◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/10月21日~31日

2019-10-23 14:30:38 | Weblog

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
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今日の秀句/10月21日~31日

2019-10-23 14:29:41 | Weblog

10月31日(1句)

★青空やまさに照葉の照葉峡/小口泰與
照葉峡は、群馬県の紅葉の名所と聞く。みなかみにあり、10月には色づき始めるという。水原秋櫻子も訪ね、渓流の大小の滝に名前を付けたと言われる。その名の通り、照葉が青空に映える美しさは例えようがない。(高橋正子)

10月30日(2句)

★銀杏落葉踏みて行きたる一号館/廣田洋一
銀杏落葉が降り敷いている。一号館とあるから、二号館、三号館もあるような構内であろう。広い敷地に散り敷いた銀杏落葉の量を必然思ってしまう。一号館に特別意味を持たせてはいないだろうが、リアルであって、建物の配置が想像できる。(高橋正子)

★松手入れの音のみ聞こゆ門構え/多田有花
門構えの広い御屋敷の、どかかから聞こえてくる松手入れの音。手入れをする植木屋の姿は奥深くて見えないが、音だけ聞こえてくる。リズミカルな音が快い。(高橋正子)

10月29日(2句)

★自転車の下校の列や秋しぐれ/桑本栄太郎
自転車で下校の生徒たち。つぎつぎに銀輪がつながって走ってゆく。晴れなら輝く銀輪も、今日は秋しぐれに降られて、冷たそうに回るだけ。秋しぐれにぬれつつ帰る下校生を思いやった句。(高橋正子)

★青空やすっと薄の雲に届く/多田有花
山頂の薄であろう。青空にすっと薄がのびて、雲に届くかに。「すっと」がよく効いて、気持ちのよい句となった。(高橋正子)

10月28日(1句)

★飼われおる猪盛んに水浴びを/多田有花
猪が飼われていることを初めて知ったが、猪鍋料理もあるから、飼われても不思議はない。天気がよかったのだろうか、飼われている猪が水浴びを喜んでいる。飼われていながら喜んで水浴びをしている様子だ。こう見ると猪がずいぶんかわいらく見える。(高橋正子)

10月27日(1句)

★鳥どちのしきりに鳴けり実南天/廣田洋一
赤く熟れた実南天は、秋の深まりを強く感じさせてくれる。実南天だけでなく、いろんな実物が熟れて、鳥たちも喜び、しきりに鳴いて、生き生きとしている。(高橋正子)

10月26日(2句)

★午後の陽のやわらか残るコスモスへ多田有花
晩秋となっても咲き続けるコスモス。咲き方も次第にさびしくなってはいるが、午後の陽がさすと、いっそうやわらかな花になる。見ているものの気持ちも、もちろん、優しい。(高橋正子)

★陽を浴びて香り濃くなる金木犀/廣田洋一
金木犀はよく香るときとそうでないときがあるようだ。陽を浴びたときは、特によく香るのだろう。陽を浴び、金色の花となった金木犀が精いっぱいに香っている。(高橋正子)

10月25日(1句)

★地震起こり忽ととまりし虫の声/小口泰與
地震が起こると、それまで鳴いていた虫がぴたりと鳴き止んだ。天変地異をいち早く感じとるのは動物たちであろう。その敏感さには驚くばかりである。(高橋正子)

10月24日(2句)

★歯磨きの水の硬さに冬近し/廣田洋一
「水の硬さ」に実感がある。毎日の生活の中で、一日として同じ日はない。今朝は歯磨きをする水に硬さを感じた。それが、冬の近さを感じさせたのだ。(高橋正子)

★霜降の海が遠くで光りおり/多田有花
霜降の日、海の遠いところが光っていた。ただ、それだけのようだけれど、近くの海でなく、遠くの海が光ること、これ自体が節季の変化を表すことだと言えるでしょう。(高橋正子)

10月23日(1句)

★敗荷に真昼の光明るかり/多田有花
夏の間、葉が重なり合って茂っていた蓮池。敗荷となって、秋の日が存分に射し込むようになった。敗荷田に差す光が枯れていく蓮の有様に対して、あまりのも明るいことに驚いた。(高橋正子)

10月22日(2句)

★張り紙は新蕎麦とあり峠口/小口泰與
峠口の店に新蕎麦と張り紙がしてある。近隣で採れた新蕎麦であろうと思われて、ここで食べて行かねばならないだろうという気にさせてくれる。蕎麦好きには、たまらない張り紙である。(高橋正子)

★夕暮れの灯かりとなりぬ柿の村/桑本栄太郎
夕暮になると色づいた柿の実が灯りのように浮かび出る。日が落ちてしまえば、その柿の実も暗くなってしまうのだが、そのわずかの時間が愛おしく思える。(高橋正子)

10月21日(1句)

★大山の白樺夜露や直哉の忌/桑本栄太郎
志賀直哉は、大正時代の白樺派を代表する作家の一人。大山の白樺に置く夜露を見て直哉を忍んだ。
大山(だいせん)は栄太郎さんの故郷鳥取の山。(高橋正子)
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10月21日~31日

2019-10-23 14:20:51 | Weblog

10月31日(4名)

小口泰與
青空やまさに照葉の照葉峡★★★★
照葉峡は、群馬県の紅葉の名所と聞く。みなかみにあり、10月には色づき始めるという。水原秋櫻子も訪ね、渓流の大小の滝に名前を付けたと言われる。その名の通り、照葉が青空に映える美しさは例えようがない。(高橋正子)

紅葉づるやこの執心の大樹かな★★★
遠山は紺しぼりつつ実むらさき★★★

多田有花
ストレッチ習慣づける冬隣★★★
秋の山降りつつ城を間近にす★★★
じょうびたき自転車置場に来ておりぬ★★★★

廣田洋一
秋日和ハワイの山際くっきりと★★★
秋夕焼三日月細く切り込みぬ★★★
秋の海防潮堤に波たてし★★★★

桑本栄太郎
秋の瀬の七段光る堰の水★★★
川波の早瀬となりぬ秋の昼★★★★
乾び居て支柱に残る種なすび★★★

10月30日(4名)

小口泰與
柚子の香に渓流の風新しき★★★★
金柑やごほんごほんと独りっ子★★★
秋桜子の遊びし湯元渓紅葉★★★

廣田洋一
敷積みし銀杏落葉の柔らかし★★★
銀杏落葉踏みて行きたる一号館★★★★
銀杏落葉が降り敷いている。一号館とあるから、二号館、三号館もあるような構内であろう。広い敷地に散り敷いた銀杏落葉の量を必然思ってしまう。一号館に特別意味を持たせてはいないだろうが、リアルであって、建物の配置が想像できる。(高橋正子)

掬ひたる銀杏落葉を子に浴びせ★★★

多田有花
浅葱斑舞う秋深き頂に★★★
傾ける陽を浴び紫式部の実★★★

松手入れの音のみ聞こゆ門構え★★★★
門構えの広い御屋敷の、どかかから聞こえてくる松手入れの音。手入れをする植木屋の姿は奥深くて見えないが、音だけ聞こえてくる。リズミカルな音が快い。(高橋正子)

桑本栄太郎
藁塚の屋根を被いて仕舞いけり★★★
日を透きて金の穂波やゑのこ草★★★
まるめろの香り良きともいびつとも★★★

10月29日(4名)

小口泰與
山の声嫋嫋たるや出落栗★★★
釣人の浮子へぽちゃりと鬼胡桃★★★
渓流の岩のすき間へ胡桃かな★★★

廣田洋一
雨上がり薄く色づく椿の実★★★
椿の実油溜めつつ色深む★★★
戸を開ける音に弾けし椿の実★★★★

桑本栄太郎
冷まじや洗顔どきのひげ硬し★★★
自転車の列の下校や秋しぐれ(原句)
自転車の下校の列や秋しぐれ★★★★(正子添削)
自転車で下校の生徒たち。つぎつぎに銀輪がつながって走ってゆく。晴れなら輝く銀輪も、今日は秋しぐれに降られて、冷たそうに回るだけ。秋しぐれにぬれつつ帰る下校生を思いやった句。(高橋正子)

夕暮れの雨の灯かりや泡立草★★★

多田有花
古民家の裏には猪垣のありぬ★★★
朝餉にはさつまいも入り味噌汁を★★★
青空やすっと薄の雲に届く★★★★
山頂の薄であろう。青空にすっと薄がのびて、雲に届くかに。「すっと」がよく効いて、気持ちのよい句となった。(高橋正子)

10月28日(4名)

小口泰與
榛名湖のしののりめ明かりけらつつき★★★★
からすみや呼び込む市の婆の声★★★
笑栗や里山の空深深と★★★

廣田洋一
子供らが先頭を行く阿波踊り★★★★
園児らの仮装行列ハロウィンかな★★★
秋祭り米軍楽隊行進す★★★

多田有花
飼われおる猪盛んに水浴びを★★★★
猪が飼われていることを初めて知ったが、猪鍋料理もあるから、飼われても不思議はない。天気がよかったのだろうか、飼われている猪が水浴びを喜んでいる。飼われていながら喜んで水浴びをしている様子だ。こう見ると猪がずいぶんかわいらく見える。(高橋正子)

快晴の朝に響きし鵙高音★★★
高鳴きに鵙の姿を探しおり★★★

桑本栄太郎
鵙晴れや嶺の遙かに放れ雲★★★
北摂の山並み晴るる秋の雲★★★
紅白の送電塔や田に嶺に★★★

10月27日(4名)

小口泰與
住職の読経の声や秋高し★★★
湖風や丘のコスモスしどろなり★★★★
花すすき風に撓いて光ける★★★

廣田洋一
畔道に真っ赤に垂れる実南天★★★
公園の隅を明るく実南天★★★
鳥どちのしきりに鳴けり実南天★★★★
赤く熟れた実南天は、秋の深まりを強く感じさせてくれる。実南天だけでなく、いろんな実物が熟れて、鳥たちも喜び、しきりに鳴いて、生き生きとしている。(高橋正子)

多田有花
古民家に集う晩秋同窓会★★★★
近況を語りあいけり長き夜に★★★
あれこれと話は尽きぬ夜半の秋★★★

桑本栄太郎
荒れ庭の空地明かりや泡立草★★★
青空にすずめ鳴きなり鵙の声★★★
淀川の初鴨浮かぶ岸辺かな★★★★

10月26日(4名)

小口泰與
鬼の子や忠治の墓の欠けており★★★
風呂敷のゆるみ毬栗こぼれ落ち★★★★
新走り睡魔の神の現れし★★★

多田有花
霜降の夜の嵐が窓をうつ★★★
残るコスモスへ午後の陽やわらかく(原句)
午後の陽のやわらか残るコスモスへ(正子添削)
晩秋となっても咲き続けるコスモス。咲き方も次第にさびしくなってはいるが、午後の陽がさすと、いっそうやわらかな花になる。見ているものの気持ちも、もちろん、優しい。(高橋正子)

雨あがり沖から晴れて来る晩秋★★★

廣田洋一
好奇心から焚いてみたるは零余子飯★★★
レシピより酒を多めに零余子飯★★★
陽を浴びて香り濃くなる金木犀★★★★
金木犀はよく香るときとそうでないときがあるようだ。陽を浴びたときは、特によく香るのだろう。陽を浴び、金色の花となった金木犀が精いっぱいに香っている。(高橋正子)
 
桑本栄太郎
カタカタと骨の鳴り居り冬隣★★★
降り出せば又秋しぐれ秋しぐれ★★★
夕暮れて雨の降り居り火恋し★★★★

10月25日(4名)

廣田洋一
晩酌の後に頂く富有柿★★★
手に乗せて重さを測る富有柿★★★
地味なれど深き色艶実紫★★★★

多田有花
<第八回姫路まちなかバル三句>
晩秋やまちなかバルに繰り出しぬ★★★
長き夜や初めてBARに入りにけり★★★★
ほろ酔いで歩く街路のやや寒し★★★

小口泰與
地震起こり忽ととまりし虫の声★★★★
地震が起こると、それまで鳴いていた虫がぴたりと鳴き止んだ。天変地異をいち早く感じとるのは動物たちであろう。その敏感さには驚くばかりである。(高橋正子)

雨後の葉の蟷螂すでに鎌構え★★★
葦の穂や朝雲をはぐ赤城山★★★

桑本栄太郎
黄落の庭に張りつく雨の夕
「黄落」は、「銀杏・櫟の木の葉の黄ばんで落ちるのをいう。」と角川歳時記にあります。「黄落の」の「の」を格助詞と捉えれば、黄落の使い方に疑問が残ります。(高橋正子)

紅こぼる雨の激しき水木の実
「水木」と「花水木」は違う樹木です。水木の実は黒っぽく、花水木の実は紅いですが、詠まれたのは花水木ではないでしょうか。(高橋正子)

橡の実のいつの間にやら採られ居り★★★

10月24日(4名)

小口泰與
忽然と立ち泳ぎせる秋目高★★★
杣宿の蜂の子飯は馳走かな★★★★
秋蝶のはや四国にて舞いにける★★★

廣田洋一
良く言うよこんな気温で冬近しとは★★★
なんとなく川の細りて冬近し★★★
歯磨きの水の硬さに冬近し★★★★
「水の硬さ」に実感がある。毎日の生活の中で、一日として同じ日はない。今朝は歯磨きをする水に硬さを感じた。それが、冬の近さを感じさせたのだ。(高橋正子)

多田有花
柿たわわに野鳥の訪れを待つ★★★
秋深し池の畔の蓄音機★★★
霜降の海が遠くで光りおり★★★★
霜降の日、海の遠いところが光っていた。ただ、それだけのようだけれど、近くの海でなく、遠くの海が光ること、これ自体が節季の変化を表すことだと言えるでしょう。(高橋正子)

桑本栄太郎
夕暮れの雨に色づく庭紅葉★★★
もみづるや雨のひと日の暮れゆきぬ★★★
夕刻の歯科の予約や秋しぐれ★★★

10月23日(4名)

廣田洋一
富士の山即位を祝し初冠雪★★★
南天の実明るく垂れる休耕田★★★
実南天赤く染めたる用水路★★★

多田有花
新米が届きましたよ但馬から★★★
山の池背黒鶺鴒降り立ちぬ★★★

敗荷に真昼の光明るくさす(原句)
落ち着きが悪いので、添削しました。
敗荷を明るくさせて真昼の日★★★★(正子添削①)
敗荷に真昼の光明るかり★★★★(正子添削②)
夏の間、葉が重なり合って茂っていた蓮池。敗荷となって、秋の日が存分に射し込むようになった。敗荷田に差す光が枯れていく蓮の有様に対して、あまりのも明るいことに驚いた。(高橋正子)

小口泰與
共学の高校生や鵙高音★★★★
電線に五線譜の如椋の群★★★
あれほどの椋すっぽり一樹かな★★★

桑本栄太郎
銀杏の臭気歩道に溢れけり★★★
歩みゆく程に暮るるや秋没日★★★
夕鵙や田面に風の吹くばかり★★★★

10月22日(4名)

小口泰與
張り紙は新蕎麦とあり峠口★★★★
峠口の店に新蕎麦と張り紙がしてある。近隣で採れた新蕎麦であろうと思われて、ここで食べて行かねばならないだろうという気にさせてくれる。蕎麦好きには、たまらない張り紙である。(高橋正子)

雛僧の魚鼓を打ちたり秋小鳥★★★
かの時の古墳の埴輪小鳥來る★★★

廣田洋一
一粒の露の写せる地球かな★★★
蜘蛛の巣や露に覆はれ光りけり★★★★
大小の露夫々に光りたる★★★

多田有花
床に入れば密かに聞こえ残る虫★★★★
秋雨のなかを入りけり定食屋★★★
前山の粧い初めし雨あがり★★★

桑本栄太郎
秋冷の皇居言祝ぐ即位の礼★★★
双葉菜の列の稚けき畝の間に★★★

夕暮れの灯かりとなりぬ柿の村★★★★
夕暮になると色づいた柿の実が灯りのように浮かび出る。日が落ちてしまえば、その柿の実も暗くなってしまうのだが、そのわずかの時間が愛おしく思える。(高橋正子)

10月21日(4名)

小口泰與
素晴らしや今年も訪ぬ紅葉山★★★
火の山の空は青磁や渡り鳥★★★★
坂鳥や三国峠の雲の間に★★★

廣田洋一
艶やかな着物を着たる案山子祭★★★
呆然とテレビ見るだけ秋出水★★★
若き頃住みし町にも秋出水★★★★

桑本栄太郎
大山の白樺夜露や直哉の忌★★★★
志賀直哉は、大正時代の白樺派を代表する作家の一人。大山の白樺に置く夜露を見て直哉を忍んだ。
大山(だいせん)は栄太郎さんの故郷鳥取の山。(高橋正子)

下枝のまだ咲きいたり萩は実に★★★
すずめ等の塒かしまし秋没日★★★

多田有花
<令和元年大相撲秋巡業姫路場所>
晩秋の汗光る力士の稽古★★★★
稽古する力士間近に秋巡業★★★
床山の手際鮮やか秋巡業★★★
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自由な投句箱/10月11日~20日

2019-10-13 11:15:31 | Weblog

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今日の秀句/10月11日~20日

2019-10-13 11:14:30 | Weblog

10月20日(1句)

★猪の駆け去る後を歩きけり/多田有花
猪は、比較的人家に近い山にも棲息してる。人里近く住んでいるようだ。山に登り、猪が駆け去るのを目撃。そのあとを、普通に変わらず歩いて行った。山をよく知った有花さんの余裕か。(高橋正子)

10月19日(1句)

★美濃和紙のつつみし痕あり栗きんとん古田敬二
美濃和紙にやわらかくくるまれたきんとんに、絞った痕がそのままついている。絞られたままのその通りの筋痕が、きりっと美しい。栗どころ、和紙の産地ならではのお菓子に秋を思う。(高橋正子)

10月18日(1句)

★屋上に出れば秋天限りなく/多田有花
入院されているときの句。病室での治療の合間、屋上に出て見れば、秋天は限りなく広がっている。この爽やかで広々とした空への感嘆もさることながら、それが限りなく続くことを願う気持ちが大きい。(高橋正子)

10月17日(1句)

★飛行機雲幅を広げて秋の雲/廣田洋一
飛行機雲の引かれ始めは、細く真直ぐに伸びているが、次第に幅が広くなって普通の雲のようになる。飛行機雲も秋の雲なのだと気づく。(高橋正子)

10月16日(2句)

★山里や水神様へ秋茄子を/小口泰與
山里の作物を育てた水。水神を祀って水の恵みや治水を祈る。秋も深まり、採れた茄子を供えて祀った。素朴な祈りの姿がいまもある。(高橋正子)

★鋏音空に跳ねたり松手入れ/廣田洋一
松の剪定は、手間のかかること。鋏の音も弾んで、その度ごとに松の葉が落ち、松の姿が整い。空が晴れやかにみえてくる。気持ちの良いものだ。(高橋正子)

10月15日(1句)

★冬瓜の青さ残せしスープかな/廣田洋一
冬瓜は生のうちは、白いが、煮ると淡くみどりがかってくる。透きとおったスープに冬瓜の青みがのこっているのも美しい。日本的な美しさがここにある。(高橋正子

10月14日(1句)

★裏山は桜紅葉があちこちに/多田有花
病室などから、裏山を見ることがある。緑の多い山に、桜紅葉があちこちにある。それはそれで、きれいなのだが、桜紅葉に、また、春の山桜の咲く様子を思っても見ただろう。(高橋正子)

10月13日(2句)

★台風一過祭屋台の繰り出しぬ/多田有花
秋祭りが予定されているのに、台風が来る。台風一過の後の本祭り。みんな喜び勇んでいる。屋台もいろいろとぎやかに繰り出した。無事秋祭りが行えるのは、嬉しく楽しいことだ。(高橋正子)

★青空も山も色濃し野分あと/廣田洋一
野分あとは、ものがいろいろ普段とは違った風情をみせてくれる。こまごまと観察することもある。この句のように、空を見上げ、山を望みおおらかに野分のあとの晴れやかさを思うこともある。(高橋正子)

10月12日(1句)

★水一杯さらりと鉢のコスモスに/川名ますみ
身近のコップにでも水が入っていたのだろうか。鉢のコスモスにさらりと移してあげた。喉が渇いていたかのように、水をもらったコスモスは、いきいきとしてきた。(高橋正子)

10月11日(1句)

★鵙鳴けり長袖シャツに着替えたり/廣田洋一
鵙が鳴くと、急に秋が深まった感じがする。昼間は暑さを思える秋の日も、長袖シャツで心地よく過ごせるようになった。そんな季節が来たことがうれしい。(高橋正子)

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