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地球上で生命ができる確率は限りなくゼロに近い

2024-05-07 10:31:31 | 自然
生命誕生の謎は、私が大きな興味をもって調べており、このブログでも時々紹介しています。

しかしあくまでも仮説が出ているにすぎず、私が生きているうちにこの問題は解決しそうにありません。ここでは宇宙論に関連した生命誕生の謎についての仮説を紹介します。

一般に天文学者や物理学者の多くは、宇宙の広大さや地球がありふれた惑星であることから生命を宿す星は宇宙にいくらでもある、つまり生命の誕生は宇宙での必然だと考えてきました。

一方多くの生物学者は地球には多種多様な生物が存在しており、それぞれの生物が複雑な高分子有機物を多数使いこなして生命活動を維持しているのを見て、そう簡単にできるはずがないと考えてきました。

ある天文学者が研究対象を「宇宙の生命」にまで拡張しました。地球のような限られた時間と空間の中では、生命は誕生しえないと主張しました。生命を維持するのに欠かせないタンパク質は、20種類のアミノ酸が多数結合したものです。

どんなに単純な微生物でも2000種ぐらいのタンパク質が必要で、それぞれのアミノ酸の配列には並び方を変更できない箇所もあります。生命が必要なタンパク質が偶然にできる確率は、10の4万乗分の1になると試算しました。これはほとんどゼロに近い値です。

そこで微生物は宇宙を旅していて、地球をはじめ多くの惑星にたどり着いて、その星の生命のもとになっているという説を主張しました。これが「パンスペルミア説」と呼ばれています。近年東京大学の研究者が、この説の21世紀版を発表しました。

生命の主人公はタンパク質から核酸に移り、宇宙論はビッグバンをさらに進めた「インフレーション宇宙論」に進化しました。今では生命が誕生するにはリボ核酸、いわゆるRNAが必要と考えられています。

そこから生命がRNAから始まったとする「RNAワールド仮説」が唱えられているわけですが、条件を満たすRNAを作るにはヌクレオチドを少なくとも40個正しい順番でつなぐ必要があります。

それが自然にできる確率を計算すると、地球だけでは到底無理で地球で生命が発生したのは奇跡というしかないようです。天文学者が唱えた説の共通点は、惑星上で生命が誕生するのは極めて難しいという事です。

タンパク質や核酸がその構成分子を正しくつながなくては生命にならないという呪縛は、簡単に解けそうにもありません。ここでは宇宙論に基づくいわば確率論で生命誕生に触れているだけですので、私が知りたいどういう状況が生命誕生になるのかは結局謎のままのような気がします。

どこかの科学者が有機物集合体から生命ができたという実験に成功するまで、生命誕生の謎は続くのでしょう。