http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=173211より転載
米兵の性犯罪、赤ちゃんも被害 「暴力の歴史」続く沖縄
- 女性団体が戦後の米兵による性犯罪を掘り起こし年表にしている
- 生後9カ月の乳児が襲われるなど、目を背けたくなる事件が続く
- 捜査が行われたかどうか、処罰されたかどうか、不明な事件も多い
1995年の米兵暴行事件をきっかけに発足した「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(高里鈴代、糸数慶子共同代表)が20年間、続けていることがある。沖縄で起きた米兵による女性への性犯罪を掘り起こし、年表にまとめる作業だ。年表には、畑や自宅など生活の場から拉致され、暴行され、殺害されるなど、沖縄の女性が受けた暴力の歴史が連綿と記録されている。暴行被害者の最年少は生後9カ月の女児だ。ウオーキング中の女性(20)が被害者となった元米兵暴行殺害事件が新たに加わった12版がこのほど発行された。(学芸部・高崎園子)
年表は「沖縄・米兵による女性への性犯罪」と題し、新聞や書籍、琉球政府や市町村史などの文書資料のほか、証言をもとに戦中から現在まで、沖縄で起きた性犯罪の概要やその後の処罰をまとめている。
長い間、口を閉ざしてきた本人や家族が、数十年後に重い口を開き明らかになった事件などが、版を重ねるごとに加わって件数が増え、第1版(96年2月発行)の7ページから、12版は27ページに増えた。
終戦後は、農作業中やその帰路に米兵に襲われ、暴行される事件が頻発。50年代にかけては、住居侵入による事件が増える。ベトナム戦争時の60~70年代には、飲食店で働く女性が絞め殺されたり、ナイフでめった刺しにされるなど、猟奇的な事件が数多く起きている。
集団暴行事件も多く、事件の件数より、加害者の数が圧倒的に多い。48年9月には、20歳の女性が20人以上の米兵に暴行される事件が起きている。
捜査が行われたかどうか、また、容疑者が特定された場合でも処罰されたかどうか「不明」な事件が大多数を占める。成人女性だけでなく、乳幼児から学生まで、子どもの被害者も多い。