尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

「Go To」と「コロナ対策」ー真に必要な人への対策を

2020年11月27日 22時33分35秒 |  〃 (新型コロナウイルス問題)
 新型コロナウイルス問題をしばらく書いてなかった。この間に夏に「第二波」がやってきたとされ、その後もダラダラと感染者が報じられた。そして11月に入って「第三波」と呼ばれるほどの大々的な感染者が報告されている。日本だけでなく、欧米はじめ各国でも似たようなケースが多い。欧米では再びロックダウンを迫られた国も多い。
(感染者数の推移)
 自分のブログを調べてみると、7月30日以来、この問題は書いてなかった。その間旅行や外食などはしてないものの、映画を見にはよく行ってる。心配を感じてないのは、僕が見てるのはあまりヒットしてない映画だからだ。マスクをして会話もないし、セキしている人も誰もいないのだから、心配するほどでもないと思っている。(「鬼滅の刃」を見てないのは人が多すぎて怖いからで、アニメは絶対に見ないなどと思ってるわけではない。)

 この間、主に東京都のコロナ情報サイトは毎日チェックしていて、重症者、死者がそれほど増えていなかった。そのため「経済を止めてはならない」と思って、「Go To」キャンペーンなども批判しなかった。僕は「トラベル」はそれほど危険性はないと思っている。しかし、「イート」はそのやり方もおかしい気がするが、どうも危険性を否定できないのではないか。少なくとも「イート」より先に「Go To イベント」を実施するべきだったと思う。
(コロナ死者数の推移、夏までのもの)
 そして、最近になって「重症者」が増え、医療現場のひっ迫が報道されている。死者も増えて、日本でも2千名を超えている。(11月26日現在、2064名)前日比で29人も増えていて、確かに危機感を持たざるを得ない数字だ。ただ、それだけを見ると大きな数字に思うが、実はもっと心配なデータは「自殺者数の増加」である。速報値で、10月だけで2153人の自殺者があり、前年10月より4割増だった。今年前半は自殺者数が前年より少なかったが、7月から増えているという。
(自殺者数の推移)
 驚くべきことに、新型コロナウイルスによる今までの全死者数を超える人々が、10月ひと月だけで自殺しているのである。もちろんそれぞれの理由は様々だろうし、有名人の自殺が報じられると増えることも事実だ。そこでマスコミも大きく報道しなくなってしまいがちだが、実はいま「最大の問題」とも言えるのは「自殺者数の激増」なのだ。それを考えると、再び緊急事態宣言を出すべきだと主張する人もいるが、僕はとても賛同できない。
(自殺者と失業率の推移)
 ここでまた「巣ごもり」することは、多くの飲食店やライブハウス、劇場、旅館などを完全につぶしてしまいかねない。もうすでに今年の倒産件数が増え続けている。上記画像にあるように、「自殺者」と「失業率」には明らかに関連性がある。失業したら自殺するという簡単なものではないけれど、自らの未来が奪われたと思った人は、ウツ状態になりやすいだろう。コロナ禍を超える自殺者をどう防ぐか、皆が本当に真剣に考えないといけない。
(倒産・休廃業の推移)
 だから「経済は止めるべきではない」と基本的には僕もそう思っている。だけど、今の「Go To」キャンペーンは本当に困っている人に役立つものになっているのかシングルマザー(父親や祖父母も含めて)、障害者高齢者非正規労働者ヤング・ケアラー外国人労働者一人暮らしの大学生などなどに対して。そもそも菅内閣の目玉政策が「デジタル化」なんだから、本当に窮迫していてパソコンもスマホも持ってない人は頭の中にないんだろうと思う。(パソコンもスマホも持ってない人がたくさんいることを知っているか?)

 「Go To」キャンペーンは年末に向けて、一端休止してはどうか。そして、もっと皆が使いやすい、大手企業ばかりが潤うような仕組みを変えた方がいい。全国民に10万円支給したのだから、旅行したい人は多いだろう。でも大規模旅館の高いプランほど多くの補助があるという仕組みはおかしくないか。飲食チェーンに予約して、ポイントでまた行って、何度も行けるというのはおかしいだろう。「利用しなければ損」と言ってる人がいたが、税金で行う事業なんだからそんな発想はおかしい。「民度が高い」と副総理は言うけれど、実際の民度はそんなものなのだ。

 「Go To」とは違うけれど、全国民に恩恵があることと言えば「消費税の軽減税率を引き下げる」ということを真剣に考えるべきだと思う。僕は消費税そのものは据え置きでいいと思う。お金持ちは負担するべきだし、そうじゃなくても臨時給付金があったんだから、国民一般もある程度負担すべきだ。食品の税率を下げれば、飲食店も助かる。低所得者ほど助かる。「マスク」など、現在の状況から「生活必需品」になったものも軽減税率の対象にするべきだ。臨時措置でいいから、検討するべきだ。(しばらくしてから、コロナ問題をまた書きたいと思っている。)
コメント
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