◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

■自由な投句箱/11月21日~11月30日

2023-11-21 22:56:23 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。




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今日の秀句/11月21日~11月30日

2023-11-21 22:56:08 | Weblog
11月30日(1句)

★水鳥や行きては戻る橋の下/廣田洋一
そんなに大きくない、普段通る橋なのだろう。その橋の下の川に、水鳥が川上に行ったと思ったら、また下ってくる。橋下の川水を行動範囲とする水鳥に愛着がわく。(髙橋正子)

11月29日(1句)

★風垣や何処か遠くに海鳴りぬ/桑本栄太郎
風垣と言えば、日本海から吹いてくる風に風音を立てる垣根を思うが、まさにその日本海の風景。「遠くに海鳴りぬ」の抒情が、風垣の季語を醸成させている。(髙橋正子)

11月28日(1句)

★ゆくものをゆかせて冬紅葉赤し/多田有花
季節が進み歳晩を迎えるころになると、流れ行くものは行かせ、紅葉自体は、それと関わりがないかのように自己を強めるかのように鮮やかになる。(髙橋正子)

11月27日(1句)

★葉を落とし早やも備える冬芽かな/桑本栄太郎
樹々が葉を落とすと、枝には冬芽がとがっている。人の目に見えないところで、自然界は次の季節の準備が間断なくされて驚くことだ。(髙橋正子)

11月26日(1句)

★あけぼのの風に素直に冬の波/小口泰與
「素直に」がよい。冬と言えば、寒々と冷たい荒れた風を思いがちだが、風に素直に形を添わせる冬の波が、心を落ち着かせてくれる。(髙橋正子)

11月25日(1句)

★葉牡丹の渦の合間に日の雫/廣田洋一
葉牡丹が日ごと育っている。一枚一枚の葉が渦を巻いて太っていくが、繊細に巻いていく渦の間に陽が差しこんでいる。露の雫ような、陽の雫がきれいだ。(髙橋正子)

11月24日(1句)

★かいつぶりたまには土手に飛びにけり/廣田洋一
かいつぶりは鳰とも呼ばれる留鳥だが、冬の沼や池などでよく見かけるので、冬の季語となっている。潜水するのが得意でほとんど水のなかで過ごす。土手に飛んできているのを見かけ、水のない土手に飛んでいることもあるのかという、驚き。自然は不思議に満ちている。(髙橋正子)

11月23日(1句)

★星冴ゆや草の根を行く水堅し/小口泰與
「冴ゆ」は、歳時記によれば、<ひえきって「寒し」「冷たし」が一層極まった感じ。大気中の不純物が拭い去られ、透き通るような寒さ。夜に多く、しばしば月・星などと結びつけて詠まれる。>とある。
寒く、冷え切った夜の星は、きれいな空気を通して彼方に輝いているが、足元を見ると草の根を分けるように流れる少ない水は、「堅し」の印象だ。「星冴ゆる夜」の一つの光景。(髙橋正子)

11月22日(1句)

★万両や実の張り詰めて紅々と/弓削和人
みちのくの冬は早い。万両も熟れている。「実の張り詰めて」に充実した万両の実をありありと思い浮かべることができる。真っ赤に熟れて輝く実は、冬のなかにあって、温かい思いにさせてくれる。(髙橋正子)

11月21日(1句)

★釣り人の湾処(わんど)に一人冬日さす/桑本栄太郎
「冬日」は小春日和の冬日と思いたい。きらきらと輝く湾処(わんど)に一人の釣り人が糸を垂れている。太公望然とした釣り人に、ゆるやかな冬の時がながれている。(髙橋正子)
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11月21日~11月30日

2023-11-21 22:46:07 | Weblog
11月30日(4名)

小口泰與
鳴きながら冬翡翠の沼に来し★★★
青空に白き雲映ゆ冬紅葉★★★
沼に居て冬の夕日を浴びて居り★★★

多田有花
冬満月イルミネーションの上にあり★★★
暮早き空に満月街に人★★★
城ありて十一月も過ぎゆきぬ★★★

廣田洋一
悴みし足指揉みて朝風呂へ★★★
水鳥や行きては戻る橋の下★★★★
水鳥の飛び立つ群や青き空★★★

桑本栄太郎
寒風に悔やむ皇帝ダリアかな★★★
垣根より顔出し笑みぬ石蕗の花★★★
葉を散らし十一月の終わりけり★★★

11月29日(4名)

小口泰與
残水の砂防のダムや鴨の群★★★
鷹舞うや忽と野鳥は木木の中★★★
のりす舞う沼しんしんと静まりぬ★★★

桑本栄太郎
朝日背の新聞読むや日向ぼこ★★★
しぐれ忌のみずいろ空の在所かな★★★
風垣や何処か遠くに海鳴りぬ★★★★

廣田洋一
冬めくや白雲浮かぶ朝の空★★★★
日の中に冬芽立ちたる段葛★★★
山茶花の白く零れる曲り角★★★

多田有花
冬の城輝く木々のその向こう★★★
日短の街を彩るイルミネーション★★★
電飾や師走近づく街並木★★★
 
11月28日(4名)

小口泰與
大口の冬翡翠や魚を呑む★★★
餌台へ寒雀どち群りぬ★★★
鴛二つ枝にとまりて動かざる★★★

廣田洋一
本殿を遠く見通す枯木道★★★
枯木道白々光る石灯籠★★★
段葛桜冬芽の生々と★★★

多田有花
枯薄かたむく日差しに輝きぬ★★★
ゆくものをゆかせて冬紅葉赤し★★★★
一杯の白湯をいただく冬の夜★★★

桑本栄太郎
待ち合わせ妻は歳暮に大丸へ★★★
濯ぎもの干し終え直ぐに時雨れけり★★★
ストーブのブツブツ云いて足下へ★★★

11月27日(3名)

小口泰與
三山を寒夕焼の統べてをり★★★
野鳥等や冬夕暮の術無しぞ★★★
水鳥の揺らく水面や赤城山★★★

多田有花
冬紅葉残る山へと朝日さす★★★
冬の午後リュートの音色聞いている★★★
青空から銀杏落葉の始まりぬ★★★

桑本栄太郎
葉を落とし早やも備える冬芽かな★★★★
黄落の道の辺彩と積りけり★★★
旧友と出会う出掛けやしぐれ降る★★★

11月26日(4名)

多田有花
空青き三冬なるよ瀬戸内は★★★
東屋も桜並木も冬景色★★★
しぐれ雲近づく山の稜線に★★★

小口泰與
鳥を待つ我に風打つ沼の冬★★★

あけぼのの風に素直な波の冬(原句)
具体的な方がイメージがしっかりすると思います。(髙橋正子)
あけぼのの風に素直に冬の波(正子添削)

大いなる裾野の長き冬赤城★★★

桑本栄太郎
<京都四条大橋界隈>
見晴るかす遥か北山冬かすみ★★★
南座の金の唐破風冬日さす★★★
外つ人のファミリー多し冬の京★★★

廣田洋一
冬木の芽雨を零せる段葛★★★
太鼓橋紅葉と冬の色交す★★★
冬ざるる雨にくすぶる並木道★★★

11月25日(4名)

廣田洋一
山茶花や朝日を浴びて良き日和★★★
葉牡丹の渦の合間に日の雫★★★★
色深め散り残りたる木の葉かな★★★

小口泰與
星霜の奇岩の山や冬の霜(原句)
「霜」は、冬の季語ですので、「冬の霜」は、避けたい。
星霜の奇岩の山や霜強し(正子添削)

群なして日向ぼっこの雀かな★★★
沼に鳥と見紛う枯葉かな★★★

多田有花
白菜を豚肉と煮てやわらかし★★★
雲にさす朝の光の冬めきぬ★★★
実南天いよいよ赤しよく晴れて★★★

桑本栄太郎
塵出しの朝の静寂や時雨れ降る★★★
雲つどい後は曇りや雪催い★★★★
市ヶ谷のみずいろ空や憂国忌★★★

11月24日(4名)

廣田洋一
かいつぶりたまには土手に飛びにけり★★★★
赤蕪の頭見えたり朝の畑★★★
山茶花や早咲き一つ赤々と★★★

小口泰與
りんの音にかじけ猫をも飛びおきし★★★
風も無き沼の芒へ朝日かな★★★
飛行機の爆音納む沼の冬★★★

桑本栄太郎
推敲の眼委ねる冬もみじ★★★
見晴るかす遥か北山時雨れけり★★★
綿虫の手をすりぬける日差しかな★★★

多田有花
じょうびたき鳴く初冬の窓際に★★★
冬ぬくし腕まくりして事務作業★★★

<姫路・太陽公園白鳥城>
冬空へ西洋の城たち上がる★★★

11月23日(4名)

多田有花
働けることに感謝を勤労感謝の日★★★
航空機浮かべておりぬ冬の空★★★
人と人つないで広し冬青空★★★★

廣田洋一
大綿や白く舞ひつつ雪を呼ぶ★★★
川べりの木椅子並びて冬めける★★★★
牛鍋に箸触れ合ひて顔合わせ★★★

桑本栄太郎
推敲に倦みて眺めり冬紅葉★★★
綿虫の差し伸べる手をすり抜ける★★★
色づきてまだ眠られず冬の山★★★

小口泰與
赤城より風あらびいる冬椿★★★
星冴ゆや草の根を行く水堅し★★★★
冬の沼野鳥はすでに去りにけり★★★

11月22日(5名)

小口泰與
上州の空っ風をば浴びに来よ★★★
枯草の風を纏いし川辺かな★★★
冬の沼野鳥の声のすげなしよ★★★

多田有花
小雪やひとりひとりに使命あり★★★
午後の陽が照らせる山の冬紅葉★★★
かどさきを掃きし老女に小春の陽(原句)
「掃きし」の「し」は、過去の意味です。過去の助動詞「き」の連体形です。意味として、過去でないほうが良いと思います。(髙橋正子)
かどさきを掃ける老女に小春の陽(正子添削)

廣田洋一
濃く淡く水底染める木の葉かな★★★
木の葉散る寺の静けさ鐘の音★★★
並木道木の葉時雨の降りやまず★★★

桑本栄太郎
綿虫の頻りに浮かぶあおぞらに★★★★
見上げれば山茱萸の実の青空に★★★
冬日背に我が影長く歩みけり★★★★

弓削和人
寒鯉やわずかに波紋をまとうなり★★★
寒卵熱き煮汁へ溶かしおり★★★
万両や実の張り詰めて紅々と★★★★

11月21日(名)

小口泰與
冬ばらの尋常に咲く風の中★★★
あけぼのの雪の浅間のあかあかと★★★★
寒風の赤城山より下りけり★★★

桑本栄太郎
<冬の桂川風景>
冬日さすマルチ煌めく河川畑★★★

釣り人湾処(わんど)に一人冬日さす(原句)
釣り人の湾処(わんど)に一人冬日さす★★★★

穂芒の風に躍りぬ中州かな★★★

廣田洋一
門前に燃え立つがごと冬紅葉★★★
こちらの木あちらの木にも冬紅葉★★★★
公園の楓色付く冬の朝★★★

弓削和人
枯蓮へ鯉の尾鰭のうねりかな★★★
しんしんと白き車上や冬の山
「車上」がわかりにくいです。(髙橋正子)

押入の布団新たに敷きにけり★★★
「押入」は必要なさそうですが。(髙橋正子)
客人に布団新たに敷きにけり(添削例)

コメント (2)
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自由な投句箱/11月11日~11月20日

2023-11-13 08:56:35 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
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今日の秀句/11月11日~11月20日

2023-11-13 08:54:52 | Weblog
11月20日(1句)

★透かし見る木の間の野鳥森の冬/小口泰與
森の木々を見ていると、木々の間を野鳥がしきりに枝移りするのが見える。里に近い冬の森では小鳥が元気に鳴いたり、実を啄んだり、小鳥の観察もたのしいものだ。(髙橋正子)

11月19日(1句)

★鴨川の堰水光る冬日かな/桑本栄太郎
幾多の川に出合い、別れ、また合流し、京都市を代表する鴨川は、北から南へと流れる淀川水系の河川。護岸工事がされ、堰が作られている。堰を流れ落ちる水は、水の美しさを見せている。冬日が当たるときも、堰を落ちる水音とともに、より輝いていると想像できる。(髙橋正子)

11月18日(1句)

★しぐれ去り夕刻の虹おいてゆく/多田有花
「虹おいてゆく」がいい。しぐれが止み、暗い夕刻に光明のように虹が空にかかる。その虹をしぐれが置いていってくれたというとらえ方。それがいい。(髙橋正子)

11月17日(1句)

★二つ三つ水輪弾ける沼の冬/小口泰與
沼は湖よりも水深が浅いものを言うが、周囲の枯れが進むと、沼も蕭条としてくる。平らな沼の水に、ときどき水輪が弾けるように生まれている。小さな虫が水を弾いているのかも知れないが、沼は静かにも生きている。(髙橋正子)

11月16日(1句)

★暮早き空を惜しみて子ら遊ぶ/多田有花
子供たちはいつまでも外で遊びたい。遊びに夢中ながらも、空の暮れ具合が気になる。「暮れ早き空」を惜しむ気持ちは子供ながら、大人びた感じ。ここがいい。(髙橋正子)

11月15日(2句)

★日を求め急ぎ舞い居り冬の蝶/桑本栄太郎
冬の蝶が日当たりを求めている姿が目に見える。日向を見つければ、急いで舞い降りる。弱弱しいと思われがちな冬の蝶にも生きる力は十分ある。(髙橋正子)

★にぎわいて根深多めの汁の湯気 /弓削和人
根深が旬を迎えた、みんなが集まる食堂にも根深が多めの汁が用意され、あつあつの根深汁から立つ湯気に誰もが満足の食事時だ。(髙橋正子)

11月14日(1句)

★我が庭の蜜柑に朝日差しにけり/小口泰與
庭に植えてある蜜柑は、庭は景色でもあるが、少しばかり食べる楽しみもある。庭の蜜柑に朝日がさして、蜜柑の匂いまでしそうだ。清々しい句。(髙橋正子)

11月13日(1句)

★登校の児童一列寒波来る/桑本栄太郎
寒波が来ると小学生も体がこわばるのか、登校する列も乱れず、一列を保って言葉もなく歩いている。(髙橋正子)

11月12日(2句)

★干柿に初冬の薄き光あり/多田有花
初冬の光は、「薄い」と印象。干柿もまだ吊るされ間もないので、干柿の薄い光の色として感じられる。(髙橋正子)

★大橋を渡り南座しぐれ降る/桑本栄太郎
大橋を渡るとすぐ南座となる。大橋を渡ると天気の具合少し変わるのか、しぐれが降る。変わりやすいしぐれの降りようが見える。(髙橋正子)

11月11日
※ 該当句無し
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