亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

最高値更新のゴールド 海図なき航海(はしゃぎ過ぎのモメンタム相場)

2024年04月01日 21時08分00秒 | 金市場

イースター(復活祭)の連休明けのNY金は、NY時間外アジアの早朝からジャンプスタートとなった。

 

2259.20ドルでアジア時間の取引を開始すると売りをこなし、買い優勢の流れが続き2280ドル手前ではさすがに売り物が増え売り買い交錯状態に。それも消化し日本時間の13時前に2286.40ドルまで買われ、この価格が日本時間19時時点までで高値となっている。

 

2024年のNY金の予想値を2300ドル、状況次第では2500ドルと昨年末のマネックス証券サイトに書き、2月13日発売の(毎日新聞)週刊エコノミストでは、その背景をより詳しく書いた。しかし、この4月1日のタイミングで2300ドルに接近することは想定外といえる。水準自体には意外性はない。

 

連休前のNY金は27日に中心となる取引(中心限月、Active month)が4月物から6月物に変更され6月物の価格には金利裁定のプレミアムが20ドルほど乗ることになった。いわば20ドル方下駄を履いたような形だが、それでも4月物が27日時点で2196.30ドルまで買われていたので、さほど問題ではない。 28日は通常取引を2238.40ドルで終えたが、その後の時間外で一気に上値追いとなった。一時2256.90ドルと取引時間中の最高値を更新し、時間外取引は2254.80ドルで終了。ほぼ高値引け状態でテクニカル的には、上昇基調の強さを表した。通常取引終値で計る四半期(1~3月期)ベースで166.60ドル、8.0%の上昇となった。これで2四半期連続の上昇に。

 

問題は休日に発表されたFRBが注視している3月の個人消費支出(PCE)価格指数(PCEデフレーター)と当日のパウエル議長の発言(サンフランシスコ連銀の公共ラジオ番組のインタビュー)が、週明けのNY金の方向を決めるものとして注目されていた。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは、前年比2.8%上昇と、伸び率は2021年3月以来、2年11カ月ぶりの低水準に。1月は2.9%上昇だった。前月比では0.3%上昇で1月の0.5%上昇から減速した。FRB当局者が「スーパーコア」として注目する住宅・エネルギーを除くPCEサービス上昇率は前月比0.2%で1月の0.7%から鈍化した。

パウエル議長は、「昨年下半期に得られた多くの良好な数値ほど低くはなかったものの、私たちの期待により沿っていたことは間違いない」と発言。

 

その他の発言は3月FOMCの記者会見時と変わらず、足元のゴールド強気センチメントに水をさすようなものではなかった。

しかし、それにしてもはしゃぎ過ぎという印象の上昇。週明けの米国株の反応も合わせて見て、判断したいと思っている。

 

イベントレスでこの規模のモメンタム相場は、40年近く金市場を見てきて、初めてのケースではある。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« CLO市場瓦解も(ヨーロッパで... | トップ | 2300ドルトライのNY金 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぱろ)
2024-04-02 06:40:36
将来3500ドルになることがあるとするなら
何とかウッズ協定の35ドルから100倍に。
いやドルの価値が100分の1に。
その時、その内容そのものがイベントになり
そこが新たなるスタートになったりして、、。
Unknown (fairlane)
2024-04-03 13:37:04
相場見るだけ20年の自分は、この空気グリーンスパン時代に似ているな と思っていましたが、40年の先生が初めてのケースとおっしゃるなら、18年前を上回るモメンタム相場なのですね。すべての材料をプラスに取り込んで暴力的に毎晩上げていく 取組も増えないで回転良く玉が回る。。 山高ければ谷深しは皆分かっているけど、この相場は売り方は厳しい。。
GoldBugって死語になりましたね もう虫けらじゃないやいと いまや先見の明のある人たちです。
環境の変化のため冬眠しておりましたが、この大相場でむくむくと起き上がってみました
3500ドル (KAMEI)
2024-04-03 20:20:18
ブレトンウッズ体制時の1オンス=35ドルの100倍。
妥当価格がないゴールドだけに、そうした数字は状況次第で目標値になる可能性は荒唐無稽とは言えないところがゴールドのおもしろいところ。
fairlaneさん (KAMEI)
2024-04-03 20:26:59
おお、ご無沙汰です。

目覚めましたか(笑)

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事