◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/3月21日~3月31日

2024-03-21 19:16:24 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
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今日の秀句/3月21日~3月31日

2024-03-21 19:14:42 | Weblog
3月31日(1句)

★今日よりは庭の桜と明け暮れを/小口泰與
庭に桜の木があると、朝夕、桜を眺めることになり、それが生活の楽しみとなる。時間により、日が過ぎるにつれ、いろんな表情を見せる桜との明け暮れは
情趣深い生活。(髙橋正子)

3月30日(1句)

★早起きは雉鳴く声に目覚めおり/多田有花
山の雉が鳴く声を聞くのは、朝早く起きているとき。夜明けも次第に早くなる春の朝の冷たいが、潤いのある春の空気の中に、雉の声に山のかげりを感じながら過ごす貴重な時間がいい。(髙橋正子)

3月29日(1句)

★ふらここを漕ぎし揺れあり二人分/弓削和人
ぶらんこを漕いだあとの揺れがまだ残っている様子。二人が漕いだのだろう、ぶらんこは二つ揺れている。漕いだのは幼い二人の子か、もっと大きい小学生か、想像して、ふらんこを漕いだ昔を思い出してみても楽しい。(髙橋正子)

3月28日(1句)

★白れんの無垢というよりうすみどり/桑本栄太郎
白れんはその純白を特徴とする花。純白は、無垢や清らかさを象徴する色だが、その「無垢」の色というより、「うすみどり」の色だと発見した。白れんは早春から咲き始めるが、春が進むと人の気持ちは「うすみどり」の色合いを感じるのかもしれない。(髙橋正子)

3月27日(1句)

★日を浴びて未だ二輪なる桜かな/廣田洋一
日を浴びた桜を目にするが、まだ二輪しか花を開いていない。咲き始めた二輪の桜への慈しみが感じらる句。(髙橋正子)

3月26日(1句)

★さらさらと流れる川や花を待つ/廣田洋一
桜が咲きそうで、開花宣言がされないこの頃。降り続く雨のせいではなく、積算温度で開花が始まるそうだ。川の水が柔らかく、さらさらと流れるのを見れば、桜の開花も近いと思う。花を待つ心がきれいだ。(髙橋正子)

3月25日(1句)

★降りつつも天の明るき木の芽時/桑本栄太郎
木の芽が立つ頃の天気は、雨が降りながらも、どんよりと暗いのでなく、ほのかに明るい。これこそ、木の芽が芽吹くころの天気。(髙橋正子)

3月24日(2句)

★桜色の傘をさせる子花の雨/多田有花
桜の季節。女の子が桜色の傘をさし花の雨を受けている。それだけで、日本の女の子らしいかわいらしさがある。(髙橋正子)

★囀りや右かと思へば左にも/廣田洋一
鳥の鳴声は四季を通して聞くことができるが、季語としての「囀り」は春の求愛の鳴声のこと。 囀りが聞こえるほうに顔を向けると、そちらだけでなく、反対側からも囀りが聞こえる。右に左に聞こえる囀りに、たのしい、いい季節を実感する(髙橋正子)

3月23日(1句)

★ゆで卵きれいにむけて春の朝/多田有花
春の卵と言えば、「よみがえる」、「生まれる」印象がある。春の朝、ゆで卵がつるんときれいに剥けて光っている。小さな希望のように思える幸せ感がいい。(髙橋正子)

3月22日(1句)

★自転車の光に向ひ漕げば春/小口泰與
自転車を光の方へどんどん漕いでゆくと、春を実感することになった。春を光で感じ取った句に、人の力で動く自転車が大きい働きをしている。(髙橋正子)

3月21日(1句)

★燦々と陽射しながらも春の雪/桑本栄太郎
春の雪は、燦々と陽が射しながら、降ってくる。この明るさが春の雪なのだ。(髙橋正子)
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3月21日~3月31日

2024-03-21 19:13:59 | Weblog
3月31日(3名)

小口泰與
餌運ぶ鳥の明け暮れ春の風★★★
今日よりは庭の桜と明け暮れを★★★★
遠峯の春あけぼのの山の色★★★

桑本栄太郎
庭梅の小花咲き初む朝かな★★★
坂に沿い疎水に沿いぬ桜咲く★★★
つり鐘の房と咲き居り土佐みづき★★★

廣田洋一
園児らの声上げ渡る春の泥★★★
庭の隅花弁拡げチューリップ★★★
水仙やムスカリの群従へり★★★

3月30日(5名)

小口泰與
沼鯉のあぎとう朝やうららなり★★★
楤の芽やあくまで白き浅間山★★★★
眼間の真白き浅間ばら赤芽★★★

弓削和人
垣の蔦空より春の土くれへ★★★
ふらここの風やふるさと同じ風★★★
パンジーの列ややくずれ幼稚園★★★

廣田洋一
土手道の明るく続き木の芽吹く★★★
公園の園児らの声木の芽晴★★★
春泥を覆ひし水の煌めける★★★

多田有花
軒先を出入り忙しつばくらめ(原句)
軒先の出入り忙しつばくらめ(正子添削)

早起きの雉鳴く声に目覚めおり(原句)
早起きは雉鳴く声に目覚めおり(正子添削)
春はあけぼの磯鵯の声盛ん★★★

桑本栄太郎
入園の幼子愚図る朝の門★★★
初蝶の風に抗い舞い行けず★★★★
下枝より咲き初む朝やさくら咲く★★★

3月29日(5名)

小口泰與
春雪に新聞かざし駐車場★★★
社を挙げて訳あり市や春の朝★★★
木蓮のほけて蒼空日の光★★★

多田有花
はくれんを咲かす家々馬車道に★★★
母乗せて見上げた尾根の山桜★★★★
忘れ物取りに戻りし日永かな★★★

廣田洋一
葉になる木の芽膨らみ緑濃し★★★
ひとつひとつ声をかけたり木の芽晴★★★
子を乗せし自転車はねる春の泥★★★

弓削和人
ムスカリの群青色につづく空★★★
ふらここを漕ぎたる跡の二人分(原句)
「跡」がはっきりするといいです。(髙橋正子)
ふらここを漕ぎし揺れあり二人分(正子添削)

ものの芽の防草の布(ふ)を破りけり★★★

桑本栄太郎
咲き分けの八重の椿や生垣に★★★
花ゑんどう支柱の丈に未だ足らず★★★★
春宵の尾灯つぎつぎ交差点★★★

3月28日(4名)

小口泰與
ばらの木を春雪ほのと覆いける★★★
庭の木の春雪かざる朝まだき(原句)
庭の木を春雪かざる朝まだき(正子添削)
立春も十日も過ぎし寒さかな★★★

多田有花
話はずむ春のケーキをいただきぬ★★★
春の日の銀の馬車道走りけり★★★
うららかや役場もキャッシュレスとなり★★★

廣田洋一
奥ゆかし少女の如く桜草★★★
庭の隅ひっそり咲きし桜草★★★
風なくもかすかに揺れて遊蝶花★★★

桑本栄太郎
木の芽吹くバス通り行く散歩かな★★★
白れんの無垢というよりうすみどり★★★★
釣り鐘の重なり咲くや土佐みづき★★★

3月27日(4名)

小口泰與
剣道の足音一閃春の雷★★★
春なれや足裏に温み伝わりし★★★
あかねさす白き浅間や初桜★★★

多田有花
春雨に濡れしホームへ電車来る★★★
花時や従姉妹同士の食事会★★★
センバツも甲子園も百年の春★★★

桑本栄太郎
山茱萸の葉の無き花や幼保園★★★
縁石を伝う仔犬や草萌える★★★
無垢と云ううすき緑の白木蓮★★★

廣田洋一
日を浴びて未だ二輪なる桜かな★★★★
花馬酔木小さく揺れる神の庭★★★
黒き蜂紅く染めたり陽光桜 ★★★

3月26日(5名)

小口泰與
あかがねの妙義の峰や春夕焼★★★
利根川に浮かぶ春月掬ひたし★★★
噴煙の朝は鳴きけり百千鳥★★★

弓削和人
妻の弾くピアノ凸音桃の花★★★
花冷えや蛇口の水滴知らず落つ★★★
囀りやあめあめ降りて雲切れ間★★★

桑本栄太郎
春雷の何処か遠くに目覚めけり★★★★
誓子忌や凪の浜辺を彷徨いぬ★★★
ぽつぽつとうすき緑の芽吹きかな★★★

廣田洋一
悲しげに鴉鳴きたり春の雨★★★
さらさらと流れる川や花を待つ★★★★
雨の朝辛夷の花の一つ散る★★★

多田有花
雨に始まる三月最終週★★★
反故紙切りメモ帳にする日永かな★★★
雨に濡れミモザの黄色鮮やかに ★★★

3月25日(4名)

小口泰與
春彼岸過ぎ来し足裏白きかな★★★
利根川と阿吽の山の白きかな★★★
あえかなるばらの赤芽や白き山★★★

弓削和人
囀やつま先地につく停留所
「つま先地につく」はどんな情景でしょうか。(髙橋正子)
永き日のピアノ敷布に積読本★★★
春分の菜園いまを立ち止まり★★★

多田有花
<患者会オンラインミーティング二句>
彼岸過Zoomに集う患者たち★★★
彼岸過あわてずあせらずあきらめず★★★
油揚げ大豆とあわせひじき煮る★★★

桑本栄太郎
降りつつも天の明るき木の芽(原句)
降りつつも天の明るき木の芽時(正子添削)

望郷の募るばかりや菜種梅雨★★★
ほんのりと蕾色づく桜の芽★★★

3月24日(4名)

小口泰與
乙女子に遠き春なり大試験★★★
上州の春をののける今朝の冷え★★★
沼の木へ春翡翠のおりおりに★★★

多田有花
降りしきる雨をぬいおり初つばめ★★★
桜色の傘をさせる子花の雨★★★★
厚揚げと韮を炒めて夕食に★★★

廣田洋一
囀りや右かと思へば左にも★★★★
囀りやガラスの森の光りをり★★★
桃の花ぼってりと咲き線路際★★★

桑本栄太郎
<遠い日の上京の追憶>
春宵や想い出胸に上京す★★★
手荷物をチッキに春の出雲号★★★
おそ春や寝台列車の少年に★★★

3月23日(3名)

小口泰與
春雪の降り収まりて庭真っ白★★★★
沼の鯉魚籠よりあふれ麗らかに★★★
おとついの事忘れたる遠霞★★★

多田有花
春朝の靄晴れ快晴の残り★★★
ゆで卵きれいにむけて春の朝★★★★
花冷えのなかに朝の干し物を★★★

桑本栄太郎
木々の枝の赤くうるみぬ木の芽雨★★★
<ふるさとの遠い追憶>
大山の残雪見つつ通学す★★★
春潮のはるかに見ゆる隠岐の島★★★

3月22日(4名)

小口泰與
春光やみどりの森の鳥の数★★★
自転車の光に向ひ漕げば春★★★★
春光のおさなき木の葉つつ包みける★★★

多田有花
昇り来る陽が溶かしおり春の霜★★★
彼岸かな部屋に朝日の入り初めし★★★
初桜今年はこちらの尾根に咲き★★★★

桑本栄太郎
淡雪の日当たりながら降りにけり★★★
悪戯つ子の帰り静寂や春休み★★★
<遠き日の追憶>
残雪のありて峡なる母の里★★★

弓削和人
駅頭に集まる春の衣かな★★★
春分のきざはしあえて登りけり★★★
貨車は荷を載せたままなり百千鳥★★★★

3月21日(4名)

小口泰與
男盛りを過ぎても男春の雪★★★
辞書揃え春の句会を怠らず★★★
春寒し赤城の風を浴びにけり★★★

廣田洋一
ふっくらと鰆煮えたり吟醸酒★★★
鋤返す土の香りて春田かな★★★★
小諸なる古城の町の春田かな★★★

多田有花
岩津葱抱えて春分を来たり★★★
手作りのデザート春分に届く★★★
春分の荒れ去り日差しのあふれおり★★★

桑本栄太郎
春雪の斜めによぎる嵐かな★★★
燦々と陽射しなれども春の雪★★★★
「燦燦と・・なれども」を添削しました。
燦燦と陽射しながらも春の雪(正子添削)
佐保姫の裳裾おさえる春あらし ★★★
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自由な投句箱/3月11日~3月20日

2024-03-12 08:10:59 | Weblog
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今日の秀句/3月11日~3月20日

2024-03-12 08:07:22 | Weblog
3月20日(1句)

★にわか雨待ちて暫く春の風/弓削和人
「にわか雨」を「待つ」は、時間的に言えば、あり得ないが、短い時間を総体的に捉えた場合の感じ方と思えばいい。にわか雨が降りそうな感じがして、春の風が暫く吹いたという。(髙橋正子)

3月19日(1句)

★山茱萸の花にしばらく晴れ続く/多田有花
山茱萸の花が咲くころ、晴れの日が続くと、気持ちが晴れやかになる。山茱萸の花の黄色と青空の対比にはおどろくほどの明快さがある。(髙橋正子)

3月18日(1句)

★ごうごうと雪解谷川近寄れず/小口泰與
雪解の谷川は、雪解け水にごうごうと鳴り響き、そこに飲み込まれたらと思うと、恐ろしい。「近寄れず」の思いを強くする。(髙橋正子)

3月17日(1句)

★春場所や浪花の空のにわか雨 /桑本栄太郎
春場所は三月大阪で催される。この季節は、春の長雨や、急な天気の変化があって、浪花ののどかな空もにわか雨に見舞われる。「浪花」と「春場所」が句に雰囲気を与えている。(髙橋正子)

3月16日(1句)

★公園のいずこも子らに日永の陽/多田有花
日が永くなると、公園にもくまなく陽があたり、子供たちが大勢遊ぶようになる。明るい陽のしたで、元気に遊ぶ子供たちを見るのは楽しいことだ。(髙橋正子)

3月15日
該当句無し

3月14日(2句)

★一日を終えし雲かも鳥帰る/弓削和人
空の雲も空で一日を過ごす、という感じ方がいい。一日を過ごした雲の中へ、入っていくように、鳥たちは北へ飛んでいく。詩情をもって詠まれた句。(髙橋正子)

★子午線を越えれば春の大橋に/多田有花
明石には東経135度の子午線が通っている。最初に子午線が引かれたのが、今から113年前というから、ずいぶん古い。子午線のある街、その子午線をこえれば瀬戸を渡る大橋につながる。このスケール感がたのしい。(髙橋正子)

3月13日(1句)

★蕨狩りひとり離れて切りもなし/廣田洋一
数人で蕨狩りに出かけたとしても、次々蕨を見つけて、人から離れていってしまう。それほどたくさんの、きりもないほどの蕨があって、十分に蕨狩りを堪能したのだ。(髙橋正子)

3月12日(1句)

★鎌倉や八重の椿の盛りなる/廣田洋一
古都鎌倉が良い季節を迎えた。椿の多種多様なこと。八重の椿も、寺を巡れば、一寺に何種類もあって、楽しめる。可憐な花から妖艶な花まで。(髙橋正子)

3月11日(1句)

★新句碑を据ゑて整へ春の土/廣田洋一
新しい句碑を据えるのに、土を動かしたのだろう。据えてから、きれいに土を整え句碑が建立された。新しい句碑がいきいきとしているように思える。(髙橋正子)
コメント (7)
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