(1993年)」の人形が揃っている。

三国志と平家物語とは10年の差があるが、三国志の時よりも平家物語の方が表情が豊かになっている。三国志は登場人物が多いのだが、それぞれの人物が物語を背負っているということではなく、平家物語は、全体が深い悲劇性につつまれているので、人物の表情を作りやすかったのだろう。

ところで日本における人形の原形は埴輪なのだろうが、それもまた怖い顔が多い。