亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金7営業日続伸、初の終値2300ドル台

2024年04月04日 20時42分59秒 | 金市場

3日は昼過ぎ12時10分に始まったスタンフォード大学でのパウエルFRB議長の講演は、新鮮味はなかったものの、足元の市場を安心させる効果があった。

 

というのも、このところ直近で発表されたインフレ指標が軒並み予想を上回ったことで、FRB中枢よりも、むしろ市場の方が金融政策に関しタカ派的な見通しに傾斜していることがある。半年前とが逆転している状況にある。

 

パウエル議長は、最近のインフレデータは予想を上回ったものの、低下方向にあるという全体像を「有意に変える」ものではないと指摘。「年内どこかの時点で」利下げを開始するのが適切になる可能性が高いとの認識を改めて示した。また自分自身と他のFRB当局者も見解はほぼ一致しているした。この発言は言うまでもなく効いた。

ただし、基本的に「インフレ率が2%に向かって持続的に低下しているという確信が強まるまでは、政策金利を引き下げるのは適切ではない」というこれまでの基本認識を繰り返した。

 

この講演の2時間ほど前に発表されていた3月のISM非製造業景況指数は、51.4と、2月の52.6から低下し、市場予想を下回り2カ月連続の低下に。企業が調達や物流で支払う価格指数が4年ぶりの低水準となり、サプライヤーの納期に関する指数も低下した。企業のコスト負担の軽減や納期の短縮がインフレの沈静化につながると受け止めらた。ISMのデータに反応し、前日は昨年11月末以来の水準に上昇していた米長期金利は低下。.金市場の買い材料となっていた。

 

議長発言もありNY金は前日比33.20ドル高の2315.00ドルで終了。7営業日続伸し終値ベースで5営業日連続で史上最高値を更新。イベントレス型であることを考えると、怒涛の上げ相場が続いている。

終値で初の2300ドル台で、年初来243.20ドル、11.7%の上昇となる。

イスラエルによるシリア首都ダマスカスのイラン大使館領事部空爆という、中東情勢の緊迫化に反応する形で今週に入り水準を切り上たが、3日の市場はそこに米金融政策をめぐる見通しや米経済指標の鈍化という、いわば日替わりメニューが買い手掛かりとなり続伸した。

NY金はこのところ通常取引終了後の時間外取引にて値を飛ばす例が増えている。

3日も同様で2315.00ドルで通常取引を終了した後、パウエル発言を受け時間外で水準を切り上げ一時2321.80ドルまで買われ高値をさらに更新。2320.90ドルで時間外取引は終了した。前日に続き、ほぼ高値引けの状態となり、4日のアジア時間の取引に引き継がれた。

 

押し目待ちに押し目なし。

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