まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

あんたってさぁ、ほんとヤな女よねぇ

2012-12-02 | 日本映画
 早いもので、もう師走!
 何かほんと、光陰矢のごとしですね。去年の今頃のことなんて、ついこないだのように思えて当惑。仕事中の一時間はなかなか過ぎないのに、一週間一か月一年は、気付けばもう…
 着てはもらえぬセーターを編んでしまいそうになるほど、日ごと寒さが募りますが、皆様はいかがお過ごしですか?
 わしは、身体的にも精神的にももう若い子と遊ぶのは限界に達し、今はひっそり静かに平穏な孤独をエンジョイしてます。寒いしメンドいし、仕事以外はすっかり引きこもり状態です。ますます独り上手になっていく私♪
 最近、いい年こいて漫画にハマってます無聊を慰めるには、ほんと最適な方法です。今は東村アキコの「海月姫」にズッパマリ。
 
 岡田あーみんを彷彿とさせる笑いがツボです。絵も可愛いし。職場の後輩オススメの「ハツカレ」も、キュンキュン系でハマってます。あと、韓流ファン心をナニゲにくすぐる「女帝 由奈」も、続きが気になって生活に支障が。
 どうせ今年のクリスマスも正月も独りぼっち♪皆さま、孤独を紛らわすための面白い漫画とかあれば、ぜひオススメください
 あ、でも、映画も観に行きたいです。007だけは、何とか年内に…


 「疑惑」
 こないだのスペシャルドラマが消化不良気味だったので、映画版を再観しました♪
 子どもの頃、TVで初めて観て、かなりトラウマになった映画です。
 まず、夜の海にいきなり車が死のダイブ、というショッキングなオープニングが第一のトラウマ。今でも夜の海沿いを走ると、運転手のことが怖くなって助手席で落ち着きを失ってしまいます。
 トラウマその二は、毒々しい二人の女。ヒロインと呼ぶにはあまりにも禍々しくて恐ろしい、被告人球磨子&弁護人佐原のキャラと見た目は、女って化け物!という真実を、汚れなき私の幼心に植えつけたのでした。
 とにかくこの映画、主演の桃井かおり&岩下志麻が強烈すぎて、お話がどうでもよくなってしまいます。二人とも、ほんと女のイヤらしさMAXで、ほとんどホラーに近いんだけど、非道すぎて返って痛快爽快でもあるんです。2大女優が、それぞれに真逆な女のイヤらしさ、怖さ、悲しさを、その強烈な個性と演技で表現し、観るものを戦慄せしめ、圧倒、そして魅了します。
 まず、球磨子役の桃井かおり。まさに、一世一代の毒婦ぶり!

 邦画史上最凶最高のズベ公演技です。人もなげな人を食ったふてぶてしさと下品さ、誰にも飼い慣らせない野良メス犬な凶暴さ奔放さは、悪女というより獣女って感じです。球磨子の、法廷の中でも外でもやりたい放題、言いたい放題、傍若無人な暴言暴挙は、ほんと憎々しく忌々しい。『あんたみたいなのをさぁ、ペン乞食っていうのよぉ』『このチンコロが!』など、球磨子語録が冴えまくってます。有害すぎる球磨子ですが、その誰にも媚びない“これがあたいの生きる道”な彼女の外道キャラは、チマチマと他人の顔色をうかがって生きてる私には、悪い意味でまばゆく憧れてしまう個性でもあります。かったる~い、シラケた喋り方や表情は、まさにTHE 桃井かおり!かおり節炸裂で、思わずマネしてしまうカッコよさです。この映画の桃井かおりの素晴らしいところは、確実に笑いを狙ってるところ。球磨子と検察側の証人とのやりとりは、この映画をミステリではなく絶妙な喜劇にしてます。証人たちのボケに、球磨子のシラけた、時に過激なツッコミが入る、みたいな。

 証言台には、山田五十鈴、三木のり平、名古屋章など、今は亡き名優たちが立ち、短い出番ながらもインパクトある存在感を残します。証人役の中で最も美味しい役だったのは、球磨子の元情夫役の鹿賀丈史。そのチープすぎるチンピラっぷりと、どこか憎めないスットボケた演技が笑いを誘います。彼と桃井かおりの法廷つかみ合いバトルは、ほんと笑えます。
 この映画が素晴らしいのは、金や愛でトチ狂う人間の愚かさや悲しさを嗤う、ブラックなユーモアが充満してるところ。どの登場人物も、ああ人間ってホントどうしようもない生き物だなあ、と自嘲をさせてくれます。
 そして、何といっても佐原役の岩下志麻。彼女も桃井かおりに負けず劣らずイヤな女を名演してます。

 冤罪かもしれない被告人を救う正義の味方、なはずなのに。あの人を完全に見下しきった態度、常に上から目線な物言い、球磨子じゃなくてもムカつきます。能面のような無表情、カエルを睨むヘビのような目つきは、冷酷で威圧感ありすぎで怖いです。球磨子や証人を冷ややかに高圧的に攻める姿には、人としての温もりや思いやりなどかけらもなく、頭が良く美しくてもこんな女にはなりたくない、と心底思わせるものがあります。生活感や庶民感など微塵もない、気圧されてしまう岩下志麻の氷の美貌とオーラは、まさにthe 女優。彼女みたいな女優は、もう絶滅しちゃってますよね。
 何もかも正反対のようで、冷酷で利己的、誰も愛さない愛せない女、というところはとても似ている球磨子と佐原、ある意味同族嫌悪、だからこそ絶対に一瞬たりとも相容れない、というところが面白い二人です。ラストのワインぶっかけ合いシーンは、邦画史上に残る名シーンです。
 
 
 
 
 

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2 コメント

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カツカレはデブやくざになっていた・・・ (フキン)
2012-12-05 08:33:40
たけ子姉ちゃ真!!久しぶりの連続レビューで嬉しいです。
私は実はこの「疑惑」ラストシーンだけ動画で見たんですよ。
でも、すごかった・・・二人とも・・・。かっちょいいんだもん(超憧憬)
30代のとき10歳くらい年上の男と付き合っていましたが私が「桃井かおりとマドンナが素敵♪」とつぶやいたら「どっちも嫌いなタイプや」と男は言いよりました・・・
瞬時に「チッさい男やな」と心の中でつぶやいたのですが本性はやっぱりチッさい男でした・・・。
岩下志麻さんは中学生か高校生のときに歯医者の本棚にあった女性セブンかなんかにタコと戯れるいやらしい写真にしばらくページをめくれなくなるくらいショックを受け「このいやらしいおばちゃん嫌い!」とか思いながら複雑な心境で天井を見上げながら歯医者さんに歯を削られたトラウマな思い出があります・・・。
そんなウブだった私も今朝は5時に目が覚めて・・・すっかりおばばになりました。
それなのに深夜アニメの[ジョジョ~」にハマリやばいっす。ディオに魅せられてしまいMな私は毎回悶えています・・・。
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小さい男が好き (松たけ子)
2012-12-05 20:35:12
フキンさん、こんばんは!
ご来訪ありがとうございます。あまりにも、誰もこない海~♪みたいなブログなので、そろそろ閉店したほうがいいのかも、なんて思ってたところだったので(汗)。
疑惑、ぜひフルで観ておくれやす~。
マドンナと桃井かおりか~。どっちかっつーたら、女受けする系?強烈すぎて男は尻ごみするでしょうし。
岩下志麻、「鬼畜」も怖かったけど、やはり何つっても鵺の鳴く夜は恐ろしい「悪霊島」!セーラー服姿や自慰行為シーンとか、思い出しただけでも…ううう、です。
ジョジョって若い男子にも人気ありますよね。ピーターも好きと言ってました。私も読んでみよっかな。ちょっと絵が怖いけど…
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