◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

今日の秀句/3月21日~3月31日

2024-03-21 19:14:42 | Weblog
3月31日(1句)

★今日よりは庭の桜と明け暮れを/小口泰與
庭に桜の木があると、朝夕、桜を眺めることになり、それが生活の楽しみとなる。時間により、日が過ぎるにつれ、いろんな表情を見せる桜との明け暮れは
情趣深い生活。(髙橋正子)

3月30日(1句)

★早起きは雉鳴く声に目覚めおり/多田有花
山の雉が鳴く声を聞くのは、朝早く起きているとき。夜明けも次第に早くなる春の朝の冷たいが、潤いのある春の空気の中に、雉の声に山のかげりを感じながら過ごす貴重な時間がいい。(髙橋正子)

3月29日(1句)

★ふらここを漕ぎし揺れあり二人分/弓削和人
ぶらんこを漕いだあとの揺れがまだ残っている様子。二人が漕いだのだろう、ぶらんこは二つ揺れている。漕いだのは幼い二人の子か、もっと大きい小学生か、想像して、ふらんこを漕いだ昔を思い出してみても楽しい。(髙橋正子)

3月28日(1句)

★白れんの無垢というよりうすみどり/桑本栄太郎
白れんはその純白を特徴とする花。純白は、無垢や清らかさを象徴する色だが、その「無垢」の色というより、「うすみどり」の色だと発見した。白れんは早春から咲き始めるが、春が進むと人の気持ちは「うすみどり」の色合いを感じるのかもしれない。(髙橋正子)

3月27日(1句)

★日を浴びて未だ二輪なる桜かな/廣田洋一
日を浴びた桜を目にするが、まだ二輪しか花を開いていない。咲き始めた二輪の桜への慈しみが感じらる句。(髙橋正子)

3月26日(1句)

★さらさらと流れる川や花を待つ/廣田洋一
桜が咲きそうで、開花宣言がされないこの頃。降り続く雨のせいではなく、積算温度で開花が始まるそうだ。川の水が柔らかく、さらさらと流れるのを見れば、桜の開花も近いと思う。花を待つ心がきれいだ。(髙橋正子)

3月25日(1句)

★降りつつも天の明るき木の芽時/桑本栄太郎
木の芽が立つ頃の天気は、雨が降りながらも、どんよりと暗いのでなく、ほのかに明るい。これこそ、木の芽が芽吹くころの天気。(髙橋正子)

3月24日(2句)

★桜色の傘をさせる子花の雨/多田有花
桜の季節。女の子が桜色の傘をさし花の雨を受けている。それだけで、日本の女の子らしいかわいらしさがある。(髙橋正子)

★囀りや右かと思へば左にも/廣田洋一
鳥の鳴声は四季を通して聞くことができるが、季語としての「囀り」は春の求愛の鳴声のこと。 囀りが聞こえるほうに顔を向けると、そちらだけでなく、反対側からも囀りが聞こえる。右に左に聞こえる囀りに、たのしい、いい季節を実感する(髙橋正子)

3月23日(1句)

★ゆで卵きれいにむけて春の朝/多田有花
春の卵と言えば、「よみがえる」、「生まれる」印象がある。春の朝、ゆで卵がつるんときれいに剥けて光っている。小さな希望のように思える幸せ感がいい。(髙橋正子)

3月22日(1句)

★自転車の光に向ひ漕げば春/小口泰與
自転車を光の方へどんどん漕いでゆくと、春を実感することになった。春を光で感じ取った句に、人の力で動く自転車が大きい働きをしている。(髙橋正子)

3月21日(1句)

★燦々と陽射しながらも春の雪/桑本栄太郎
春の雪は、燦々と陽が射しながら、降ってくる。この明るさが春の雪なのだ。(髙橋正子)
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (小口泰與)
2024-03-23 13:53:00
御礼
高橋正子先生
「漕げば春」の句を3月22日の秀句さんお取り上げ頂き、正子先生には嬉しい句評を頂き大変嬉しく感謝申し上げます。今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
御礼 (桑本栄太郎)
2024-03-23 18:05:09
高橋正子先生
3月21日の今日の秀句に「燦々と陽射しながらも春の雪」の句を
添削の上お選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う
ございます!!。
一昨日木曜日は朝より明るい陽射しながら、春の雪が降ったり
止んだりの一日でした。ばたばたと驚くほど降っても、陽射しが
明るくとても風情を感ずる光景でありました。
お礼 (多田有花)
2024-03-24 13:12:26
正子先生
「ゆで卵きれいにむけて春の朝」を
3月23日の秀句にお選びいただきありがとうございました。

ゆで卵をうまく剥くのはなかなか難しいことがあります。
ちょっとおかしくなって殻に身がついてぼこぼこになってしまうことも。
順調につるんと剥けるとラッキーな気分でうれしくなります。
お礼 (多田有花)
2024-03-25 10:48:36
正子先生
「桜色の傘をさせる子花の雨」を
3月24日の秀句にお選びいただきありがとうございます。

ヤマザクラがぽつぽつと咲き始めました。お天気はぐずつき気味です。
それでも小さな女の子が可愛らしい傘をさしているのを見ると
思わず頬がゆるみます。
御礼 (廣田洋一)
2024-03-25 17:39:44
高橋正子先生
いつも懇切にご指導いただき有難うございます。
3月24日の「囀りや右かと思へば左にも」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難う御座います。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
御礼 (桑本栄太郎)
2024-03-26 16:19:55
高橋正子先生
3月25日の今日の秀句に「降りつつも天の明るき木の芽時」の句を
補足の上お選び頂き、嬉しい過分なるご句評も頂戴しまして大変
有難う御座います!!。
当地はここ数日、雨や春のしぐれ模様が多く、時にはその上風も伴い
ます。然し、日差しが明るいのでしょうか?空は明るいのです。
御礼 (廣田洋一)
2024-03-28 07:44:22
高橋正子先生
いつも懇切にご指導いただき有難うございます。
3月26日の「さらさらと流れる川や花を待つ」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難う御座います。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
御礼 (桑本栄太郎)
2024-03-29 19:22:49
高橋正子先生
3月28日の今日の秀句に「白れんの無垢というよりうすみどり」の
句をお選び頂き、嬉しい心情の内面まで掘り下げて頂くご句評を頂き
大変有難う御座います!!。
この春は、立春以来寒暖差による寒い日も多く遅れておりました
白木蓮が、漸く開花しました。良く見れば白といっても、ほんのりと
うすくみどり掛かった白は、いかにも純真無垢な乙女を感じます。
お礼 (多田有花)
2024-03-31 14:49:33
正子先生
「早起きは雉鳴く声に目覚めおり」を
添削のうえ3月30日の秀句にお選びいただきありがとうございました。
早朝に起きるとキジが鳴く声が聞こえてきます。
運が良ければキジの姿を見ることもできます。
Unknown (小口泰與)
2024-04-01 15:30:15
御礼
高橋正子先生
3月31日の投句「桜」の句を今日の秀句にお取り上げ頂き、正子先生には嬉しい句評を頂き有難う御座います。大変嬉しいです。今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。有難う御座いました。

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