◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/7月21日~31日

2019-07-22 10:05:41 | Weblog

※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
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今日の秀句/7月21日~31日

2019-07-22 10:03:24 | Weblog

7月31日(1句)

★髪切りて溌剌として夏の女/廣田洋一
髪を短く切ると女性も、活発に、生き生きとした様子に見える。特に、夏は短い髪は涼しげもあって、逆に女性を印象付けることもある。「夏の女」はまさにそれだろう。(高橋正子)

7月30日(1句)

★滝落ちて水分石の思うまま/小口泰與
水分石は、滝石に組まれ水を分けるもの、水位を知るためのものなどあって、策定者の美的、思想的な要素があって、配置される。そういったことはともかく。滝の水がたっぷりと落ちて、水分石は思うままに水を分けている。涼しい景色だ。(高橋正子)

7月29日(2句)

<水陸両用バス スカイダック台場 豊洲・東京Viewコース>
★夏の潮洗い流してバスとなる/多田有花
水陸両用バスという珍しいものに乗られた。海を走るときは、船。陸にあがればバス。陸にあがると、夏潮を洗い流す。夏潮を洗い流して身代わりする様子が、潔い。(高橋正子)

★きりぎりす風の音色を伝え居り/桑本栄太郎
くさむらのなかで、きりぎりすが鳴いている。姿が見えないので、風と運ばれて来るきりぎりすの声は、さながら、風の音色を伝えているようだ。その発見が新しい。(高橋正子)

7月28日(1句)

★揚花火消えぬ間次の大花火/廣田洋一
花火が揚がり、揚がった花火は落ちかかると、次にはさらに大きな花火が揚がり、観客をどよめかせる。一つの花火と、次に打ち上げられた花火の関係の微妙さに面白みがある。(高橋正子)

7月27日

該当句無し

7月26日(1句)

<白洲次郎・正子旧宅~武相荘>
★武相荘の庭を引き締め夏木立/多田有花
武相荘に限らないと思うが、夏木立が凛と立つと庭が引き締められる。白洲次郎・白洲正子の生活の仕方がわかるような旧宅である。(高橋正子)

7月25日(1句)

★海辺にて黄色弾ける花蘇鉄/廣田洋一
海の色と蘇鉄の花の黄色のコントラスト南国的な夏らしいイメージを醸している。蘇鉄は恐竜時代からの生き残りの植物で、やはり、そういった時代を彷彿させる。(高橋正子)

7月24日(2句)

★青空へ鮎釣る長竿のびにけり/小口泰與
鮎釣りの醍醐味は鮎を釣り上げることは、もちろんだが、川や渓流の風景を楽しむことにもある。鮎を釣る長い竿が青空にグーンとのびる。そのしなやかさがいい。(高橋正子)

★雨空を紅く照らせり凌霄花/廣田洋一
陰鬱な雨空が続くころ、凌霄花が、咲くとあたりを紅く照らしてくれる。雨の憂さも吹っ切りそうなあかるい凌霄の花だ。(高橋正子)

7月23日(1句)

★風鈴はかんかん石や昼も夜も/小口泰與
かんかん石は、讃岐石(サヌカイト)。緻密な石でたたくとかんかんと高い澄んだ音色がする。風があれば、昼も夜もいい音色を響かせてくれる。風のある涼しい住まいに、なお風鈴が涼しそうな音色で鳴っているのだ。(高橋正子)

7月22日

該当句無し

7月21日(1句)

★通り雨いまだ温もる日除かな/小口泰與
通り雨が過ぎ、あたりはひんやりと涼しくなったが、日除に触れてみると、太陽の熱を持ってまだ温かい。通り雨くらいでは、日除の熱は冷めな。(高橋正子)
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7月21日~31日

2019-07-22 09:56:48 | Weblog

7月31日(4名)

小口泰與
水漬く田の一枚ありて夏の鴨★★★
百日紅林泉(しま)の池へと水絶えず★★★★
鍋割山(なべわり)と高さを競う夏ひばり★★★

廣田洋一
知らぬ間にタオルを首に熱帯夜★★★
飲み水に塩味つける酷暑かな★★★

髪切りて溌剌と見ゆ夏女(原句)
髪切りて溌剌として夏の女★★★★(正子添削)
髪を短く切ると女性も、活発に、生き生きとした様子に見える。特に、夏は短い髪は涼しげもあって、逆に女性を印象付けることもある。「夏の女」はまさにそれだろう。原句の「夏女」は、そんな女がいるのかということになる。(高橋正子)

多田有花
夏の朝ホームを抜ける風涼し★★★
大橋や夏霧に端隠されて(原句)
上五の大橋のイメージが湧いてきにくいので、添削しました。
夏霧に端を隠され大橋は★★★★(正子添削)

熱帯夜電車遅延のアナウンス★★★

桑本栄太郎
天翔る名馬の死すや七月尽★★★
日盛りの舗道となりぬ蝉の殻★★★★
炎熱の舗道に乾ぶみみずかな★★★

7月30日(4名)

小口泰與
林泉の鳥声さやか百日紅★★★
滝落ちて水分石の思うまま★★★★
水分石は、滝石に組まれ水を分けるもの、水位を知るためのものなどあって、策定者の美的、思想的な要素があって、配置される。そういったことはともかく。滝の水がたっぷりと落ちて、水分石は思うままに水を分けている。涼しい景色だ。(高橋正子)

大沼の森茫茫と木葉木菟★★★

多田有花
仲良しのひまわり顔を寄せ合って★★★
振り向けば白鷺城あり夏の川★★★
花終わり首うなだれしひまわりよ★★★

廣田洋一
銭湯に一つ置かれし行水桶★★★
ガレージの行水桶に子ら跳ねる★★★★
新築の硝子戸光る晩夏かな★★★

桑本栄太郎
じょわじょわと今朝の序曲や蝉の声★★★
四婆の船場言葉や谷崎忌★★★
日の落つや風の死したる窓の外★★★

7月29日(4名)

小口泰與
夜の蝦蟇の一歩も引かぬ面構え★★★
郭公や朝のワインとハムエッグ★★★★
雲の峰渓流釣り師遡上せり★★★

多田有花
<水陸両用バス スカイダック台場 豊洲・東京Viewコース三句>
五輪競技場建設中の夏★★★

夏の潮洗い流してバスに戻る(原句)
現代俳句では、主語が示されなければ、作者が主語となります。作者がバスに戻った意味になります。
夏の潮洗い流してバスとなる★★★★(正子添削)
水陸両用バスという珍しいものに乗られた。海を走るときは、船。陸にあがればバス。陸にあがると、夏潮を洗い流す。夏潮を洗い流して身代わりする様子が、潔い。(高橋正子)

梅雨空を回るよ回る大観覧車★★★

廣田洋一
一文字に夏帯結び凛と立つ★★★★
司会役夏帯ぽんと叩きけり★★★
夏帯や役目を終えて横座り★★★

桑本栄太郎
きりぎりす風の音色を伝え居り★★★★
くさむらのなかで、きりぎりすが鳴いている。姿が見えないので、風と運ばれて来るきりぎりすの声は、さながら、風の音色を伝えているようだ。その発見が新しい。(高橋正子)

炎天の日がそのままに入日とも★★★★
仰のけに白き腹見せ蝉の落つ★★★

7月28日(3名)

多田有花
<水陸両用バス スカイダック台場 豊洲・東京Viewコース三句>
ピカチュウのバスで向かいし夏の海★★★
バスは舟に変わりて入りぬ夏の海★★★
遊船と手を振りあってスカイダック★★★

小口泰與
飯笊の箍のはずれていたりけり★★★
夜の光蝦蟇と対面したりけり★★★
はんざぎの三代の御代知りたるか★★★

廣田洋一
屋形船屋根より見上ぐ花火かな★★★
花開く花火の音のパチパチと★★★

消えぬ間に大輪揚がる花火かな(原句)
揚花火消えぬ間次の大花火★★★★(正子添削①)
花火が揚がり、揚がった花火は落ちかかると、次にはさらに大きな花火が揚がり、観客をどよめかせる。一つの花火と、次に打ち上げられた花火の関係の微妙さに面白みがある。(高橋正子)

大輪の花を重ねて揚げ花火(正子添削②)

7月27日(4名)

多田有花
<白洲次郎・正子旧宅~武相荘三句>
茅葺から野萱草咲く庭に出る(原句)
茅葺は、茅葺屋根のこと。家を指すときは、茅葺の家、茅葺の宿などと使う。
茅葺の家から野萱草咲く庭へ★★★(正子添削)

竹林と山百合があり武相荘★★★★
バーを持つ土蔵に小さき扇風機★★★

小口泰與
裸子のひょいと顔出す大広間★★★★
肌脱に山風たまう二階かな★★★
ひとすじの流るる汗や恐怖症★★★

桑本栄太郎
二番子の巣は入口の軒の下★★★
昼寝子の夢のうつつや窓の風★★★★
嵐止み忽ち夕の蝉しぐれ★★★

廣田洋一
晴れ上がり浴衣姿の親子連れ★★★
一斉に拍手の湧きし花火かな★★★
大輪の花火重なる隅田川★★★★

7月26日(4名)

小口泰與
扇子持ち古式泳法蒼き空★★★
遠き日や手花火ぷっと消えにける★★★★
彼の人を見ずや草矢の的とせり★★★

多田有花
<白洲次郎・正子旧宅~武相荘>
夏の庭少年次郎の愛車あり★★★
武相荘の庭を引き締め夏木立★★★★
武相荘に限らないと思うが、夏木立が凛と立つと庭が引き締められる。白洲次郎・白洲正子の生活の仕方がわかるような旧宅である。(高橋正子)

入口に竹靴べらと蚊取線香★★★

廣田用入り
雨上がり苺の草の生き返り★★★
四季なりの苺もぎたる朝かな★★★
あちこちの産地の名前苺択る★★★

桑本栄太郎
怨讐の花とは惜しき木槿かな★★★
炎天の青空乱す白き雲★★★
棲み分けの夕にしきりや油蝉★★★

7月25日(4名)

小口泰與
スカールの利根の荒波越え行けり★★★

見上げたる一ノ倉沢登山靴
「登山靴」がどうだとというのでしょうか。

仰ぎ見る一ノ倉沢ケルン積む★★★★


多田有花
<逗子開成中学遭難碑>
梅雨の海見つめて立てり遭難碑★★★
<東京ドームホテル>
とりどりのユニフォーム着て夏の夜に★★★
鎌倉の話などして夏の朝★★★

廣田洋一
海辺にて黄色弾ける花蘇鉄★★★★
海の色と蘇鉄の花の黄色のコントラスト南国的な夏らしいイメージを醸している。蘇鉄は恐竜時代からの生き残りの植物で、やはり、そういった時代を彷彿させる。(高橋正子)

モスクのごと丸きドームの雌花蘇鉄★★★
強き日のようやく戻り晩夏かな★★★

桑本栄太郎
朝よりのうねり螺旋に蝉しぐれ★★★
梅雨明けや黒く見え居りものの影★★★
嶺の端の夕焼け雲と雨雲と★★★

7月24日(4名)

小口泰與
舟よりの狙い定かな投網かな★★★
青空へ鮎の長竿伸びにける(原句)
青空へ鮎釣る長竿のびにけり★★★★(正子添削)

鮎釣りの醍醐味は鮎を釣り上げることは、もちろんだが、川や渓流の風景を楽しむことにもある。鮎を釣る長い竿が青空にグーンとのびる。そのしなやかさがいい。(高橋正子)

伽羅蕗や孫たちとんと来たがらず★★★

廣田洋一
雨空を紅く照らせり凌霄の花(原句)
雨空を紅く照らせり凌霄花★★★★(正子添削)
陰鬱な雨空が続くころ、凌霄花が、咲くとあたりを紅く照らしてくれる。雨の憂さも吹っ切りそうなあかるい凌霄の花だ。(高橋正子)

子ら遊ぶ砂場にぽとり凌霄花★★★
凌霄花燃え上がりたる丸太小屋★★★★

多田有花
梅雨明けの声未だ無し今日大暑★★★
クマゼミの声に囲まれ目覚めおり★★★
ひまわりの後ろ姿もひまわりで★★★★

桑本栄太郎
熱籠り京の町家の梅雨明くる★★★★
すずめ等のねぐら姦し宵涼し★★★
雨上がり窓より風の涼夜かな★★★

7月23日(4名)

小口泰與
一徹に粉は霧下夏のれん★★★
風鈴はかんかん石や昼も夜も★★★★
かんかん石は、讃岐石(サヌカイト)。緻密な石でたたくとかんかんと高い澄んだ音色がする。風があれば、昼も夜もいい音色を響かせてくれる。風のある涼しい住まいに、なお風鈴が涼しそうな音色で鳴っているのだ。(高橋正子)

芝の中生き物も出づ草むしり★★★

多田有花
<江ノ島三句>
エスカーで登る薔薇咲く山上へ★★★
シーキャンドル望む背後は梅雨の雲★★★
見渡せば湘南の海梅雨の海★★★★

廣田洋一
立葵登頂せしも雨続く(原句)
立葵登り尽きても雨続く★★★★(正子添削)

雨にも負けず登り競へる葵かな★★★
頂を窮めて咲きし葵かな★★★

桑本栄太郎
目覚むれば暁の鴉や明早し★★★
川の字の工となりぬや熱帯夜★★★
雷雨過ぎ忽ち夕の蝉しぐれ★★★★

7月22日(4名)

小口泰與
白鷺の植田の中を動かざる★★★
湯の街の川辺の店の麻のれん★★★

なみなみと注がれし猪口は切子かな★★★
この句の「切子」は、薩摩切子、江戸切子などのカットグラスのことであろうが、季語としては未成熟。季語として定着しているのは、「切子灯籠」のことである。

多田有花
<鎌倉長谷寺>
のうぜん花和み地蔵のうえに咲く★★★★
<鎌倉まめや>
七月の豆はマンゴーミルク味★★★
<江ノ島弁天>
梅雨雲に富士は隠れて江ノ島弁天★★★

廣田洋一
月見草薄暮の庭にゆらゆらと★★★
駐車場明るくしたる月見草★★★★
道の端人を呼ぶ声月見草★★★

桑本栄太郎
梅雨晴間とは云え雨の雲峰に★★★
雨あがり午後の日差しや油蝉★★★
跳び移り手足もじもじ雨蛙★★★

7月21日(4名)

小口泰與
凌霄花や散らかっておるおもちゃ箱★★★
通り雨いまだ温もる日除かな★★★★
通り雨が過ぎ、あたりはひんやりと涼しくなったが、日除に触れてみると、太陽の熱を持ってまだ温かい。通り雨くらいでは、日除の熱は冷めなかった。(高橋正子)

白鷺や瑠璃色淡き山上湖★★★

廣田洋一
邂逅の円柱立ちぬ蘇鉄の花★★★
白き玉赤く割れけり蘇鉄の花★★★
雨空に赤く咲きけり松葉牡丹★★★

多田有花
<鎌倉大仏>
万緑に座す大仏を見上げおり★★★
<鎌倉長谷寺>
長谷寺の赤き提灯梅雨晴間★★★
入ればまず緋鯉の群れし池に会う★★★

桑本栄太郎
梅雨晴間選挙に出掛くるベビーカー★★★
見はるかす遥か鞍馬の青嶺かな★★★
せせらぎの早瀬となりぬ梅雨晴間★★★
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自由な投句箱/7月11日~20日

2019-07-13 12:07:12 | Weblog

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今日の秀句/7月11日~20日

2019-07-13 12:06:05 | Weblog

7月20日(2句)

★海風に幟はためく氷水/廣田洋一
「氷」の幟を立てて、氷水を案内しているが、その幟が海風にはためいている。その光景は夏そのもの。(高橋正子)

★大仏もともに濡れつつ梅の雨/多田有花
鎌倉の大仏は、露座仏。梅雨が降れば、梅雨に濡れる。大仏を拝する私も濡れるが、大仏も濡れておられる。「ともに濡れつつ」と仏の心をふと思った。(高橋正子)

7月19日(1句)

★短夜のバルト海行く船の旅/廣田洋一
北欧のバルト海は地中海で、その船旅を楽しまれた。船で行く旅はゆったりと沿岸の景色が楽しめる。短夜が効いて、つい、白夜を思ってしまった。(高橋正子)

7月18日(3句)

★青葉木寃山にちりばむ星の数/小口泰與
青葉木寃が鳴く山、そのうえには星がちりばめられている。豊かな思いになる夜である。(高橋正子)

<鎌倉・建長寺>
★山百合を映して池あり建長寺/多田有花
山百合は山などに自生して、自生とは思えぬほどの大きな花を数花つけ、倒れそうな姿である。それがそのまま池に映り、静かさをたたえている。禅寺の池となれば、趣も格別だ。(高橋正子)

★祇園会の明けて朝より雨となる/桑本栄太郎
祇園会が明けて、安堵の雨であろうか。静かに京を濡らしている。(高橋正子)

7月17日(1句)

鎌倉・建長寺
★蓮開く細かな雨を宿しつつ/多田有花
蓮が開くのは、梅雨のころから。雨の蓮、晴れた朝の蓮。それぞれに赴きがあるが、建長寺の蓮は細かな雨を宿して開いていた。禅寺の静かさとも言えようか。(高橋正子)

7月16日(1句)

 鎌倉・建長寺
★地蔵座す仏堂包み梅の雨/多田有花
梅雨の長雨にすっぽりと包まれた法堂。幾年の歳月の静かさを思う。(高橋正子)

7月15日(1句)

★雲の峰どのレジ台を選びても/小口泰與
スーパーのレジに並ぶ。どのレジ台を選んでも、そこからは雲の峰が見える。ひろびろとした地方の町の眺めのいいスーパー。日常のここにも詩心を湧かせる景色がある。(高椅正子)

7月14日(1句)

★夏燕ついと虚空に飛び出しぬ/多田有花
夏燕はどこから現れたかと思うほど、ついと空に飛び出してくる。夏空の深さを思う時だ。春の巣作りのころ、梅雨のころと燕はそれぞれの季節、自分の仕事に合わせたような飛び方をするが、夏燕は、飛び方がなんと面白い。(高橋正子)

7月13日(1句)

★嬬恋の山家の一夜寝茣蓙かな/小口泰與
冷房のないころ、夏の寝苦しさを避けるため、寝茣蓙を使った。イ草のふんぷんとした香りに匂いからも涼しさを感じたものだ。嬬恋の山家では、冷房を入れるほどでもないのだろう。寝茣蓙を敷いて寝た一夜が昔懐かしさを呼ぶ。(高橋正子)

7月12日(2句)

★時鳥山家の夕餉早早と/小口泰與
山家に泊まる。はやばやと夕餉をとれば、時鳥が鳴く。たっぷりと時間がある山家の夕ベ。(高橋正子)

<京都四条通り>
★曳初めの長刀鉾に出会いけり/桑本栄太郎
祇園祭の始まり。偶然にも曳き初めの長刀鉾に出会った。祇園祭の高揚感がここに始まり湧いたとき。(高橋正子)

7月11日(2句)

<沖縄平和祈念公園>
★慰霊の日の日の出に向けて歩きけり/多田有花
沖縄慰霊の日は6月23日。8月6日の広島原爆忌、8月9日の長崎原爆忌と合わせて、記憶すべき日とされるようになった。日の出に向けて歩くは、意味があるということだが、純真に命を捧げた人たちを思う。(高橋正子)

★旅人をもてなす宿の岩清水/廣田洋一
旅の渇きをいやしてくれるのは、冷たくおいしい水。岩からしみ出る清水は何よりうれしいもの。(高橋正子)


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