◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/4月21日~30日

2018-04-21 12:25:44 | Weblog

生き生きと、みずみずしい俳句を期待しています。

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


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◆俳句日記/高橋正子◆
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今日の秀句/4月21日~30日

2018-04-21 12:25:16 | Weblog

4月30日(2句)

★手水場のふと和みたる楓の花/廣田洋一
手水場に覆いかぶさるように楓の花がある。水と楓の花、また楓の新緑は、心の和む風雅な景色。(高橋正子)

★心地良き風のベンチや若葉陰/桑本栄太郎
「影」は、物の影。若葉の木陰の意味では、「若葉陰」。若葉の季節の風が一年で一番心地よいと言ってもいい。ゆっくりとした心地よい時が煌めいている。(高橋正子)

4月29日(2句)

★夏近し木々の最もいきいきと/多田有花
思えば、木々が最もいきいきとしているのは、「夏近し」の頃と言ってよい。若葉から濃い緑の葉に生長し、すがすがしい風と光を受けて、のびのびと、また生き生きとしている。人も同じような気がする。(高橋正子)

★じゅりじゅりと声華やぎて燕来る/桑本栄太郎
「声華やぎて」に作者の感動があって、燕が来たことの喜び、また、生き生きとした燕が詠まれている。(高橋正子)

4月28日(1句)

★仰のけに身を沈めたりげんげ田に/桑本栄太郎
げんげ田をみれば、ふわふわの花の中に入りたい衝動に駆られる。仰向けに、大の字になって身をしずめるのもいい。げんげの花の冷たい感触も忘れがたい。(高橋正子)

4月27日(1句)

★晩春の田に入り初めし水光る/多田有花
田植えの準備がはじまる晩春は、気候の良い時だ。田を渡る風も心地よく、日の光もよく耀く。田に入る水も光り、生き生きとした水となる。それを捉えたのがいい。(高橋正子)

4月26日(1句)

★行く春の榎夕影含みそめ/小口泰與
行く春という季節の移り変わりが、大木の榎が「夕影を含みそめ」に見ている。言葉では言い表しにくいことを「夕影含みそめ」の現象に見てとったところがいい。(高橋正子)

4月25日(1句)

★渓流の瀬音は高く藤の花/多田有花
俳句には、景色が良い句がある。この句はそれである。今、藤の花が盛りである。藤棚の藤もよいが、この藤は山に咲く藤を詠んでいて、さわやかである。私のことになるが、中学校の校歌は、「藤波の千年(ちとせ)の里は」で始まって、山には藤がたくさんあった。学校の行き帰り、よく目にしたのも懐かしい。(高橋正子)

4月24日(1句)

★旅終えてゆったり汲みし新茶かな/廣田洋一
晩春から初夏にかけて出そろう新茶。香り、佳味が珍重され、ゆっくりと気持ち爽やかに味わいたいお茶
だ。旅を終えてのよい時間。(高橋正子)

4月23日(3句)

★初雷をやり過ごすなり稚魚の群/小口泰與
「初雷」は、立春後はじめて鳴る雷のこと。春の雷。あまり激しく鳴るのではなく、一、二回鳴って、遠ざかることが多い。釣に出掛けた川で、稚魚の群れに出会い、雷が鳴ったが、稚魚は驚き散らばることもなく、雷をやり過ごした。それほどかすかな初雷である。(高橋正子)

★木香薔薇のアーチ誘うや珈琲館/桑本栄太郎
木香薔薇と「珈琲館」の取り合わせが素敵だ。珈琲館に入りたくなるのは、必至の木香薔薇のアーチ。(高橋正子)

★車椅子デイの廊下の藤の花/河野啓一
デイケアに出掛けた。オープン廊下なのだろうか、車椅子で藤の花をくぐることになった。藤の花の季節がうれしい。(高橋正子)

4月22日(1句)

★赤や黄の帆の滑り行く薄暑かな/廣田洋一
洋一さんは、湘南にお住まいなので、薄暑を思わせる日には、こうした光景がみられるのだろう。セーリングやウィンドサーフィンの色々な色の帆が海を滑る光景は見て若々しい気持ちになれる。(高橋正子)

★柿若葉青空に透け跳躍す/河野啓一
柿若葉が青空へ葉をどんどんと広げて行く。若葉の色の美しさもさることながら、その勢いに感嘆する。それを思い切って「跳躍す」とした。作者の心意気でもあろう。(高橋正子)

4月21日(1句)

★ふるさとの駅舎古ぶや花は葉に/桑本栄太郎
「花は葉に」は、葉桜の傍題としての季語で、葉桜を眺めながら、つい前の桜を忍ぶ思いがある。この「忍ぶ思い」が「ふるさとの駅舎古ぶ」に通じて、一句が誰もの心に共感できるものとなった。(高橋正子)
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4月21日~30日

2018-04-21 12:24:57 | Weblog

4月30日(4名)

小口泰與
行く春や縒りて流るる湯檜曽川★★★
朝靄を纏う赤城山(あかぎ)や松の花★★★★
春惜しむ日向日影の湖の色★★★

廣田洋一
手水場のふと和みたる楓の花★★★★
手水場に覆いかぶさるように楓の花がある。水と楓の花、また楓の新緑は、心の和む風雅な景色。(高橋正子)
春の句を捨ててまた捨て四月尽★★★
平成もあと一年や四月果つ★★★

多田有花
白鷺の翼みあげて春惜しむ★★★
別れの曲奏で四月を送りけり★★★
藤の花ほろほろ地上にこぼれ落ち★★★★

桑本栄太郎
心地良き風のベンチや若葉影(原句)
心地良き風のベンチや若葉陰★★★★(正子添削)
「影」は、物の影。若葉の木陰の意味では、「若葉陰」。若葉の季節の風が一年で一番心地よいと言ってもいい。ゆっくりとした心地よい時が煌めいている。(高橋正子)

かぎろひの線路にゆれて電車待つ★★★
風薫る赤子元気に泣き相撲★★★

4月29日(4名)

小口泰與
夕映えの影の飛び交う華鬘草★★★
ぬか雨に雨をあがれと匂鳥★★★★
毛の国の四方山美し花すみれ★★★

廣田洋一
残り僅か風を待ちたる蒲公英の絮(原句)
僅か残り風を待ちたる蒲公英の絮★★★★(正子添削)

花薊憂いは無しと揺れてをり★★★
畝立てて時を待ちをる春の畑★★★

多田有花
木々の間に見上げる藤の高さかな★★★
藤波の微動だにせず午後の陽に★★★

夏近し木々の最もいきいきと★★★★
思えば、木々が最もいきいきとしているのは、「夏近し」の頃と言ってよい。若葉から濃い緑の葉に生長し、すがすがしい風と光を受けて、のびのびと、また生き生きとしている。人も同じような気がする。(高橋正子)

桑本栄太郎
さへづりや高き梢の建仁寺★★★
春水のゆらぎきらめく高瀬川★★★

じゅりじゅりと声華やぎて燕来る★★★★
「声華やぎて」に作者の感動があって、燕が来たことの喜び、また、生き生きとした燕が詠まれている。(高橋正子)

4月28日(3名)

小口泰與
囀りて芝にふわりと雀かな★★★★
夕暮の淀みかがうや諸子釣★★★
朧夜や西郷(せご)どんの読み読めぬまま★★★

桑本栄太郎
仰のけに身を沈めたりげんげ田に★★★★
げんげ田をみれば、ふわふわの花の中に入りたい衝動に駆られる。仰向けに、大の字になって身をしずめるのもいい。げんげの花の冷たい感触も忘れがたい。(高橋正子)

夕日透き青葉若葉の入日かな★★★
うす闇の厨灯かりや暮れかぬる★★★

廣田洋一
蒲公英の領地広がる庭の隅★★★
白蒲公英黄花の領地侵しをり★★★
背高き蒲公英白く揺れにけり★★★★

4月27日(4名)

廣田洋一
によきによきと柱立つごと松の芯(原句)
「柱立つごと」で「によきによき」はわかりますので、松の芯のある情景を詠むとよいです。

青空に柱立つごと松の芯★★★(正子添削例)
園児らの声高々と緑立つ★★★★
生垣を超えし小枝の若緑★★★

小口泰與
吊橋のゆらりと浮くや水草生う★★★★
鉢の子をよくよく見たる夕餉かな★★★
はくれんのよごるるままに散りにけり★★★

桑本栄太郎
ふるさとを野辺に想うや花大根★★★
手を止めてふと思いをり春愁ふ★★★
水滴のフロントガラスに春しぐれ(原句)
水滴をフロントガラスに春しぐれ★★★(正子添削)

多田有花
窓開けてつつじを渡る風を入れ★★★
バッハ弾く日永の鍵盤ハーモニカ★★★
晩春の田に入り初めし水光る★★★★
田植えの準備がはじまる晩春は、気候の良い時だ。田を渡る風も心地よく、日の光もよく耀く。田に入る水も光り、生き生きとした水となる。それを捉えたのがいい。(高橋正子)

4月26日(3名)

小口泰與
行く春の榎夕影含みそめ★★★★
行く春という季節の移り変わりが、大木の榎が「夕影を含みそめ」に見ている。言葉では言い表しにくいことを「夕影含みそめ」の現象に見てとったところがいい。(高橋正子)

夕映えの沼や行き交うつばくらめ★★★
ウィントンのトランペットや花水木★★★

廣田洋一
復活祭ねずみのはしゃぐディズニーランド★★★
初めての乗り物試す復活祭★★★
染卵夫の好みはこの色と★★★★

桑本栄太郎
歩みゆく野辺に赤きや酸葉の穂★★★★
「あぜ道にランドセル積み」と「蝌蚪の紐」を直接つなぐのは無理があります。
ランドセル野に置き覗く蝌蚪の紐★★★(正子添削例)
雲雀野や暮れゆく嶺の茜色★★★

4月25日(4名)

小口泰與
鮎の子の遡上の行方我知らず★★★
雲脚の空を揺するや山桜★★★
毛の国の土豊かなりつばくらめ★★★★

廣田洋一
行く春の雨に打たれて木々盛ん★★★
行く春の雨水溢れ用水路★★★★
あの花もこの花も散り春の逝く★★★

多田有花
鯖カレーにスパイス少し春の雨★★★
渓流の瀬音は高く藤の花★★★★
俳句には、景色が良い句がある。この句はそれである。今、藤の花が盛りである。藤棚の藤もよいが、この藤は山に咲く藤を詠んでいて、さわやかである。私のことになるが、中学校の校歌は、「藤波の千年(ちとせ)の里は」で始まって、山には藤がたくさんあった。学校の行き帰り、よく目にしたのも懐かしい。(高橋正子)

つづら折りのぼりくだりに藤の花★★★


桑本栄太郎
余花の雨小枝戦ぎてみどり濃し★★★
ひらひらと団地華やぐ花水木★★★★
むらさきは苦労の果てか花蘇芳★★★

4月24日(3名)

小口泰與
亀鳴くや保守と革新村長選★★★
榛名嶺の雲やわらかき花蘇芳(原句)
榛名嶺の雲やわらかし花蘇芳★★★★(正子添削)
写したる今眼福のチューリップ★★★

桑本栄太郎
花水木バス発着のターミナル★★★
鳥居より赤き土手なりつつじ燃ゆ★★★
<長岡天神八条池高級料亭筍亭>
料亭の緋色水面に藤の棚★★★

廣田洋一
旅終えてゆったり汲みし新茶かな★★★★
晩春から初夏にかけて出そろう新茶。香り、佳味が珍重され、ゆっくりと気持ち爽やかに味わいたいお茶
。旅を終えてのよい時間。(高橋正子)

老い二人回転木馬や春惜しむ★★★
旅終えて海胆を肴に乾杯す★★★

4月23日(5名)

小口泰與
浅間山序破急のある雪解かな★★★
落花いまほろほろかけて行くやらん★★★
初雷をやり過ごすなり稚魚の群★★★★
「初雷」は、立春後はじめて鳴る雷のこと。春の雷。あまり激しく鳴るのではなく、一、二回鳴って、遠ざかることが多い。釣に出掛けた川で、稚魚の群れに出会い、雷が鳴ったが、稚魚は驚き散らばることもなく、雷をやり過ごした。それほどかすかな初雷である。(高橋正子)

廣田洋一
燕の巣空のままにて春惜しむ★★★★
病巣の検査漬けにて春惜しむ★★★
ディズニーシー遊び疲れて春惜しむ★★★

多田有花
晩春や山の輝き鮮やかに★★★
巣をかけし燕いそいそ飛び交いぬ★★★★
咲きかわる躑躅を愛でつ山路ゆく★★★

桑本栄太郎
竹林の木洩れ日綺羅と春日かな★★★
木香薔薇のアーチ誘うや珈琲館★★★★
木香薔薇と「珈琲館」の取り合わせが素敵だ。珈琲館に入りたくなるのは、必至の木香薔薇のアーチ。(高橋正子)
格子戸に紅の新芽や金目黐★★★

河野啓一
車椅子デイの廊下の藤の花★★★★
デイケアに出掛けた。オープン廊下なのだろうか、車椅子で藤の花をくぐることになった。藤の花の季節がうれしい。(高橋正子)

春昼の芽吹き木犀秋備え★★★
雨上がり朝陽を透かし柿若葉★★★

4月22日(5名)

廣田洋一
赤黄色帆の滑り行く薄暑かな
赤や黄の帆の滑り行く薄暑かな/★★★★(正子添削)
「赤黄色」が強すぎて「帆」のイメージが薄れるので、添削しました。
洋一さんは、湘南にお住まいなので、薄暑を思わせる日には、こうした光景がみられるのだろう。セーリングやウィンドサーフィンの色々な色の帆が海を滑る光景は見て若々しい気持ちになれる。(高橋正子)

春の海人の声かと波の音★★★
春の海かくも高きか防潮堤★★★

河野啓一
手を伸ばし幼指差すつくしんぼ★★★
モンシロチョウ緑の狭庭縫いながら★★★
柿若葉青空に透け跳躍す★★★★
柿若葉が青空へ葉をどんどんと広げて行く。若葉の色の美しさもさることながら、その勢いに感嘆する。それを思い切って「跳躍す」とした。作者の心意気でもあろう。(高橋正子)

多田有花
<県立フラワーセンター チューリップまつり三句>
チューリップ色も姿もとりどりに★★★
大小のカメラ向けられチューリップ★★★
チューリップうしろは揺れる池の波★★★★

小口泰與
口ずさむ高野の唱歌百千鳥★★★★
饒舌の鳥語さかんや花吹雪★★★
海棠や追想常に定かなる★★★

桑本栄太郎
柿畑の早やも新緑めきいたる★★★★
竹林の産みの熱とも竹の秋★★★
目蓋落つ午後や蛙の目借り時★★★

4月21日(4名)

小口泰與
上州の春鳴く鳥の鋭きや★★★★
和事やも鳥の羽うつ春の宵★★★
日輪をやおら入れたる八重桜★★★

廣田洋一
何となくこぐぶらんこや木々青し★★★★
青き空鳥の去りゆく半仙戯★★★
ママ友の声掛け合ひてぶらんこかな★★★

桑本栄太郎
青空の彼方に融けて揚ひばり★★★
ふるさとの駅舎古ぶや花は葉に★★★★
「花は葉に」は、葉桜の傍題としての季語で、葉桜を眺めながら、つい前の桜を忍ぶ思いがある。この「忍ぶ思い」が「ふるさとの駅舎古ぶ」に通じて、一句が誰もの心に共感できるものとなった。(高橋正子)

一輌のワンマンカーやつつじ燃ゆ★★★

多田有花
青空が霞桜の先に見え★★★
春の雨あがり一望播磨灘★★★
山路ゆき穀雨の汗をぬぐいけり★★★★

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自由な投句箱/4月11日~20日

2018-04-21 12:24:38 | Weblog

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今日の秀句/4月11日~20日

2018-04-21 12:24:21 | Weblog

4月20日(2句)

★楓の芽ほぐれゆくほど輝きて/多田有花
楓は小さな芽からほぐれて、若緑の美しい葉を広げるようになる。芽がつやつやと輝くものもあるが、楓は、ほぐれゆくほど輝く新緑がうつくしい。(高橋正子)

★富士を背に炭火赤々栄螺かな/廣田洋一
炭火を真っ赤に熾して焼き栄螺を楽しむ。香ばしい匂いが漂う。背景には富士の山があり、長閑な景色に美味しい栄螺。うらやましい。(高橋正子)

4月19日(1句)

★花虻の唸り声聞く異郷かな/桑本栄太郎
異郷に佇めば、耳も敏くなる。花々が咲き乱れる中、花虻が唸るような大きな羽音を立てる。春爛漫のなか暴れ者のような虻ではあるが、あたりが皆いきいきとしている証拠に思える。(高橋正子)

4月18日(2句)

★納骨す遅き桜のふるさとに/古田敬二
「遅き桜のふるさと」にすべての思いが込められている。しみじみと心に染みる句だ。(高橋正子)
納骨の墓石の傍に濃き菫★★★

★藤棚の風むらさきや昼下がり/桑本栄太郎★★★★
昼下がり、藤房が風にさらさら揺れ、風をむらさきに染めている。昼下がりの眠くなるような心静かで」明るいときが優美だ。(高橋正子)

4月17日(1句)

★青麦や利根の流れは荒れ催い/小口泰與
青麦に風が出てきたのだろうか。利根川の流れは荒れそうだ。青麦と利根川の荒れそうな流れの取り合わせ。この季節は強い風がよく吹くということでもあろう。(高橋正子)

4月16日(2句)

★ちる櫻犬の骨壷妻が抱きむ/小口泰與
可愛がってともに暮らしていた犬が桜が散る季節に亡くなった。骨壺を抱く妻は、いとし子の骨を抱くよう。桜の季節に逝ったのがせめてもの慰みと言えるだろうか。(高橋正子)

★仔馬はね光ばら撒く牧の朝/廣田洋一
春の朝の牧場がいきいきとしているのは、全身を光らせて跳ねまわる仔馬の姿。眩いばかりの牧場の朝の仔馬と作者の喜びが感じられる。(高橋正子)

4月15日(1句)

★地下を出る東西線や風光る/多田有花
東西線は東京メトロの東京・中野から千葉・西船橋の東西を走る路線。地下から地上の線路に出たときの明るさは、なにげなく嬉しいものだ。外の景色を見れば、明るい。都会の中で、「風光る」を強く感じる時だ。(高橋正子)

4月14日(2句)

★舞いもつる蝶や山風吹きにける/小口泰與
山風の荒さを蝶の舞に見た。「舞いもつる」蝶の翅が破れはしないかと思うほどの山風。虚子の句に「山風の蝶を荒しと思はずや」がある。時に蝶は激しく舞うものだ。(高橋正子)

★初蛙森の沼地に響きおり/多田有花
初蛙の声を聞くと、心がより自然へと向き、活力が湧く気持ちになる。情景がよい。(高橋正子)

4月13日(2句)

★うぐいすや朝の散歩の距離伸ばす/小口泰與
うぐいすの長閑な声。朝の散歩もつい遠くまで歩いてしまう。心も体ものびのびとなる。(高橋正子)

★風光る萌えしばかりの葉もひかる/川名ますみ
「風光る」は見えるかぎりの世界一面。萌えたばかりの葉も日に風に輝いている。すべてに風光る季節だ。(高橋正子)

4月12日(1句)

★山あいの町いちめんの桜かな/多田有花
山あいの小さな町。町はいちめんの桜に埋め尽くされた、桜花爛漫の満ちて静かな風景を見せている。(高橋正子)

4月11日(1句)

★元の華やぐ色や春ストール/廣田洋一
洋服の胸元にきれいな色のスカーフやストールをもってくると、華やかな雰囲気が漂う。擦れ違いざまに、そのきれいな色に、はっと春を感じさせられるのだ。(高橋正子)
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