◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●投句箱1月21日~31日●

2014-01-31 06:43:19 | Weblog
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コメント (106)
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1月31日

2014-01-31 06:42:40 | Weblog
●小口泰與
風花や群より遅る鳩一羽★★★
砂時計返す露天湯北颪★★★

手袋の中の拳や星の朝★★★★
星の出ている朝は寒く冷たい。手袋をはめていても、手袋の中のがちがちの冷たい拳を意識するのだ。(高橋正子)

●多田有花
寒茜一番星の光りだす★★★
生けられて壷の蝋梅香を開く★★★
頂に春の近さを語りあう★★★★

●桑本栄太郎
ゆらり揺れ梢の影の寒ゆるむ★★★
寒禽の翔べばぱらぱら種の音★★★

学び舎のチャイム鳴りおり寒ゆるむ★★★★
学校のチャイムは、ゆっくりした時代のなごりなのか、いつでもゆっくり鳴る。学校という場を思い出すせいもあるが、のどかな気持ちになり、寒もゆるむ。(高橋正子)

●小西 宏
北風の空を斜めに鳥流る★★★
空晴れて辛夷冬芽の枝の揺れ★★★★
釣り人の石に古亀日向ぼこ★★★
コメント (2)
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1月29日-30日

2014-01-29 05:44:42 | Weblog
1月30日

●小口泰與
山茶花のむらがりこぼる風の街★★★
盆栽の松に鋏や息白し★★★
菓子を売り有為転変の四音かな★★★

●多田有花
寒晴れに甍の波の光りおり★★★

雨降って寒の終わりの近づきぬ★★★★
このごろの天気を見ていると、たしかに一雨ごとに寒の寒さが緩んでいるようだ。その事を技巧を使わず句にした良さがある。(高橋正子)

寒の雨音楽を聴き絵を描く★★★

●桑本栄太郎
<故郷の冬の追憶>
寒凪のはるか遠きや隠岐の島★★★

海苔掻きや潮のうねりをかわしつつ★★★★ 
天然の海苔は岩についている。潮はときどき、大きなうねりを作って寄せてくるときがあるが、そのときは待ち、うねりが逃げてまた海苔を掻くことを繰り返す。「うねりをかわしつつ」がリアルで、潮の様子が見え、磯の香りがしてくるようだ。(高橋正子)

氷柱融け楽となりたる軒端かな★★★

●河野啓一
ひさかたの光かそけく寒の雨★★★
夜通しの雨や草木も雨待つ心★★★
友の顔みざるデイの日氷雨かな★★★

1月29日

●小口泰與
山風にさらさる梢(うれ)の木の葉かな★★★
利根川の威の白波や虎落笛★★★
白波の広ごる湖やおでん鍋★★★

●多田有花
晩冬や土鍋で昼の飯を炊く★★★★
「昼の飯を炊く」生活もあるのだ。日が高く昇り、朝の寒さがとれたころ、ゆっくりと土鍋で飯を炊く。土と火の生活に古代に帰ったような気持ちになるのだろうか。(高橋正子)

快晴の空を仰げば春近し★★★
春隣る空気を胸に吸い込みぬ★★★


●桑本栄太郎
炊きたての白飯にかけ寒卵★★★

探梅の空の青さよヘリコプター★★★★
探梅の青空にリコプターが一機飛んでいる。何かの目的で飛んでいるヘリコプターだが、見る側からすれば、このきれいな青空に、なぜ居るんだ、と思う。(高橋正子)

青空へつぼみふふむや春隣り★★★

●河野啓一
冬麗の空の広さよ明るさよ★★★★
冬とは言え、麗らかな日和。空の広々と、明るいのが嬉しくなる。日脚が伸びたこの頃は、春を待つ気持ちも加わって、特に嬉しくなる。(高橋正子)

青空に飛行機雲や春近し★★★
ポリポリと沢庵噛んで春隣★★★

●古田敬二
陽光の春の気配に包まれて★★★
眩しき陽高きにありて春隣★★★
森に座す落葉の下に日の温み★★★★
コメント (6)
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1月28日

2014-01-28 06:34:12 | Weblog
●小口泰與
探梅や風を生みたる山の嶺★★★

湖までの道真っ直ぐの落葉かな★★★★
落葉のことを言いながら、春の兆しが感じられる句だ。湖まで続く落葉の道は、木々がすっかり葉を落とし、空を透かせ、太陽の光を通している。木々の芽吹きももうすぐだ。(高橋正子)

冬すみれ我が影川を越えにけり★★★

●多田有花
朝霜に木を切る音の響きおり★★★★
朝の霜がまだあるうちから、木を切る仕事が始まっている。霜に響く木を切る音が力強い。(高橋正子)

鐘鳴らし自転車ゆくよ寒の森★★★
山茶花の散りこぼれつつ陽に咲けり★★★

●古田敬二
霜の土つかんで草の根の深し★★★★
ふきのとう庭に残して孤老逝く★★★
孤老逝く庭に芽生えし蕗の薹★★★

●桑本栄太郎
山茶花のこぼれ紅敷く坂の土堤★★★
水禽のつがいづつ浮く川面かな★★★
山肌の日射す明かりや春近し★★★★

●小西 宏
水鳥や連理の誓い四十年★★★
凛凛と空青みたり枯木立★★★★
枯が進めば進むほど、空は青を極めるようだ。「凛凛と」がそれを語っている。(高橋正子)

深酒の切符の薄し冬の星★★★
コメント (4)
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1月27日

2014-01-27 05:17:39 | Weblog
●小口泰與
雨しずくふくむ冬菜を摘みにけり★★★★
雨しずくのついた冬菜は一段と緑も濃く、生き生きとふくよかに育っている。冬菜にも寒さや冷たさにもめげない力がある。(高橋正子)

寒暁のビルあかあかと朝日影★★★
荒星のこぼるる山や牡丹鍋★★★

●古田敬二
大股に春の気配の風を行く★★★★
角曲がる北風強く向かい来る★★★
玄関に活けし白梅開きけり★★★

●下地鉄
石蓴汁椀の香りの湯気やさし★★★★
石蓴(あおさ)の味噌汁などは、磯の香りがして、湯気もやさしく立ち上って春らしいものだ。。一椀の汁に春がある。(高橋正子)

唐獅子の眼もやわらかき春ちかし★★★
寒椿山深くして音も無く★★★

●桑本栄太郎
寒林といえど梢の空へ空へ★★★
遠山の眠りを揺する日射しかな★★★

蝋梅の道の明かりを教会へ★★★★
「教会へ」とあるので、ヨーロッパの小さな村の雰囲気を想像してしまう。それは、蝋梅の花の「香り」よりも「明るさ」を詠んでいるせいであるだろう。(高橋正子)

●小西 宏
霜柱つま先に触れ瑠璃の音★★★
満天星の冬芽差す日の柔らかし★★★
鳥の声澄む晴天の枯林★★★★

コメント (1)
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