亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

中国のイベントデイ

2019年09月30日 23時46分49秒 | 金市場
先週末は中国商務省の報道官が、中国企業が米国産大豆と豚肉を「かなりの規模で」買い付けたことを明らかにするなど、貿易面での中国側の歩み寄りが伝えられた。その後、米CNBCテレビが来月10、11日の日程でワシントンにて米中閣僚級通商協議が開かれると報道。寄せては引く波のような米中協議についての楽観悲観の交錯状態は、楽観に傾き27日の金市場はアジアの終盤ロンドンからNYの通常取引入り後にかけて売り優勢の . . . 本文を読む
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役目を終えたCBGA(金売却と貸出制限協定)

2019年09月27日 23時40分37秒 | 金市場
中央銀行、中でも新興国中銀の金購入がこの10年高水準で続いてきたことは、日経などでも取り上げられ、知られるところとなった。WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)のデータでは2010~2018年は年平均で485トンとなっている。2018年は651トンでニクソンショック(ドルと金の交換廃止)で知られる1971年以降で最大の買い付け量となった。2019年もポーランドなど新顔の登場もあって上半期で374 . . . 本文を読む
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金市場、コアな投資家の揺るぎないスタンス

2019年09月26日 20時26分12秒 | 金市場
昨日、米中交渉についてのトランプ発言について「二転三転してきた経緯から、「今後も流動的な状況が続きそうだ」としたが、翌日に早速、楽観見通し転じる発言があり米株式市場は素直に受け入れた。金市場の方はトランプ発言よりも、足元の米国経済指標の好調さに反応したということではないかと思う。 25日の金市場が下げに転じたには午前10時からだった。その時間に発表されたのが8月の新築住宅販売件数だった。年率換算 . . . 本文を読む
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トランプ弾劾騒動に反応していない金市場

2019年09月25日 22時39分20秒 | 金市場
報じられているようにNY時間24日の午後に来年の大統領選挙を念頭にウクライナに圧力をかけた疑惑から野党民主党内でトランプ大統領弾劾に向けた動きが報じられたが、こちらは金市場よりも株式市場の反応の方が強かったように思われる。というより金市場は反応しなかったように見受けられた。 24日の流れの転機となったのは国連総会でのトランプ大統領の演説だが、知的財産権の侵害や強制的技術移転など中国の通商を巡る慣 . . . 本文を読む
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ETF残高に見る金市場への資金流入

2019年09月24日 23時38分07秒 | 金市場
週明けのNY金はそれなりに珍しい展開となった。欧州の景況指数の落ち込みが止まるどころか、さらに深掘りの様相となったことが、金市場にて買いの手掛かりにされたことがそれ。 IHSマークイットが発表した9月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数)速報値は50.4で、前月の51.9から低下し横ばいを見ていた市場予想も下回った。2013年半ば以来の低水準となる。製造業PMIが45.6と一段と低下したこと . . . 本文を読む
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FRBもECBに続き早晩QE(量的間作)再開か

2019年09月20日 21時42分46秒 | 金融市場の話題
FOMCも終了し、9月のイベントは一巡といったところで、各市場とも方向感なく漂っている。本日はあるクローズドな勉強会用の資料を作って改めて感じたのは、今年のFOMCの投票権を持つメンバーはハト派に傾いているということ。昨日最後に少し書いたがドット・プロットで年内の金利水準が1.5%~1.75%まで下がると読んだメンバーが7名いたが、FRB理事全員にFOMC副議長のNY連銀ウィリアムズ総裁にセントル . . . 本文を読む
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タカを装うハト?の下、金の下げは限定的だった

2019年09月19日 22時34分22秒 | 金市場
大方の予想通り25bp(0.25%)の利下げを決めたFOMC。これで政策金利は1.75~2.00%となった。ただし、今後の追加緩和については明確な見通しを示さなかった。今回の会合の参加者17名全員(匿名)が提出した政策金利の見通しの分布図(ドット・プロット)の中央値は、年内の利下げはこれで終了したことを表している。さらに17名中10名が、年内これ以上の利下げは必要ないとの見方を示していた。市場はや . . . 本文を読む
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見通しの割れが焦点のFOMC、それよりペンス発言が気掛かり

2019年09月18日 20時45分55秒 | 金融市場の話題
さてサウジ石油施設攻撃に関心が向けられたこの数日だが、連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されており、日本時間の明朝3時に声明文さらに今回は参加者全員の経済見通しが発表される。その後3時半からパウエル議長の記者会見が約1時間開かれ、こちらはネット中継される。7月に続き利下げが確実視されているが、FOMCメンバー内で利下げを巡り意見の割れが認められており、どうなるか。記者会見にてパウエル議長が今後の . . . 本文を読む
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ドローンの軍事転用が高める地政学リスク

2019年09月17日 22時43分16秒 | 国際情勢
サウジの石油施設に対するドローンの攻撃は、最近も起きており、またかというのが最初の印象だったが、国際ニュースの映像を見てすぐに規模の大きさが違うことに気づいた人は多かろう。先週、たまたまドローン技術が軍事分野で非常に伸びているという内容の原稿を読んだところだった。昨年10月にペンス副大統領が、中国を非難する演説をし、「米国に挑戦する国」としたうえで、徹底的に対抗すると宣言するということがあった。新 . . . 本文を読む
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ドイツと米国の債券の下げは一時的な調整局面

2019年09月11日 22時47分50秒 | 金市場
先週末から市場で高まっているドイツの財政出動期待。過去最低利回りの更新を続けたドイツ10年債に続き、30年債もマイナス圏に沈むなど、すべての年月がマイナス圏に沈むという異例のドイツだったが、財政規律を緩めて景気刺激策に乗り出すとの見方で、利回りの上昇が目立っていた。それは米債に伝染し、昨日も触れたように米債利回りの上昇も加速した。米独という主要国の国債の値動きまで軽くなっているのは、バブルとい . . . 本文を読む
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