本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済

2017-11-11 09:34:29 | Weblog
■本
89 デジタルトランスフォーメーション/ベイカレント・コンサルティング
90 閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済/水野 和夫

89 ここ数年バズワードとなっている「デジタルトランスフォーメーション」(デジタル技術による変革)について書かれた本です。コンサルファームが書かれた本なので、企業経営者目線で書かれています。日々の生活や業務にどのような影響があるかという生活者/実務者の立場から言うと、少し読みにくいかもしれません。また、それぞれの要素技術や実例は若干古い気もします。しかし、俯瞰的に「デジタルトランスメーション」が企業経営にどのような影響を与え、どのように取り組んでいく必要があるかを知るには参考になります。「最新のITを活用し、顧客経験に訴求したサービスを提供すること」が重要、など、本質をシンプルな言葉で伝えてくれるので頭の整理にも役立ちます。

90 前作、「資本主義の終焉と歴史の危機」と同様に、「なぜ資本主義が終焉に向かっているのか」、や、「なぜ各国がグローバリズムに背を向けようとしているのか」、ということについてわかりやすく解説してくれます。前作は「金利」を軸に、低金利で資本が高い利潤を上げられなくなったことを示し、資本主義の終焉について解説されていましたが、今作では「蒐集」というキーワードを軸に、リアルの世界では未開地域がなくなり、無限と思われた「電子・金融空間」でもリーマンショック以降限界が見えてきたので、「より広い空間」を求め「蒐集」を続けていくのではなく、逆に経済圏を「閉じる」方向に向かう必要があると主張されています。前作と比べると、繰り返しが多く、議論も若干上滑りなところもありますが、経済学や歴史の豊富な知識に基づき、思いもよらぬ要素が関連付けられて話が展開されていくので、知的好奇心が大いに満たさる本です。


■CD
43 SHINJITERU/ハナレグミ

 前作と同様に、冒頭から優しさに溢れたシンプルでスローな楽曲が中心です。さりげない日常の中にある幸せを描いた歌詞同様、音の方も最低限ながらも心地よく胸に染みこみます。でも、この若さでここまで悟りきった境地に達するのも少し違和感が残ります。もちろん、ハナレグミの声や音楽は大好きなのですが、もう少し引き出しの多いアーチストだと思いますので、もっといろんな側面を見せて欲しいとも思いました。ライブとかで聴くと印象が違うのかもしれませんね。


■映画
65 ロンドン・ブルバード/監督 ウィリアム・モナハン

 主演が「フォーン・ブース」のコリン・ファレル、ヒロインが「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのキーラ・ナイトレイということで、そう大外れはしないだろうと思ったのですが、なかなか残念な作品でした。コリン・ファレルは、荒々しくも心優しい前科者を渋く演じていますし、キーラ・ナイトレイも陰のある元女優というこれまでのイメージと違った役を野心的に熱演しています。いかにもイギリスっぽい、スタイリッシュな映像も悪くないです。おそらく、ガイ・リッチー監督作品のような、トリッキーながらもセンス溢れる作品を目指したのだと思いますが、肝心の脚本が尻つぼみで、苦みのある意外性のあるエンディングも拍子抜けの感覚しか残りませんでした。もっと面白い作品になり得たと思うので惜しいです。
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