☆この作品は、巨大モンスターがニューヨークを壊滅させる話だそうだが、そのモンスターの姿は秘匿されたまま、本日の公開に至っている。
その「秘密戦略」は、宣伝が開始された頃は、映画のタイトルさえも謎とされていた、ようだ。
チラシなどには、謎めいたキーワードがちりばめられている。
・・・いや、私は、この作品を意識し始めたのが二ヶ月ほど前なので、それ程には待望してはいなかったのよ^^;
でも、人並みに、「ネットでなら、そのモンスターの姿が曝されているべぇ、母べぇ^^;」と思い検索した。
でも、私の調べが甘かったからかも知れないが、見られなかった。
思えば、『E.T』や『未知との遭遇』『エレファントマン』が公開されていた三十年ほど前は、そういった「人の興味を嫌がおうにも引いてしまうビジュアル」は「公開までは秘密」とされていたものだ。
しかし、この高度情報化社会において、そういった秘密戦略は成り立つのだろうか? と思ったものだが、本日の公開まで、私がモンスターの姿を拝んでいないので、成功したのだろう^^
私は、モンスターの外見を友人と語り合っていて、「ロボットじゃないか?」と言ってみた。
だって、映画館の予告CMの最初に、プロダクションのものだろうけど「BAD ROBOT」と言うロゴが出ているから・・・。
・・・さて^^
# # # #
おっと、もう一つ、書いておかないといけないことがある。
この映画の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的なつくりである。
それは、一素人の撮影者による「記録された映像」的な作劇であり、カッコ良く言うと「ドキュメント」的な作品づくりのことである。
つまり、ホームビデオを撮っていた撮影者が、大きな事件に巻き込まれ、その様子を記録し続けた、と言う態が装われているのである。
顕著なのは、「画面の揺れ(手ぶれ)」が大きいということである^^;
私がモンスターの姿を求めてネット検索していた時、海外で公開された直後で、多くの感想が見られたのだが、「手ぶれ画面に酔っ払ってしまったから、ダメ」と言う感想が多くみられた。
でも、それがいいと言う方も見られた。
私は、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の時、やや酔ってしまったタイプであるが、『ブレア…』の新しさには面白さを感じた。
だが、『クローバー・フィールド』は、『ブレア…』のように、「奇を衒った」だけでは済ますことは出来ない。
あまりにものビッグバジェットであるだろうし、ベーシックとなる作品自体の面白さを、私は期待するのだ。
つまり、「素人による擬似ドキュメント」の魅力を差っ引いても楽しめる作品をキボンヌ、っちゅうことだ。
・・・と、ここまでは観る前に用意しておいた文章だ。
以下は、鑑賞後・・・^^;
# # # #
非常に面白かった。
私は、この作品を肯定したい。
手ぶれ映像で確かに少し酔ったが、それが非常に心地良い疲労になって、鑑賞後の今も、「ふぅ~っ」と深呼吸をくり返している。
前段で私が書いた「<擬似ドキュメント>手法による<奇を衒った>」などと言う虚仮威し(こけおどし)の内容ではなかった。
「擬似ドキュメント」は、作品の魅力を最大限に活かす最良の表現テクニックであった。
内容と技術が不可分で、見事に絡み合っていた。
成り行きで作っているように見せかけて、そこには、緻密な計算が成り立っていた。
たかだか若者数人の集まりの「右往左往」のようだが、モンスターの姿も、それに対する軍隊からの情報も、自然に明らかになっていくと言う展開で、こちらの興味も惹きつけ続ける。
多くの謎が残るのだが、この作品が、主人公とヒロイン二人の「愛の物語」だと考えると、序盤の長いパーティーシーンも納得できるし、尻切れトンボにも思える結末が、ちゃんと悲恋として完結しているのだ。
時おり、そのホームビデオのテープが、重ね撮りらしく、昔の二人の幸せそうな時期の姿を映し出す。
観終わって思うと、そのインサート映像がよい効果を生んでいる。
# # # #
私は、もはや、一匹しかでない大型モンスター映画などに、胸をドキドキさせられるとは思っていなかったのだが、「どこぞから来た未知の怪獣」から、臨場感たっぷりに逃げ惑う主人公たちの姿にハラハラドキドキさせられて、「ああ、こんな、巨大怪獣本来の怖さに立ち返った撮り方があったんだなぁ!」と感動した。
私は、「ゴジラ」「ガメラ」などに慣れ過ぎて、その怪獣プロレス的なものがモンスター映画だと思い込んでいたらしい。
・・・しかし、最近の怪獣映画の傾向として、モンスターには必ず付随するチビモンスターたちがいますな^^;
『ゴジラ』のデストロイア
『ガメラ』のレギオン
『ゴジラ(USA)』の子ゴジラ
今回の怪獣は、それは踏襲しています。
チビモンスターが出現し、それでこそ、人間との等身大の戦いも表現されて、本体のスケールが強調されまする^^
# # # #
肝心のモンスターだが、その姿について、ちょっとだけ記させてくれ^^;
怪獣と言うと、どうしても恐竜的なフォルムから離れられない西洋人だが、この作品のモンスターは、やや細めで、人間ぽかった。
巨大な人型が、マンハッタンをズシズシ歩くビジュアルはシュールでよかった。
なんか肌合いがカサカサしていて、表面にシミが多数見られるのも、老人くさい^^;
私は、『ウルトラマン』のジャミラを思い出しました^^
# # # #
平成『ガメラ』シリーズはスタイリッシュで、いい画が多数あった。
・・・折れた東京タワーに蹲るギャオス。
・・・仙台爆心地で化石風になるガメラ。
・・・燃えさかる京都でイリスと対峙するガメラ。
『クローバー・フィールド』も、いいビジュアルがあった。
・・・ポスターにもなっている、燃えるマンハッタン背景の首のない「自由の女神」。
・・・破壊されて隣の高層ビルに寄りかかる高層マンション。
・・・いかにも軽々と飛んでくる「自由の女神」のクビ。
・・・爆撃攻撃されて、倒れつつ、近くのビルに縋り、窓と言う窓を引っ掻き散らすモンスター。
良かった~^^
それらが、完璧に構築された世界で展開されるんだから、たまらない。
主人公達の性格の描き分けもしっかりしていた。
# # # #
ひとつだけ、微妙なことについて書きたい。
撮影者が、仲間の身内に不幸があってもビデオを撮り続けるのに違和感。
確かに、それについて、主人公が疑問を呈す会話があるが、その後、更に厳しい展開が続き、途中で、誰かが「もう撮るのやめなさいよ!」と叫んでもおかしくない気がする。
ただ、それについてもうまいんだよなぁ。
撮られている仲間たちは、疲労しきって、そんな文句も言えなくなっているような描写がちゃんとあるんだよなぁ^^;
今年は楽しい映画がいっぱいだなあ!!!
(2008/04/05)
その「秘密戦略」は、宣伝が開始された頃は、映画のタイトルさえも謎とされていた、ようだ。
チラシなどには、謎めいたキーワードがちりばめられている。
・・・いや、私は、この作品を意識し始めたのが二ヶ月ほど前なので、それ程には待望してはいなかったのよ^^;
でも、人並みに、「ネットでなら、そのモンスターの姿が曝されているべぇ、母べぇ^^;」と思い検索した。
でも、私の調べが甘かったからかも知れないが、見られなかった。
思えば、『E.T』や『未知との遭遇』『エレファントマン』が公開されていた三十年ほど前は、そういった「人の興味を嫌がおうにも引いてしまうビジュアル」は「公開までは秘密」とされていたものだ。
しかし、この高度情報化社会において、そういった秘密戦略は成り立つのだろうか? と思ったものだが、本日の公開まで、私がモンスターの姿を拝んでいないので、成功したのだろう^^
私は、モンスターの外見を友人と語り合っていて、「ロボットじゃないか?」と言ってみた。
だって、映画館の予告CMの最初に、プロダクションのものだろうけど「BAD ROBOT」と言うロゴが出ているから・・・。
・・・さて^^
# # # #
おっと、もう一つ、書いておかないといけないことがある。
この映画の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的なつくりである。
それは、一素人の撮影者による「記録された映像」的な作劇であり、カッコ良く言うと「ドキュメント」的な作品づくりのことである。
つまり、ホームビデオを撮っていた撮影者が、大きな事件に巻き込まれ、その様子を記録し続けた、と言う態が装われているのである。
顕著なのは、「画面の揺れ(手ぶれ)」が大きいということである^^;
私がモンスターの姿を求めてネット検索していた時、海外で公開された直後で、多くの感想が見られたのだが、「手ぶれ画面に酔っ払ってしまったから、ダメ」と言う感想が多くみられた。
でも、それがいいと言う方も見られた。
私は、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の時、やや酔ってしまったタイプであるが、『ブレア…』の新しさには面白さを感じた。
だが、『クローバー・フィールド』は、『ブレア…』のように、「奇を衒った」だけでは済ますことは出来ない。
あまりにものビッグバジェットであるだろうし、ベーシックとなる作品自体の面白さを、私は期待するのだ。
つまり、「素人による擬似ドキュメント」の魅力を差っ引いても楽しめる作品をキボンヌ、っちゅうことだ。
・・・と、ここまでは観る前に用意しておいた文章だ。
以下は、鑑賞後・・・^^;
# # # #
非常に面白かった。
私は、この作品を肯定したい。
手ぶれ映像で確かに少し酔ったが、それが非常に心地良い疲労になって、鑑賞後の今も、「ふぅ~っ」と深呼吸をくり返している。
前段で私が書いた「<擬似ドキュメント>手法による<奇を衒った>」などと言う虚仮威し(こけおどし)の内容ではなかった。
「擬似ドキュメント」は、作品の魅力を最大限に活かす最良の表現テクニックであった。
内容と技術が不可分で、見事に絡み合っていた。
成り行きで作っているように見せかけて、そこには、緻密な計算が成り立っていた。
たかだか若者数人の集まりの「右往左往」のようだが、モンスターの姿も、それに対する軍隊からの情報も、自然に明らかになっていくと言う展開で、こちらの興味も惹きつけ続ける。
多くの謎が残るのだが、この作品が、主人公とヒロイン二人の「愛の物語」だと考えると、序盤の長いパーティーシーンも納得できるし、尻切れトンボにも思える結末が、ちゃんと悲恋として完結しているのだ。
時おり、そのホームビデオのテープが、重ね撮りらしく、昔の二人の幸せそうな時期の姿を映し出す。
観終わって思うと、そのインサート映像がよい効果を生んでいる。
# # # #
私は、もはや、一匹しかでない大型モンスター映画などに、胸をドキドキさせられるとは思っていなかったのだが、「どこぞから来た未知の怪獣」から、臨場感たっぷりに逃げ惑う主人公たちの姿にハラハラドキドキさせられて、「ああ、こんな、巨大怪獣本来の怖さに立ち返った撮り方があったんだなぁ!」と感動した。
私は、「ゴジラ」「ガメラ」などに慣れ過ぎて、その怪獣プロレス的なものがモンスター映画だと思い込んでいたらしい。
・・・しかし、最近の怪獣映画の傾向として、モンスターには必ず付随するチビモンスターたちがいますな^^;
『ゴジラ』のデストロイア
『ガメラ』のレギオン
『ゴジラ(USA)』の子ゴジラ
今回の怪獣は、それは踏襲しています。
チビモンスターが出現し、それでこそ、人間との等身大の戦いも表現されて、本体のスケールが強調されまする^^
# # # #
肝心のモンスターだが、その姿について、ちょっとだけ記させてくれ^^;
怪獣と言うと、どうしても恐竜的なフォルムから離れられない西洋人だが、この作品のモンスターは、やや細めで、人間ぽかった。
巨大な人型が、マンハッタンをズシズシ歩くビジュアルはシュールでよかった。
なんか肌合いがカサカサしていて、表面にシミが多数見られるのも、老人くさい^^;
私は、『ウルトラマン』のジャミラを思い出しました^^
# # # #
平成『ガメラ』シリーズはスタイリッシュで、いい画が多数あった。
・・・折れた東京タワーに蹲るギャオス。
・・・仙台爆心地で化石風になるガメラ。
・・・燃えさかる京都でイリスと対峙するガメラ。
『クローバー・フィールド』も、いいビジュアルがあった。
・・・ポスターにもなっている、燃えるマンハッタン背景の首のない「自由の女神」。
・・・破壊されて隣の高層ビルに寄りかかる高層マンション。
・・・いかにも軽々と飛んでくる「自由の女神」のクビ。
・・・爆撃攻撃されて、倒れつつ、近くのビルに縋り、窓と言う窓を引っ掻き散らすモンスター。
良かった~^^
それらが、完璧に構築された世界で展開されるんだから、たまらない。
主人公達の性格の描き分けもしっかりしていた。
# # # #
ひとつだけ、微妙なことについて書きたい。
撮影者が、仲間の身内に不幸があってもビデオを撮り続けるのに違和感。
確かに、それについて、主人公が疑問を呈す会話があるが、その後、更に厳しい展開が続き、途中で、誰かが「もう撮るのやめなさいよ!」と叫んでもおかしくない気がする。
ただ、それについてもうまいんだよなぁ。
撮られている仲間たちは、疲労しきって、そんな文句も言えなくなっているような描写がちゃんとあるんだよなぁ^^;
今年は楽しい映画がいっぱいだなあ!!!
(2008/04/05)
ご指摘の通り、印象に残る映像は、かなりありましたね。
ただ、この消化不良は次回を待つしかないのでしょうね。
チラシ宣伝の細かい謎の提示と、予告編のドキュメント形式に違和感があったので、この謎の多くはレッド・へリングだな、解き明かされないなと思っていたので、私はそれ程に不満はなかったですが、確実に説明不足の謎が多々ありますよね。
私は、なにぶん、とにかく、どんなモンスターなんだ? が興味の最大のものでしたので、それが白日の下に曝され、満足しました^^
二作目を待ちますが、モンスターは変わらないので、新鮮味が薄れそうです^^;
マユツバものと思ってあまり期待していなかったのでうれしい誤算。
ネタ詰まりのしょうもないハリウッド映画界あって、快心の一発と言える気持ちよさが自分としてはアリでした。
やはりJ・Jは若くてセンスに溢れてますね。
まだまだこれからしばらくは楽しませてくれそうです。
私は『LOST』はあまり知らないのですが(実は年末に夜中にやった第一話だけ見ました^^;)、でも、長大なので、その後は見ていないのです。
休みの日に連続で見ようかな^^
最近、アメリカのドラマ、盛り上がってますね。
私は、『ツイン・ピークス』以来、疎いのです^^;
これからもよろしくお願いします☆
そうなんですよね、
この映画はパニック映画なんですよね。
怪獣映画ではない作りなので、怪獣とどう戦うかということには興味が向かない。
災害には理由なく、生き残ることが目的となり、そこに興味が向けられた私たちは、ハラハラドキドキさせられる訳です^^