『米国抜きTPP+日欧EPA』は政権延命策か

2017-07-18 00:00:00 | 市民A
安倍政権の経済政策の最大の目玉はTPPであったはず。

例えば、物価上昇2%とか将来のGDP600兆円とか女性の活躍とかカジノとか大学特区とか色々と政策らしいことは言っているが、よく考えると、政策のゴールを言っているだけで、プロセスがないわけだ。プロセスがなければ政策は実現されないのだし、そもそも、物価やGDP、女性の労働力化をしても、それで何かいいことがあるのかということすらある。

また、日露関係も目標とはかなり方向違いのことになっているし、東アジア4国の関係は混乱の極みだ。しかも政権支持率はロフテッド軌道になっていて内閣改造に失敗すると困ったことになるだろう。

その中で、TPPはかなり具体的な政策で、おそらく効果が目に見えるということだったのだが、誰かのせいで破綻の危機となっている。

ということで、米国が抜けた穴をEU向けで穴埋めしようというなら、案外合理的な感じもする。さらに米国抜きのTPPが結べれば、TPPの当初計画とは少し方向性が違うものの、似たような効果を得ることができるだろう。

が、たぶん様々な問題が生じると考えられる。まず米国。もう米国の戻る席がなくなる。そしてEU脱退を決定した英国。EU離脱によるEUの困る部分をチラつかせながら有利な通商交渉を狙っていたのに、英国の抜けた穴に経済的関係のみでお気軽日本が潜り込もうとしているわけだ。

単なるEPAなのか、もっと互いに束縛しあうようなルール(経済問題の裁判権の問題)まで結ぶのかは不明だが、そもそもうまくいかなくても相互に失うものがあるわけでもないのだからいいのだろうが、共通の価値観を標榜していたEUが英国の離脱で揺さぶられているのに、さらに価値観の異なる日本と組むようなことなったら、さらに共通の価値観からは遠のいていくような気がする。

さらにEUの枠組みの中では、域内を一つの国のように考えていることが多く(独禁法の適用範囲など)、日本とEUがどこまで深く付き合うかということについて早い段階で確認することが必要なのだろう。

ただ、いい加減な大臣たちが交渉に失敗すると、米国とも英国ともEUとも関係が悪化して、友達がいなくなるということもわずかな可能性で考えられる。(そうなったら、死刑制度を廃止し、難民引受枠を設定して、本格的にEUに入れてもらうほかないかもしれない。)