大谷ハラスメント

　テレビがあまりにも大谷の話題ばかりを取り上げるので「大谷ハラスメント」だという声があるそうです。確かに僕も見ていて同感です。特にこの韓国でのパドレスとの開幕戦を放送したテレビ朝日とＮＨＫはずっと大谷一色でした。ワイドショーはまだしも、さすがにニュース枠での「大谷尽くし」は野球ファンであっても食傷気味でしたから、野球に興味がない人がハラスメントだと感じても仕方ありません。つくづくテレビの質が落ちたなと感じさせられます。

　しかも今年の大谷はネタが尽きません。ドジャースに移籍しただけでも十分に話題になっているのに、結婚報道があり、さらに今回の水原一平通訳の解雇です。これだけ良いニュースも悪いニュースも取り揃えてしまっては、マスコミが飛びつくのも当然と言えば当然。特に水原の７億近いギャンブル損失の穴埋め金「窃盗」事件は、まだ真相がよくわらかない部分が多いので、当分報道が続くことでしょう。

　そもそも水原自身が近年では単独で知名度が上がって有名人になってきていました。通訳がここまで有名になったのはトルシエ監督の通訳だったフローラン・ダバディ以来でしょう。今回も水原夫妻が大谷夫妻と一緒に韓国入りして写真が公表されていたりしていて、通訳なのにかなり目立っていましたし、好感度も高かったですから、余計に事件は衝撃的でした。

　大谷の口座から約６億８千万円もの大金が水原のギャンブルの損失補填に使われていたのは事実のようですが、それが大谷が承知して肩代わりしたのか、それとも大谷が知らないところで水原が大谷の口座から盗んだのかが、水原の証言が撤回されたことでよくわからなくなっています。大谷と水原のこれまでの親密さから考えれば、大谷が水原の借金を肩代わりして払っていても何ら不思議はありません。ただそうだとした場合、大谷にも累が及ぶ可能性があるらしく、だから水原は大谷を庇うために自分が盗んだことにしたということも考えられます。そのあたりは今後徐々に真相が明らかにされていくのでしょう。

　韓国での開幕戦が終われば「大谷ハラスメント」も沈静化すると当初は思っていたのですが、水原問題でまだまだ大谷によるテレビジャックは続きそうです。野球の活躍で取り上げ続けられるのなら良いのですが、こういう野球に関係ないスキャンダル報道が続くとなると、野球ファンでもますますハラスメントに感じます。