亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金大相場の証し、新たな買いベクトルの浮上

2024年04月03日 20時07分18秒 | 金市場

昨日はここにモメンタムを背景として2300ドル突破が目先の目標になっていると見て、「2300ドルトライ」とした。

 

相場格言が言うところの「もうはまだなり」を地で行く相場になっている。結果的にいったんは売り戻され反落するかに見えたが、終盤に買われNY金初の2300ドル突破は、大きな売り圧力もない形で達成されることになった。

通常取引は4営業連続で史上最高値を更新し前日比24.70ドル高の2281.80ドルで終了。

しかし、注目すべきはその後の時間外取引で、延長戦(時間外取引)に入った後に買いに勢いがつき、終了間際に一時2301.90ドルまで買われ、2301.00ドルで時間外取引は終了。高値引け状態となり、4日のアジアの取引に引き継がれた。

 

4日は先週まで最高値を更新していた米株が大きく売られる中でのNY金の上昇継続がポイントになる。

この日は長期金利の指標となる10年債利回りが一時4.407%と、23年11月27日以来の高水準を付け、ドルも主要通貨に対し買われドル指数は一時105.1と23年11月14日以来の高値を付け。前日に発表された3月の米ISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数が1年半ぶりに好不況の境目となる50を上回るなど、このところの一連の米経済指標の好調さを受け、米利下げ開始時期が7月以降に先送りされるとの見方が再び強まった。

この中で、ここまで予想外の好景気の持続を好業績観測に焼き直す形で史上最高値の更新を続けてきた米国株だが、さすがに2日は大きく下落。ダウ30種平均株価は一時前日比515ドル安まで売られ396ドル安の3万9170ドルで終了。

好調な経済データを、これまでは株高の手掛かり材料としてきたが、景気のソフトランディング(軟着陸)期待よりもむしろインフレ再燃への警戒が高まり株は売られた。

 

こうした向かい風の中でさすがにNY金も反落状態で昼前まで水準を切り下た。それでも下値は2270ドルに接近するところまでで、その後は終盤に向けて買い戻され、先に触れたように時間外で上値を追った。

株が売られる中で上昇するゴールド。

幅広くリスク分野を視野に入れ、それぞれの手掛かり材料の強弱を考慮しながら売買される金ならではの値動きといえる。

不透明ではあれ米利下げ転換は早晩実施されるとの基本シナリオの中で、それよりも国際政治の現場で懸念が高まっている中東での戦域の拡大という地政学要因がNY金を押し上げた。

 

米長期金利上昇という「売りベクトル」よりも、イスラエルによる在シリア、イラン大使館空爆という「買いベクトル」が上回っている。

 

ここまでの手掛かり材料がそろそろ一巡というタイミングで、新たな材料が飛び出すあたりが大相場を表している。

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