尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

原くくる『六本木少女地獄』、出版

2011年09月01日 01時15分47秒 | アート
 原くくる著『六本木少女地獄(星海社、本体1400円)が刊行されました。

 作者は現役女子高生で、「高校生劇作家誕生」というニュースです。

 表題作は昨年の東京都の高校演劇界で話題になった「衝撃の問題作」です。第64回中央発表会(要するに、都大会)で、審査員特別賞東京都教育委員会賞を受賞。(事実上の最高賞)。作者の「原くくる」(ペンネーム)は、創作戯曲賞を受賞したというものです。(また表題作以外に4作品を収録。)

 たまたま新宿へ行った時に見たんだけど、新劇のメッカ紀伊国屋ホールのある紀伊国屋本店では、野田秀樹に並べて売ってました。(8.24)ところが8.30にはないから、売れちゃったかな。一方、紀伊国屋サザンシアターのある紀伊国屋新宿南口店にも行ってみたら、POP広告付きで平積みされてました。(8.30)でも、演劇コーナーなので探さないと見つかりません。(大型書店では、大きく「芸術」の中に「映画・演劇」とかの本を置くコーナーがあったりします。)もう少し、「話題の新刊コーナー」なんかに進出できるといいなという意味での紹介でもあります。ちなみに、紹介した「困ってる人」はいっぱい詰まれてます。
 

 出版社のサイトに、本人の長いインタビューがあります。これを読むと、かなり事情が分かると思います。

 この本は結構読者を選ぶかもしれません。
 戯曲(ぎきょく=演劇の台本形式で書かれた文学作品のこと)なんて、ほとんど読んだことないよ、という人も多いと思います。(是非チェーホフとブレヒトと井上ひさしを読んでみてね。)小説と違い、あるいは生の舞台、または映像表現を見る体験とも違い、本来は舞台で演じられるための台本を読み物として体験するというのは、つまり「脳内演劇」という感じで、面白いです。(僕は昔から戯曲を読むのが結構好きで、それは「真田風雲録」という作品を読んだからなんですが、この話はまたいつか是非。)

「六本木の夜。
 想像妊娠する引きこもりの少女。
 彼女の‘子どもたち’の父親はー誰?
 信仰、怒り、そして「許し」。
 女性が女性であることの原罪・・・・・
 この世のあらゆる‘地獄’を詰め切って
 演劇シーンの未来をノックする若き才能」

 このような、作家性全開の作品。ということで、問題は「作家性」の理解が必要になります。(ちなみに上記の文章は本の裏にありますが、「許し」は「赦し」の方がいいでしょう。)この作品集について、もう少し書いてみたいと思っています。

 この「六本木少女地獄」に関しては、次のように記事が続いています。
若狭明美『六本木少女地獄』をめぐって①」(9.1)
六本木少女地獄について私が知っている二、三の事柄」(9.3)
若狭明美、『六本木少女地獄』が新聞で紹介」(9.20)
若狭明美『六本木少女地獄』をめぐって②」(9.28)
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