暇人映画

映画嫌いが映画を見まくる地獄のサーキット

ミスター・ロンリー Mister Lonely

2019年06月24日 21時14分01秒 | 洋画>★★★
2007年/英・仏・米・アイルランド/ハーモニー・コリン監督/ディエゴ・ルナ サマンサ・モートン ドニ・ラヴァン
2019年6月23日 TOKYO MXキネマ麹町〔ぼくらはみんな生きている〕

【あらすじ】
パリに住むマイケル(ルナ)は、マイケル・ジャクソンだった。ある日マリリン・モンロー(モートン)と出会い、スコットランドにあるそっくりさんコミューンへの参加を勧められる。
「ぼくみたいな奴って、ぼくだけじゃないんだ」
自身の存在意義に光明を見い出したマイケルは、アオ!っと言う間にスコットランドへ飛んだ。
マリリンの夫であるコミューンリーダーは、チャプリン(ラヴァン)だった。マドンナ、ジェームズ・ディーン、リンカーン、サミー・デイヴィス・ジュニア、赤ずきん、法王に女王、三馬鹿大将その他もろもろ。コミューンでは、そっくりさん劇場を自力で建設中なのだった。
自給自足な共同生活の中、大事な家畜であるヒツジに伝染病が発生。哀れヒツジさんたちは全頭殺処分となってしまう。
一方その頃とある修道士会では、飛行機から落下した尼さんが生還するという奇跡があった。
劇場のこけら落とし、マリリンの苦悩、尼さんの奇蹟認定…。そしてマイケルはパリへ帰還する。
ぼくがぼくになるおハナシ。


自分を作り上げるより、誰かになりきった方が楽しいし楽だと感じる病気の皆さん。ここのコミューンに、安室奈美恵が3人くらいいたら面白かった。プレスリーがいなかったのは、許可の問題でしょうか。
コスプレイヤーは、30年前には異端視されていた。しかし最近では「仮装」という大義名分のもと、ハロウィンともなるとこぞってコスプレに興じる世の中になりました。東京マラソンもコスプレ、コスプレは文化、大した信念もないのにコスプレ。異端視してくれてた時代のほうが、よほど健全だったな。現代は病んでいる。
ひとは大なり小なり何かや誰かの真似をして自身を形成しているし、そうでないのも不自然なものです。
誰かになりきろうとしている今作のそっくりさんたちは、皆どこかおかしい。そしてマリリンは崩壊してしまい、マイケルは<ほどほど>を手に入れる。
監督もあちら側に覚えがあるのかは分からないが、病んだ感じがジワジワくる。笑えるわけではないが、趣き深い作品です。
あと、信念のないコスプレはダサいって、誰か言ってくんないかな。
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