亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

2300ドルトライのNY金

2024年04月02日 20時18分30秒 | 金市場

一足先にイースター(復活祭)の連休明けのNY時間外アジア時間の取引を2259.20ドルのジャンプスタートしたNY金は、売りを消化しながら相場は進展し、日本時間の1日13時前(NY時間1日0時前)に2286.40ドルまで買われ、これがこの日の高値(=取引時間中の史上最高値)となった。

連休前28日の終盤の勢いをそのまま維持しての上値追いで、目先筋の買いを背景にしたモメンタム相場の真骨頂といった展開だった。

 

ロンドンの時間帯には売り先行の流れに転じ下押ししたものの、NY通常取引開始後は再び2280ドル方向に切り上げ、この日の注目指標3月のISM製造業景況指数の発表を待った。

10時に発表された結果は、米製造業の予想外の堅調さを示すとともに、インフレのしぶとさを思わせる内容だった。米長期金利は2週間ぶりの水準に上昇、ドルも主要通貨に対し上昇という流れでドル指数(DXY)は昨年11月中旬以来4カ月半ぶりの水準105ポイント台に上昇。

先週は快調に最高値の更新を続けていた米国株主要指標も下げに転じた。

NY金も一時2250ドル割れまで水準を切り下げた。

その後、終盤に向け買戻しの動きが見られたもののアジア時間の寄り付き価格には届かずに2257.10ドルで終了した。前営業日比18.70ドル高の5連騰で終値ベースでの史上最高値を更新した。

 

ただし、今般3月以降の相場付きの強さを表すのが、その後の時間外取引にて再び買い優勢に転じたこと。

徐々に水準を切り上げ時間外取引は2272.60ドルで終了ということに。

 

イスラエルがシリア首都ダマスカスにあるイラン大使館を攻撃し、イラン軍司令官ら複数名の死傷が伝えられたことが、金市場では買い要因になったとみられた。イスラエルによるシリア国内への攻撃はこれま繰り返されてきたものの、対象がイラン大使館になったのはこのところ一連の流れの中で初めてのこと。今後の両国間の緊張の高まりが懸念される事態と言える。

こうなると米指標の改善によるFRBの利下げタイミングの後連れというゴールド売り材料よりも、地政学リスクの上昇という新たな買い手掛かりの方が上回ることになる。

金融的側面を持つ唯一の実物資産かつクレジットリスクのない安全資産として、カバーする範囲の広いゴールドならではという相場展開が浮上することになった。

 

2272.70ドルで始まった2日のアジア時間の取引は、ロンドン時間の午前、東京時間の夕刻5時の時点で2280ドル台に乗せ、その後一時2287.50ドルまで買われ、あっさり前日の史上最高値を上回った。

 

現在、東京時間20時だが2280ドル超を維持して推移している。 本日は2月の米雇用動態調査にて求人件数が注目指標。他に複数のFRB高官の発言機会があるがサンフランシスコ連銀デイリー総裁の発言に注目だが、利下げ観測の材料性は以前より薄まっており、何か手掛かりを見つけて2300ドル挑戦という流れもありそうだ。

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