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全身のガンを早い段階で発見できる「PET検査」

2024-03-22 10:36:37 | 健康・医療
ガンの発見に有効とされる「PET検査」ですが、それほど広まっているという感じはしていません。

以前友人がこの検査を受け、その画像を見たことがありますが、ガンと思われる部位が明るく光っており、納得できるような気がしていました。PET検査は、全身の脂肪の代謝を画像化する検査です。

ガン細胞は正常な細胞の何倍もの多くのブドウ糖を消費します。この性質を利用して、ブドウ糖に似た構造の検査薬(FDG)を体内に注射し、このクスリが多く集まる場所を突き止めて、体内に潜むガンを見つけ出します。

目安としてガン細胞が1センチ程度の塊になれば発見できます。ガンの種類によっては、ブドウ糖が強く集まるタイプと、薄く集まるタイプなどさまざまなレベルがあるため、内容を見極めるには経験が必要です。

レントゲンやCT画像は、「形の変化」で良性か悪性かを診ますが、PET検査は形ではなくてブドウ糖の代謝で良性か悪性かを見極めます。通常はそれぞれの臓器を別々に検査しますが、PETでは1回の検査で、上顎部から骨盤にかけて、身体全体を調べることができます。

PET検査が得意とするガンは、肺ガン、甲状腺ガン、骨髄腫など多数あり、ガンの転移・再発の発見も得意としているようです。一方不得意とするガンは、脳腫瘍、膀胱ガンなど尿路系の腫瘍、食道・胃ガンの早期発見です。

PET検査のメリットは、痛みがないので苦痛にならず、検査前に注射したらその後は寝ているだけです。2つ目は1回の検査で身体の広範囲を調べることができ、多数の臓器を同時に検査できるため身体的な負担が少ないことが特徴です。

3つ目は、ガンだけでなく他の病気も見つかる点です。腎臓結石や甲状腺の橋本病、蓄膿症などの病気を見つけることができます。現在日本でPET検査を受けられる施設は200〜300ほどあります。

この検査で大事なのは、画像をどう評価するかです。医療技術は長年培ってきた物の蓄積なので、同じ画像を見ても価値ある情報を引き出せるかどうかは医師の経験で違ってきます。PET検査の欠点はコストが高いことで、これを公費で賄うのは難しいようです。

50歳を目安に一度PET検査を受けてみるのも良いのですが、検査費用は約13万円になり自分で負担する必要があります。

この辺りがPET検査が広まらない原因のようですが、前述のように多くのメリットがある検査ですので、何らかの形で保険適用になることを希望しています。

ただし厳密に意味での科学的有効性はまだ検証されていないと言えそうです。


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