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 永代供養をうたうビル型の墓地施設「梅旧院光明殿(ばいきゅういんこうみょうでん)」(大阪市浪速区)の運営会社「光明殿」(同)が法人税を脱税した疑いが強まったとして、大阪地検特捜部は12日午前、同社と社長宅など関係先に家宅捜索に入った。法人税法違反の疑いがあるとして、同日中にも社長から詳しく事情を聴くとみられる。捜査関係者への取材でわかった。

 同社や、社長が住む兵庫県芦屋市のマンションに午前8時以降、段ボールを携えた特捜部の係官らが入り、家宅捜索を始めた。

 関係者によると、同社と社長は、浪速区の地上9階建ての梅旧院光明殿で管理する納骨壇や墓石の販売などを、関連法人に委託。業務委託料や販売手数料の名目で支払った金額の一部をキックバックさせるなどして得た所得1億円以上を隠し、法人税数千万円を免れた疑いが持たれている。

 ログイン前の続き大阪国税局が2015年夏ごろに強制調査(査察)に着手。本社や社長宅など関係先を家宅捜索し、大阪地検特捜部と合同で捜査を続けていた。社長はこれまでの任意の取り調べに対し、脱税容疑を否認していたとみられる。

 信用調査会社などによると、梅旧院光明殿は、曹洞宗の宗教法人(同市天王寺区)が1995年に建設。運営会社は、納骨壇や墓石の販売代理を担う目的で02年に設立された。核家族化や少子高齢化を背景に、郊外墓地と比べて利便性が高く、掃除などの維持管理に手間もかからないとして需要を掘り起こした。ホームページによると、施設は「屋内墓3000基以上の設置が可能な関西屈指のスケール」とうたっている。

 「来て見て便利な梅旧院」のフレーズのテレビCMに社長自らが登場するなど、積極的な宣伝活動を展開。16年8月期の売上高は約3億8千万円、利益は約3200万円とされる。

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1億4千万円脱税疑いで逮捕 ビル型墓地社長、大阪地検特捜部

 架空経費を計上するなどの手口で法人税約1億4千万円を脱税したとして、大阪地検特捜部は12日、法人税法違反の疑いで、ビル型墓地施設「梅旧院光明殿」(大阪市浪速区)を運営する「光明殿」の社長山口幸子容疑者(63)=兵庫県芦屋市=と、実質的な経理担当和井田寛重容疑者(74)=奈良市、業務委託先の会社役員上月啓右容疑者(76)=大阪府豊中市=を逮捕した。

 逮捕容疑は2010年9月~14年8月、架空経費を計上するなどして約5億2千万円の所得を隠し脱税した疑い。

 民間の信用調査会社などによると、光明殿は02年設立。納骨壇や室内墓の販売代理を手掛けていた。