夏の終わりを感じます
私がまだ独身だった頃、実家近くのホールに、ショパンコンクールに優勝したダン・タイ・ソンを聴きに行き、衝撃を受けたことがあります。
中でもその時ショパンのノクターン3番の美しさにとても感動し、自分で弾いてみたい思いが募り、直後にこの曲に取り組んで発表の場で演奏した思い出があります。
あれから30年以上。
様々な演奏会に行きながら、ダン・タイ・ソンのことはあまり思い出すことなく、それほどマスコミにも取り上げられなかったようなのですが、
昨年のショパンコンクール優勝のブルース・リウの先生ということと、コンクール審査員のお一人としてコメントなどを述べられている番組で懐かしく思い出していました。
それから少しして、東京で来日コンサートがあることを知り、ぎりぎりでチケットを買おうと考えていたら、やはり・・という感じでしたが、コロナのために来日ができなくなり、延期となりました。
その延期されたコンサートが、この8月、9月で行われることになり、私は昨晩、紀尾井ホールで夫と二人で、聴いてきたのです。
あまりの衝撃、素晴らしい音楽に、前半聴いて、くらくらしてきてしまいました。
いろいろ書きたい気持ちがあるのですが、ものすごく長くなるので、おいおいにします。
曲目は前半が、バッハ(フェインベルク編曲)オルガンソナタBWV529よりラルゴ、モーツァルト、ピアノソナタ11番(トルコ行進曲付き)、
ベートーヴェン、ピアノソナタ30番
後半が、ショパンのポロネーズ、マズルカ、ワルツ、エコセーズ、タランテラをとりどりに。
バッハや、ベートーヴェンでは所々で、オーケストラとソリストの歌声パートの多声がそれぞれの音色で聴こえてくるようで、本当に驚きました。
音色‥と一言で言い表せないくらいで、ピアノが、あれほど素晴らしい楽器だということを今までよりはるかに感じました。
モーツァルト、ベートーヴェンが、神棚にお供えするような音楽ではなく、まさに生きている、彼の中から新しく湧き出る音楽でした。
ですから何度も聴いている曲が、本当に新しく聞こえ、まして、たまたま今さらっている30番ソナタ・・・今までの私の演奏はなかったことにしようと思いました。
素晴らしすぎて自分がピアノをやるほどでもない…と感動とはまた別に思うのではありますが、それでもまたピアノに向かいたいという気持ちがわいてくるのです。
後半のショパンは、あまりコンサートで演奏されない曲もありながら、私はそれまで知っていたよりはるかにその曲の魅力を堪能し、昨年見ショパンコンクールの予選からの音源に感服しましたが、彼らもここまで来るには相当の道のりだと思うのでした。
ようするに、ダン・タイ・ソンは王者でした。
ダイナミズムがまた宇宙的ともいえるくらいで、会場が興奮のるつぼと化し、アンコールがなんとドビュッシーで、コケティシュな2曲(前奏曲1巻より)に、まだまだ聴きたいと、拍手が鳴りやみませんでした。
ここまで書いても私がいかに興奮しているかお分かりだと思いますが、今まで聴いたコンサートで最も衝撃と感動を受けました。
夫もそうでした。
ベトナム戦争中に、防空壕の中、紙鍵盤を使って練習を続けたというダン・タイ・ソンは、暗さや影を感じない明るさをたたえている方で、
なんだか演奏そのものが、彼の人生を反映しているのだろうかと思いました。
しばらく、この方を追いかけると思います。そして30年以上前に感動を与えてくれた方が、それ以上の感動で私を包んでくださったことを、本当にありがたく思います。
本日の音楽・・・・・・・Beethoven ピアノソナタ第30番 ダン・タイ・ソン(Pf)
私がまだ独身だった頃、実家近くのホールに、ショパンコンクールに優勝したダン・タイ・ソンを聴きに行き、衝撃を受けたことがあります。
中でもその時ショパンのノクターン3番の美しさにとても感動し、自分で弾いてみたい思いが募り、直後にこの曲に取り組んで発表の場で演奏した思い出があります。
あれから30年以上。
様々な演奏会に行きながら、ダン・タイ・ソンのことはあまり思い出すことなく、それほどマスコミにも取り上げられなかったようなのですが、
昨年のショパンコンクール優勝のブルース・リウの先生ということと、コンクール審査員のお一人としてコメントなどを述べられている番組で懐かしく思い出していました。
それから少しして、東京で来日コンサートがあることを知り、ぎりぎりでチケットを買おうと考えていたら、やはり・・という感じでしたが、コロナのために来日ができなくなり、延期となりました。
その延期されたコンサートが、この8月、9月で行われることになり、私は昨晩、紀尾井ホールで夫と二人で、聴いてきたのです。
あまりの衝撃、素晴らしい音楽に、前半聴いて、くらくらしてきてしまいました。
いろいろ書きたい気持ちがあるのですが、ものすごく長くなるので、おいおいにします。
曲目は前半が、バッハ(フェインベルク編曲)オルガンソナタBWV529よりラルゴ、モーツァルト、ピアノソナタ11番(トルコ行進曲付き)、
ベートーヴェン、ピアノソナタ30番
後半が、ショパンのポロネーズ、マズルカ、ワルツ、エコセーズ、タランテラをとりどりに。
バッハや、ベートーヴェンでは所々で、オーケストラとソリストの歌声パートの多声がそれぞれの音色で聴こえてくるようで、本当に驚きました。
音色‥と一言で言い表せないくらいで、ピアノが、あれほど素晴らしい楽器だということを今までよりはるかに感じました。
モーツァルト、ベートーヴェンが、神棚にお供えするような音楽ではなく、まさに生きている、彼の中から新しく湧き出る音楽でした。
ですから何度も聴いている曲が、本当に新しく聞こえ、まして、たまたま今さらっている30番ソナタ・・・今までの私の演奏はなかったことにしようと思いました。
素晴らしすぎて自分がピアノをやるほどでもない…と感動とはまた別に思うのではありますが、それでもまたピアノに向かいたいという気持ちがわいてくるのです。
後半のショパンは、あまりコンサートで演奏されない曲もありながら、私はそれまで知っていたよりはるかにその曲の魅力を堪能し、昨年見ショパンコンクールの予選からの音源に感服しましたが、彼らもここまで来るには相当の道のりだと思うのでした。
ようするに、ダン・タイ・ソンは王者でした。
ダイナミズムがまた宇宙的ともいえるくらいで、会場が興奮のるつぼと化し、アンコールがなんとドビュッシーで、コケティシュな2曲(前奏曲1巻より)に、まだまだ聴きたいと、拍手が鳴りやみませんでした。
ここまで書いても私がいかに興奮しているかお分かりだと思いますが、今まで聴いたコンサートで最も衝撃と感動を受けました。
夫もそうでした。
ベトナム戦争中に、防空壕の中、紙鍵盤を使って練習を続けたというダン・タイ・ソンは、暗さや影を感じない明るさをたたえている方で、
なんだか演奏そのものが、彼の人生を反映しているのだろうかと思いました。
しばらく、この方を追いかけると思います。そして30年以上前に感動を与えてくれた方が、それ以上の感動で私を包んでくださったことを、本当にありがたく思います。
本日の音楽・・・・・・・Beethoven ピアノソナタ第30番 ダン・タイ・ソン(Pf)