マキペディア(発行人・牧野紀之)

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民主集中制

2012年01月20日 | マ行
  参考

 01、現在まで共産党、社会主義国家機関の普遍的組織原則とみなされている民主主義的中央集権主義はこの時期にボリシェヴィキ、メンシェヴィキの合意のうえで党規約に明記されたものである。

 1905年12月の第1回党協議会の「党の再組織にかんする」決議はこの原則を議論の余地のないものと認めて、指導の中央集権と、広範な選挙制、最も広範な公開性、幹部の定期的更迭、厳格な報告義務等、民主主義との結合が必要であるとみなした。

 翌年の第4回合同党大会で採択された党規約は、「すべての党組織は民主主義的中央集権主義の原理にもとづいて構成される」ことを明記した。この原則の内容として了解されていた点は、第1回党協議会の決議に明示された原則のほかに、党内問題についての完全な批判の自由、少数意見保持の権利、さらには分派、諸傾向の権利の保障がふくまれていた。

 レーニンはこの時期に「われわれにおいては民主主義的中央集権主義の原則、あらゆる少数派と忠誠なあらゆる反対派の権利の保障、各党組織の自治、党のあらゆる役員の選挙制と報告義務と定期的更迭の承認については意見が一致した」と述べ、これらの原則の誠意ある一貫した実行こそ党の「分裂を防ぐ保障」となることを力説した。

 レーニンはさらに少数意見保持の権利について、「多数者が完全に自己の立場を決した場合には少数者は批判する権利と次の大会で問題を解決するために煽動する権利とを留保したうえで、自己の政治的行動においては多数者に従う」と述べている。

 いいかえれば多数決による決定後においても少数意見を保持し次の機会におけるその貫徹のために努力することは、行動における服従がある限り党への忠誠とは何ら矛盾するものではないとみなされた。ここには、少数者が自説の撤回によってはじめて組織への忠誠を証明できるという「自己批判」の論理、-枚岩の論理はない。(渓内謙著「言ぢ社会主義の省察」岩波書店14-5頁)

 感想・本書はソ連の社会主義の研究として最高のものだと思います。

 共産党の運動を考える際には、まず綱領を問題にするのではなく、その前に規約を問題にするべきです。組織原則に組織の本当の性格が現れるからです。しかるに、共産党の組織原則の事実上の核心は「理論と実践の統一」と「民主集中制」と「批判と自己批判」の3つです。

 民主集中制を考えるためには、民主主義及び全体主義との異同を考える必要があると思います。

     関連項目

民主主義概論

民主主義と民主集中制と全体主義
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