時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇 15

2011-05-26 | 映画
大木信義と咲は
長い同棲生活の末
なし崩し的に結婚してしまった新婚カップル
新居に引っ越してみたものの
気分は一向に盛り上がらず
見当たらない炊飯ジャーを巡って
いつものように痴話喧嘩を始める
新婚にして
完全に倦怠期…

痴話喧嘩の後
地元五反田のスーパーに
買い物に出かけた咲は
魚売り場で
‘ジゴク産’と表示されている
白身の魚らしい切り身を購入



味はないけど
軟らかいと言う切り身を買って
家路へと向かおうと
スーパーの
下りエスカレーターに…
すると
何やら不気味なコート姿の‘濡れた男’とすれ違う
男がコート内に隠し持っていた
白い物体が視野にはいった!

あれ?
家の炊飯ジャーじゃない!?


慌てて
上りのエスカレーターに乗り換え
男の後を追いかける咲

しかし
屋上に出たところで姿を見失ってしまう
そこには
点々と続く水たまりと
その先に黒く澱んだ水を湛える
小さなバスタブがあるばかりだった



屋上から階段を下りて
怪しげな占いコーナーの前を通りかかると
咲は
占い師の女から
「探し物?」と声をかけられる

「探し物なら地獄にあるわよ」
と渡されたのは
何と地獄ツアーのチラシ

翌日
興味に駆られた信義と咲は
再び占いコーナーを訪れる

胡散臭げではあったが
炊飯ジャーの行方を知っているらしい
占い師に誘われるまま
地獄ツアーに申し込む羽目に
1泊2日の旅支度を整え
集合場所の屋上にやってくると
ガイドの但馬が
例のバスタブが地獄の入口だと指し示す



頭から入って下さい
でないと
足から入ると
頭から落下しますから!



冗談半分で
汚れた水に手を入れた信義は
あれよあれよという間に
バスタブに吸い込まれてしまった

天使が来たら気をつけてください
雪が降りますから
分かると思います


浮き上がってきた信義の
片方のスニーカーを手にした咲は
恐る恐るバスタブに腕を突っ込み
その後を追うのだった



地獄にやってきた2人は
絶対に振り返ってはいけないという
一本道でしっかり振り返り
その結果
地獄をさまよい歩くことになってしまう
得体の知れない
赤い顔をした集団に追いかけられるも
青い肌の少女・ヨシコに助けられ
無事
宿泊先のホテル‘いいじま屋’にたどり着いた



いいじま屋では
日本人担当だと言ういいじまから
訳の分からない案内を受けたり
奇妙キテレツなことばかり

部屋には
コスプレ好きにはたまらない
あらゆる衣装が用意され

冷蔵庫には
つまみの‘輪ゴム’

42階にあると言う
人気の温泉に行ってみれば
なんと
シチュー風呂
(ビーフシチュー見ないな色をいています)
ジャガイモや人参も
しっかり煮込まれていた



夕食は
‘地獄の甘エビ’食べ放題

何故か
ゴーグルなしでは食せない!
ゴム管におびき寄せ
吸い込んで食べると言う
摩訶不思議なディナー…

そして夜の10時

お城で夜な夜な開かれているという
露天に案内してくれると言うヨシコと
彼女の弟2人
揃って夜の買い物ツアーに出発した

信義や咲と
すっかり打ち解けた
長男・次男
ヨシコを含め
その姿はまるで家族そのもの



楽しい時間は
あっという間に過ぎていく

ホテルに向かう車中では
誰もが別れを惜しみ
声を押し殺し涙を流していた

別れ際
咲に抱きしめられたヨシコがささやく

きっといつか
私たちを産んでね


ヨシコの言葉が気になり
寝付けない咲

眠れないのか?

一度寝たら
何が起ころうとも目覚めることのない
信義が声をかける

起きたんだ
何か目が覚めた
良かった 淋しかったから…




翌朝
時間があるからと
いいじまが
ホテル周辺を案内してくれることに…
そこて語られるいいじまの過去

男雛・女雛のごとく
寄り添うに並んでいる
信義所有の炊飯ジャーと
捨てたハズの咲所有の炊飯ジャー

蓋を開けると
ふっくら出来たての白いご飯…

美味しい

彼らの前に現れた
‘濡れた男’の予言に満ちた
メッセージ

2人は
無事地獄(新婚)旅行を終える事が出来るのか?
そもそも
‘地獄’とは一体何なのか
倦怠期の新婚夫婦は
再び
失いかけた情熱と
笑顔を取り戻すことができるのか!



ナンセンスなコメディー映画で
ホロリとさせられるとは
思いもよらなんだ…

登場人物が
これまた個性的!
樹木希林&片桐はいりの
即興とも思えるやり取りが絶妙

竹野内豊がCGを使ったのかって~くらい
顔つきが冒頭と終わりで違う!
優柔不断で軟弱な駄目顔だったハズなのに
後半
顔つきが大人と言うか
しっかりした顔つきになってる!

地獄から
五反田のスーパーに戻って来た2人

これ良くない?
どれでもい~よぉ~のぶ君が買うんだから!
大きいのが良いね みんなで食べれる


信義と咲が見せたてくれた
ラストの笑顔
優しい表情が素敵でした

荒川良々演じる‘いいじま’
柄本明演じる‘濡れた男’
いい味醸し出してました

単に笑いを誘うだけではないのです
‘生’‘死’‘魂’‘絆’‘愛’‘幸’‘優’‘輪廻’
結構
キチンと描かれております
なかなか欲張りな映画でした

‘新婚地獄篇’ とあるからには
原作には
他のシリーズあるのかな?






        

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2 コメント

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この映画は・・・ (sまま)
2011-05-26 08:09:50
監督さんのこだわりで、極力CGとやらを使わずに撮影したそうです。樹海で撮影したりどつかの採石所で撮ったりしたそうです。

竹野内さんは、おすぎさんだかピーコさんにデビュー当時だかに「売れるわよ~」みたいな事いわれたとか・・・で、原田芳雄(漢字が違うかも)さんや岸部一徳さんにもドラマで一緒になった時に褒められていましたね。
こういうコミカルな役は珍しいですがまた新たな一面でしょうか?

でも、私には、星の金貨の「たくみ先生」が原点です。もう見られないでしょうが(^^ゞ
Unknown (route道)
2011-05-26 19:14:55
sままさんへ
栃木県宇都宮市の「大谷採石跡地下空間」って映画の撮影でよく使われますよね~
因みに今回
東戸塚の駅前にある西武でも撮影が行われていたようで…
エンドロールに名称見つけて驚きました

竹野内さんは
確かに演技派と呼ぶにふさわしい役者になりましたね
「星の金貨」大沢たかおさんも良かったなぁ~

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