生也全機現 死也全機現 しょうやぜんきげん しやぜんきげん 円悟禅師の碧巌録より
今夜はこの偈に安らぐこととする。
生もまた全機の発現にして、死もまた全機の発現なり。
こう読んでみた。「機」はハタラキ、機能。
わたしが生きているのは、わたしを生かそうとしている全てのハタラキがフル活動しているからであり、そこにわたしの生が完全出現している。死もまたそうだ。違いはない。わたしの死を全うさせるために全てのハタラキがフル活動しているからであり、そこにわたしの死が完全出現している。生も死もそれぞれ独立自尊してパーフェクトだ。パーフェクトであるからには、恐れるものではない。生を生ききっていれば、死を死にきることが可能となる。生が明で、死が暗ではない。二つとも明である。片方を否定するには及ばないのである。
竜胆(りんどう)を見つけし人の大声の明るく高く響く秋の野 薬王華蔵
これは今日の新聞に佳作入選していた作品。いきなり大声が放たれた。大声は明るく高い秋の野と空に吸収されていった。彼女はこれでいよいよ元気溌剌となった。足下に小さな竜胆が咲いていたからである。美しい発見を発見したからである。
大雨の中を帰宅。帰宅後１時間して雨は上がった。畑に出た。白菜が虫にやられていた。蝶々が大量に卵を産み落とす。卵はすぐに孵る。ぞろぞろ這い出す。まったく旺盛な食欲だ。葉っぱが青いところはざんぎりざんぎりになっている。慌てて殺虫剤を振りまいた。被害を止めることが出来るかどうか。
朝６時過ぎ、大粒の雨の中の露天風呂。濃い硫黄白濁。水面に玉水が跳ねた。もちろん禿げ頭にも。森も林も久住の山々も見えない。ひととき湯の中で座禅を組んだ。
朝食も済ませた。これから荷物をまとめる。帰る。蒲団はずっと敷いたままだった。昼間も夜も寝転んで、浴衣着のまま過ごした。怠け者の枕元に文庫本や雑誌が散らばっている。
