◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/8月11日~20日

2021-08-12 08:06:06 | Weblog
※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
代表:高橋正子・管理:高橋信之
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今日の秀句/8月11日~20日

2021-08-12 08:05:33 | Weblog
8月20日(1句)

★かなかなや明日こそ晴れと想い居り/桑本栄太郎
日本のどこかで水害や土砂災害が起きるほど、大雨が続いている。雨が止んだおりには、蜩がなく頃になった。明日こそ晴れてくれよとこの雨続きに願う。(高橋正子)

8月19日(1句)

★全天がほのかに焼けし秋の朝/廣田洋一
夏とはたしかに違って来た朝の空。全天がほのかに焼けた秋の朝の透明感がいい。(髙橋正子)

8月18日(1句)

★上州の山並み嶮し鳥渡る/小口泰與
険しい上州の山並みの、そのはるか上を鳥が渡る。この景色に粛然とした思いになる。(髙橋正子)

8月17日(1句)

★切り分けし白桃光る瑠璃の皿/廣田洋一
みずみずしい白桃はそれにふさわしい器に載せたい。この句の「瑠璃」は、ガラスの古称として十分だろう。「瑠璃」という美しい言葉がよく働いている。(高橋正子)

8月16日(1句)

★雨雲の峰に引き上げ芋の露/桑本栄太郎
雨雲が峰に去っていき、里の畑の芋の葉に雨露がしとどに溜まっている。力強さがある句だ。(髙橋正子)

8月15日(1句)

★暁闇のはるか遠くに威し銃/桑本栄太郎
急に鳴る威し銃には、鳥獣でなくても驚かされるが、暁の闇を響かせて遠くで鳴る。田んぼが遠くにあることでもある。稲が実り始めた。(髙橋正子)

8月14日(1句)

★盆供養天女鳳凰舞う本堂/多田有花
お盆に寺に参ると本堂に、天女や鳳凰が舞う天井絵が目に入る。絵ではあるが、ありがたくも、極楽の様子を見せてもらうことに。(髙橋正子)

8月13日(1句)

★盆波の雨にけぶりぬ隠岐の島/桑本栄太郎
大きくうねる盆波の向こうに隠岐の島が、今日は雨でけぶっている。「雨にけぶる」に望郷の思いが重なって読める。(高橋正子)

8月12日(2句)

★朝顔やことに一輪深き色/小口泰與
たくさん咲いている朝顔の中に、深い色の花一輪を見つけた今朝の印象深さ。(髙橋正子)

★朝露を纏いて並ぶ稲の花/多田有花
稲の白い花が朝露をまとい、今朝の爽やかさもひときわ。稲の花への優しさ。(髙橋正子)

8月11日(1句)

★栗の毬うすみどりしてそろいおり/多田有花
暑い最中にも栗の実は確実に育って、うすみどり色の毬にまで生長した。それもいくつも。秋の到来を実感する。(髙橋正子)
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8月11日~20日

2021-08-12 07:59:11 | Weblog
8月20日(4名)

小口泰與
吾も犬も朝日の影や稲の花★★★★
玉ボケの蓮華升麻や森の秋★★★
蟋蟀や芝と花壇の鳴き別れ★★★

廣田洋一
鬼灯の赤き膨らみご仏前★★★
鬼灯を鳴らすイクメン慕はれし★★★
梨畑白き袋の鈴なりに★★★

多田有花
ヘッドフォンで電子ピアノを秋の夜★★★
ゆったりとヨガにあずける秋の暮★★★
秋雨のやむ間に急ぎ洗濯を★★★

桑本栄太郎
柿の実のぬつと日差しへ出で来たり★★★
秋の日の峰に老いゆく茜かな★★★

かなかなや明日こそ晴れと想い居り★★★★
日本のどこかで水害や土砂災害が起きるほど、大雨が続いている。雨が止んだおりには、蜩がなく頃になった。明日こそ晴れてくれよとこの雨続きに願う。(高橋正子)

8月19日(4名)

小口泰與
薄荷咲く木戸の辺りの風匂う★★★★
此処からもオキの耳見ゆ秋の晴★★★
夕さりの商店街のちちろかな★★★

廣田洋一
オクラの実伸びるにつれて星となり★★★
全天がほのかに焼けし秋の朝★★★★
夏とはたしかに違って来た朝の空。全天がほのかに焼けた秋の朝の透明感がいい。(髙橋正子)

女子高生見向きもせずに白粉花★★★

多田有花
秋出水呼ぶかまた雨降り始め★★★
秋燕の群れて飛ぶなり雨あがり★★★
秋蝉や命を終えて仰向けに★★★

桑本栄太郎
青空の雲間に抜ける稲穂垂る★★★
歩みゆく川辺に在りぬ花野風★★★
落蝉の翅のみ残る夕べかな★★★

8月18日(4名)

小口泰與
オカリナの音に風吹く渡り鳥★★★
贈り來し酢橘や瀬戸の日の温み★★★

上州の山並み嶮し鳥渡る★★★★
険しい上州の山並みの、そのはるか上を鳥が渡る。この景色に粛然とした思いになる。(髙橋正子)

廣田洋一
萎みし花隣に見つつ酔芙蓉★★★
朝九時や紅みさしたり酔芙蓉★★★
赤蜻蛉先づは一偵察に★★★

桑本栄太郎
秋蝉の疲れ果て居り長き雨★★★
溝川の怒涛となりぬ秋出水★★★
雨止めば色づき覚ゆ銀杏の葉★★★

多田有花
虫の音の窓辺に続く夜明け前★★★
秋雨の夜明け磯鵯の鳴く★★★
秋の夜の風呂場に一匹の家守★★★

8月17日(5名)

小口泰與
甲高き鵯や森を目覚めさす★★★
外で待つ眼科のベンチ雨の秋★★★
職人の稚鰤を捌く出刃の冴★★★

廣田洋一
送火や煙は家に流れたり★★★
風を呼び炎立ちたる送火かな★★★
切り分けし白桃光る瑠璃の皿★★★★
みずみずしい白桃はそれにふさわしい器に載せたい。この句の「瑠璃」は、ガラスの古称として十分だろう。「瑠璃」という美しい言葉がよく働いている。(高橋正子)

多田有花
法師蝉休暇の終わりに鳴き始め★★★
初秋の朝やリュートの曲を聴く★★★★
秋雨の荒ぶる午後となりにけり★★★

桑本栄太郎
うそ寒や目覚めの際に父の夢★★★
合歓の実の莢の青さの川辺かな★★★
橡の実や陸橋よりの天辺に★★★

川名ますみ
大小のつぼみいきいき日々草★★★★
敗戦忌源平かづらを賜りぬ★★★
三人で鷺草の鉢回しあう★★★

8月16日(4名)

小口泰與
波去りし岩へ翔けくる石叩★★★★
鵯の雀追いたる上枝かな★★★
仰山の椋鳥を蓄わう大樹かな★★★

廣田洋一
落蝉をそつと移せし道の端★★★
落蝉を踏みさうになり足を止め★★★
まだ居たき妻子に合はせ送火焚く★★★★

多田有花
皿溢る大粒の葡萄独り占め★★★
雨あがり窓からの風秋めきぬ★★★
湯に入れば虫の音聞こゆ夜となり★★★★

桑本栄太郎
田道行く野辺の朝や草ひばり★★★
ゑのころの色づき来たる荒野かな★★★
雨雲の峰に引き上げ芋の露★★★★
雨雲が峰に去っていき、里の畑の芋の葉に雨露がしとどに溜まっている。力強さがある句だ。(髙橋正子)

8月15日(4名)

小口泰與
嬬恋の棚田に溢る秋津かな★★★
半助の素地の花瓶や山桔梗★★★
兀として奇岩の山や桐一葉★★★

廣田洋一
外出は控えなさいと秋の雨★★★
秋の雨止むことなしに川溢れ★★★
鎮魂歌流れるホール終戦の日★★★

桑本栄太郎
暁闇のはるか遠くに威し銃★★★★
急に鳴る威し銃には、鳥獣でなくても驚かされるが、暁の闇を響かせて遠くで鳴る。田んぼが遠くにあることでもある。稲が実り始めた。(髙橋正子)

特攻の三日後なりぬ終戦日★★★
かなかなの窓の日差しや峰に老ゆ★★★

多田有花
盆のメロン銀の匙もて掬い食ぶ★★★★
盂蘭盆や木彫りの仏に手を合わす★★★
雨やむやいなや秋蝉鳴き始め★★★

8月14日(4名)

小口泰與
山風の案山子かたかた動きけり★★★
段畑の白き圃のあり秋の蝶★★★
秋蝉や故人の愛でし腕時計★★★

廣田洋一
道の端並び咲きたる白芙蓉★★★
花閉じし芙蓉をみつつ縄のれん★★★
真白なる芙蓉咲きたり古き家★★★

多田有花
盆供養天女鳳凰舞う本堂★★★★
お盆に寺に参ると本堂に、天女や鳳凰が舞う天井絵が目に入る。絵ではあるが、ありがたくも、極楽の様子を見せてもらうことに。(髙橋正子)

盆の寺僧の読経を聞いており★★★
珍しや今年の盆は雨続き★★★

桑本栄太郎
警報の日に何度とも盂蘭盆会★★★
苧殻焚く雨の門辺の庇かな★★★
ふるさとの雨の盆会や如何ばかり★★★★

8月13日(4名)

小口泰與
落鮎や波が波追うなみの音★★★★
水庭の木木と水辺や赤とんぼ★★★
隠り沼や利鎌の如き蛾眉の月★★★

廣田洋一
迎え火を気短な母待ちてをり★★★
ペルセウス流星見えぬ雨の夜★★★
待ち焦がれし流星隠す雲の有り★★★

桑本栄太郎
盆波の雨にけぶりぬ隠岐の島★★★★
大きくうねる盆波の向こうに隠岐の島が、今日は雨でけぶっている。「雨にけぶる」に望郷の思いが重なって読める。(高橋正子)

ふるさとを遠くに想う魂祭★★★
二年目も叶う事無き盆帰省★★★

多田有花
鬼灯を生らせ団地のフェンスかな★★★
初秋の花壇にアルストロメリア★★★
副住職盆提灯の準備中★★★

8月12日(4名)

廣田洋一
恙なき日を祈りたる白木槿★★★★
道の辺のすいと伸びたる白木槿★★★
アパートの狭庭に揺れる花木槿★★★
小口泰與
朝顔やことに一輪深き色★★★★
たくさん咲いている朝顔の中に、深い色の花一輪を見つけた今朝の印象深さ。(髙橋正子)

逆光の夕日たまわる尾花かな★★★
夕さりの雨の庭先木槿にて★★★

多田有花
板塀に寄り添い咲くや秋の薔薇★★★
朝露を纏いて並ぶ稲の花★★★★
稲の白い花が朝露をまとい、今朝の爽やかさもひときわ。稲の花への優しさ。(髙橋正子)

はやぽつぽつ桜紅葉の兆しおり★★★

桑本栄太郎
秋霖の降つては止みぬひと日かな★★★
コスモスの黄花ばかりや雨ひと日★★★
蘂の黄を見せて盛んやさるすべり★★★★

8月11日(4名)

小口泰與
光陰のああ矢の如しはや秋ぞ★★★
好日のひと日や湖は菊日和★★★
秋立つや朝の井戸水暖かき★★★★

廣田洋一
宗旦てふ雅な名前白木槿★★★
潦蜻蛉飛び交ふ朝の径★★★★
池の面ちょんちょん叩く塩辛蜻蛉★★★

桑本栄太郎
露けしや草のきらめく朝の川★★★★
吾が影の更に色濃く秋日さす★★★
コスモスの黄花ばかりや畦を占む★★★

多田有花
栗の毬うすみどりしてそろいおり★★★★
暑い最中にも栗の実は確実に育って、うすみどり色の毬にまで生長した。それもいくつも。秋の到来を実感する。(髙橋正子)
鶏頭に朝の光の差しにけり★★★
朝が来るマゼンタ色の白粉花★★★
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自由な投句箱/8月1日~10日

2021-08-01 22:01:47 | Weblog
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今日の秀句/8月1日~10日

2021-08-01 22:00:58 | Weblog
8月10日(1句)

★甲子園テレビ画面に赤とんぼ/桑本栄太郎
2年ぶりの甲子園での高校野球。中継のテレビ画面にすっと赤とんぼが入った。熱戦の繰り広げられる球場は、もう、秋。(髙橋正子)

8月9日(1句)

★鬼やんま岩を越え行く水迅し/小口泰與
岩を越える水の迅さ。その岩の周りを飛ぶ鬼やんま。清涼感があふれる。(髙橋正子)

8月8日(2句)

大津絵の団扇厨に置かれける/小口泰與
大津絵は仏画と世俗画に分かれるようだが、世俗画はいろいろあって、ひょうきんな画もあり楽しい。厨に置かれる団扇は、すし飯を扇いだり、急に冷ます必要なものがあったりと、活躍する。いつも手近にあるものは、面白いもの、楽しいものがいい。(髙橋正子)

★秋きぬと真白き蓮の開きけり/多田有花
秋が来たといって真っ白い蓮が開いた。真白き蓮が秋を見せてくれるかのように、目にすがすがしい。(髙橋正子)

8月7日(2句)

★ものの実の小さく生りて秋立ちぬ/廣田洋一
「小さく生りて」が「秋立ちぬ」の季節感をうまく表している。(高橋正子)

★蟻には広き朝顔の花の上/多田有花
お釈迦様の手のひらの孫悟空を思い出すが、朝顔の花の上の蟻。蟻にとっては、きれいでみずみずしい広い世界。着眼がいい。(高橋正子)

8月6日(1句)

★青空の今日も広がり原爆忌/多田有花
昭和20年8月6日8時15分、広島の上空は快晴だったと聞く。その日と同じように、去年もそうだったが、青空が広がる。それが哀しみを深くする。(髙橋正子)

8月5日(2句)

★翡翠の碧一筋に川渡る/廣田洋一
翡翠が狙った魚を一閃の光のごとく獲る様子と、その羽の色は魅力的。この句は、翡翠が川を渡る様子でこれは少し長く、「碧一筋」を目に焼き付けて飛ぶ様子。川の水を渡り飛ぶ「碧一筋」が涼しそうだ。(髙橋正子)

★朝涼のなかを鉄路はまっすぐに/多田有花
なんと気持ちのよい句だろう。朝の涼しさの中を鉄路がまっすぐ、どもまでも延びる。それだけで、十分な句の世界が成り立っている。(髙橋正子)

8月4日(1句)

★富士の峯青々そびえ夏惜しむ/廣田洋一
富士山の山頂が青々としているのは、本当に夏の間だけ。この青さを惜しみ、ゆく夏を惜しむ気持ちがいい。(高橋正子)

8月3日(1句)

★庭先の小さき浄土蓮の花/多田有花
蓮の花が咲くと、たとえ、そこが小さな池や小さな鉢でも、そのあたりが浄土と思える空気が漂う。蓮の花の清浄さがそうさせる。(高橋正子)

8月2日(1句)

★何もかも忘れたき日や茗荷掘る/桑本栄太郎
茗荷が食べるとものを忘れるという言い伝えがある。人は一切合切忘れてみたくなるとこもある。忘れることで珍事も起こるが、人生にユーモアがあっていい。「茗荷掘る」が真実味があるようで、遊んでいるようで。(高橋正子

8月1日(1句)

★芋の葉の彼方に夏の日が昇る/多田有花
芋の葉が一面畑を覆うその向こうから夏の日が昇る。神々しいまでの夏の日の出を芋の葉が力強く受け止めている。(髙橋正子)
コメント (11)
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