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「香害」は神経障害による症状か

2024-05-13 10:39:40 | 健康・医療
先日と言ってもかなり前ですが、電車で座っていると隣に若い女性が座りました。この女性の香水の香りがかなり強いのです。私は化学物質過敏症ではありませんが、あまりにも強く頭が痛くなりそうな感じでした。

夕方から夜にかけての時間帯でしたが、この女性は1日中この香りをまとっているとすると、職場の人に同情したくなりました。幸いすぐに降りて行ったので、これといった症状は出ませんでしたが、最近は香り付きの洗剤なども多いようです。

家ではかみさんが香り付きを嫌っていますので、香りに対する耐性もないのかもしれません。柔軟剤や制汗剤の香りが原因で頭痛や吐き気を生じる「香害」の患者に神経疼痛の治療薬を処方したところ、約3分の2に症状の改善が見られたと発表しました。

発症の原因が明らかになっていませんでしたが、神経障害などの原因疾患で引き起こされる症状の一つとみられます。専門医は治療法がないとされてきたが、原因疾患に対処することで症状を改善できるとしています。

香害は化学物質過敏症の一種で、ある日を境に柔軟剤などの匂いで頭痛などの症状が出るようになります。これまで匂いを避けて生活する以外に有効な治療法がないとされ、患者の社会生活に大きな影を落としてきました。

発症のメカニズムは明らかになっておらず、東京女子医大などの医師らが症例を研究しました。平成28年以降に香害を訴えた患者111人の経過を調べたところ、神経疼痛の治療薬を投与した患者の約3分の2に症状の改善がみられたことが分かりました。

医師によると香害患者の約8割にビタミンDや亜鉛の欠乏が見られ、神経疼痛の他栄養欠乏や慢性上咽頭炎、統合失調症などと併発する例があるようです。

また香害はそれ自体が病気というより、他の病気によってもたらされる症状のひとつと捉えるべきとしており、症例研究を続けて治療法の確立につなげたいとしています。

医療機関に勤める40代の女性は、平成29年初めて香害の症状を自覚しました。それ以降外出にマスクが欠かせなくなりました。食事療法やサプリメントなどを試しましたが効果がなく、専門医に治すことはできないと言われ絶望したそうです。

この女性は過去に交通事故を経験し、神経を損傷していました。そこで神経疼痛を和らげる治療薬を処方したところ、数週間で症状が緩和しました。

この例のように神経疼痛から香害の症状が出るというのはやや不思議な気がしますが、香りも一種の神経刺激物質と言えるのかもしれません。


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