◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/2月21日~2月28日

2023-02-22 16:52:50 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

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今日の秀句/2月21日~2月28日

2023-02-22 16:50:51 | Weblog
2月28日(1句)

★仰ぎ見る天の青さよ柳の芽/桑本栄太郎
つい天を仰ぎたくなる日和。青い空に柳の芽がきらきら光っているのだろう。青い天と柳の芽吹きの風景が春らしく、うららかでいい。(髙橋正子)

2月27日(1句)

★春暁の上枝に集う雀達/小口泰與
「春暁」と「上枝」に作者の気持ちが出ている。春の暁は枕草子のみならず、日本詩歌を作る者たちが心惹かれた刻。そんな刻に、木の上枝に雀たちが集っている。雀たちも春暁に心惹かれたかのようだ。(髙橋正子)

2月26日(1句)

★駆けあがる炎の音や山を焼く/廣田洋一
山焼きは、早春の晴れて風のない日を選んで火が放たれる。火の方向や、勢いを見定めて火事や危険がないようにしなけばいけない。見物の者たちはその様子を見て句にしたりする。山野と炎の織りなす行いに原初の力が見えたのではないだろうか。(髙橋正子)

2月25日(2句)

★早暁のひかり集める梅の花/友田 修
早暁、辺りに光が届き切らない時刻、梅の花はひかりを集めて輝いている。
早暁の光に輝く白梅の花はなんとも清々しい。(髙橋正子)

★チェーンソーの音響きおり春の雪/多田有花
チェーンソーは製材所から聞こえてくるのか、あるいは、山からか。どのどちらにしても、木を切っているには違いない。春の雪が降り、音も静まっているときは、いい木の香りがしてきそうだ。(髙橋正子)

2月24日(2句)

★春の湖白鳥翔てりと聞くばかり/弓削和人
この前まで白鳥がいた湖だが、今日は白鳥がいない。聞けば、白鳥はもう北へ翔ってしまった、とのこと。知らぬうち北国へ帰ってしまった淋しさとか、悔しさが滲んで伝わる。美しい句。(髙橋正子)

★水滴の連なり赤き楓の芽/桑本栄太郎
透明な水滴と赤い楓の芽が目に明らか。俳句では、物をあきらかに見ることは大切。(髙橋正子)

2月23日(1句)

★パレットの色のとりどりうららかに/小口泰與
水彩絵の具なのか、パレットにどりどりの色がある。チューブから出したままの絵具の色、混ぜて作った美しい色。濃い色、薄い色、さまざまな色に光があたって、実にうららかに見える。(髙橋正子)

2月22日(1句)

★芽柳の川風ふくみ青みけり/桑本栄太郎
「川風をふくみ」に川傍に立つ芽柳のやわらかな姿がよく分かる。その芽柳が次第に青んできて、春らしい景色となっていくのが素晴らしい。(髙橋正子)

2月21日(1句)

★池の鳥一声鳴きて柳の芽/廣田洋一
池の鳥が、ほんの一声鳴いた。池端の柳に小さな芽が見えて、小さな切っ掛けでいよいよ春が来るのだ、と言う軽い感じがいい。(髙橋正子)
コメント (9)
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2月21日~2月28日

2023-02-22 16:48:06 | Weblog
2月28日(4名)

小口泰與
餌に来る野鳥したたか春の朝★★★
雪解水沈く朽葉を流しけり★★★★
春暁の静けきものに沼の水★★★

多田有花
きさらぎやまかない真似て作りけり★★★
うらうらと古典を読むや春の宵★★★
日当たればはかなきものよ春の霜★★★

桑本栄太郎
仰ぎ見る天の青さよ柳の芽★★★★
つい天を仰ぎたくなる日和。青い空に柳の芽がきらきら光っているのだろう。青い天と柳の芽吹きの風景が春らしく、うららかでいい。(髙橋正子)

まんさくの花の噴き出す川辺かな★★★★
老いてなお花の矜持や梅真白★★★

廣田洋一
八咫烏旅人迎へ春うらら★★★
春風に注連縄揺れて那智の滝★★★★
熊野路の風に散りたる桜かな★★★

2月27日(4名)

小口泰與
猛鳥や椿に翔ける雀たち★★★
頬白の下枝秀つ枝にひょいと舞う★★★
春暁の上枝に集う雀達★★★★
「春暁」と「上枝」に作者の気持ちが出ている。春の暁は枕草子のみならず、日本詩歌を作る者たちが心惹かれた刻。そんな刻に、木の上枝に雀たちが集っている。雀たちも春暁に心惹かれたかのようだ。(髙橋正子)

多田有花
春浅き未明の天気肌で知る★★★
挽きたての珈琲の香や春早し★★★
逃げやすき二月追いかけ励みおり★★★★

桑本栄太郎
ぎらぎらと甍煌めく春の昼★★★
屈み見る花の震えや犬ふぐり★★★
橡の芽のすつくと空にぬめりけり★★★

廣田洋一
春の土整然と畝立てられて★★★★
神の池鯉の口開け水温む★★★
春の夕波平らかに七里御浜★★★

2月26日(4名)

小口泰與
逃げ込みし椿に鳥の糞数多★★★
迎春花いでし雄猫徘徊す★★★
芝の火の犬に迫りて消えにけり★★★

多田有花
ガスレンジ磨き上げたり春の昼★★★
春未明夜勤の人の戻る音★★★
春の朝広告ブロック追加する★★★

桑本栄太郎
老いて尚矜持の花や梅古木★★★
雛市の値切りかしまし老夫婦★★★
句を吟ず白衣すがたや茂吉の忌★★★

廣田洋一
雨上がり匂ひ立ちたる春の土★★★
駆けあがる炎の音や山を焼く★★★★
山焼きは、早春の晴れて風のない日を選んで火が放たれる。火の方向や、勢いを見定めて火事や危険がないようにしなけばいけない。見物の者たちはその様子を見て句にしたりする。山野と炎の織りなす行いに原初の力が見えたのではないだろうか。(髙橋正子)

山焼きや炎の熱気寄せ来たり★★★

2月25日(6名)

小口泰與
卓袱台の昭和のかの日木の芽和★★★★
早春の風に煽らる鳶一羽★★★
洋館の出窓に置かる鉢の梅★★★

友田修
陽を受けてやがて崩れる霜柱★★★
早暁のひかり集める梅の花★★★★
早咲きの花に見惚れる車窓かな★★★

廣田洋一
雨上がり土の匂ひの立ち昇り★★★
季語を入れるのが良いと思います。(髙橋正子)

通りがけ覗いてみたる雛の市★★★
春の服桃色似合ふ媼かな★★★

多田有花
チェーンソーの音響きおり春の雪★★★★

牡丹雪の向こうに日差しのぞきおり★★★
春の雪やめば明るき日の光★★★

桑本栄太郎
ぽつかりと浮かぶ綿雲春の山★★★
春雲の峰の奥より現わるる★★★
風の無き木々の梢や春がすみ★★★

弓削和人
春の夕湖に映りて紺に藍
何が映るのでしょうか。(髙橋正子)

淡雪のひらひら舞うや岩の風呂(原句)
「岩の風呂」は、意味はわかりますが普通「岩風呂」というか、「岩の湯」といいますので、一考されるのがいいと思います。「露天風呂」は「露天の風呂」ではなく「露天の湯」とするなど。(髙橋正子)

ひらひらと淡雪舞うや岩の湯に★★★★(正子添削)

春寒にてんてこまいの書類かな(原句)
「てんてこまいの書類」は、「書類がてんてこまいをしている」の意味に解釈されます。(髙橋正子)
春寒にてんてこまいよ書類積み★★★(正子添削)

2月24日(5名)

小口泰與
釣り上げし魚の鼓動や風光る★★★
四方より森湧きかえる昼蛙★★★

城塞を登り詰めたる春の霧(原句)
城塞を登り詰めたり春の霧★★★(正子添削)

廣田洋一
裏の木の風にそよぎて春めけり★★★
逆上がりようやくできて春めけり★★★
白線を新たに引きし春の土★★★

弓削和人
春の湖白鳥翔てりと聞くばかり★★★★
この前まで白鳥がいた湖だが、今日は白鳥がいない。聞けば、白鳥はもう北へ翔ってしまった、とのこと。知らぬうち北国へ帰ってしまった淋しさとか、悔しさが滲んで伝わる。美しい句。(髙橋正子)

軒ひかる雪解雫のゆたかさよ(原句)
「軒ひかる」で切れていますので、「軒ひかる」と「雪解雫のゆたかさ(よ)」の二つがテーマになっています。テーマは一つに。(髙橋正子)
軒ひかる雪解雫のゆたかさに★★★★(正子添削)

あぜ道に雪間産まれり澄みし空★★★

多田有花
<鹿肉料理専門店・無鹿リゾート>
春雨やシフォンケーキとコーヒーと★★★
<丹波市立丹波竜発掘工房二句>
首長き丹波竜を見る早春★★★
恐竜は骨格となり春の夢★★★★

桑本栄太郎
ででつぽと雉鳩鳴くや春しぐれ★★★
嶺を越え里へと春のしぐれ雲★★★
水滴の連なり赤き楓の芽★★★★
透明な水滴と赤い楓の芽が目に明らか。俳句では、物をあきらかに見ることは大切。(髙橋正子)

2月23日(3名)

小口泰與
芝中の醜草ぬくや初蛙★★★
源流に落ちし春水はや大河★★★
パレットの色のとりどりうららかに★★★★
水彩絵の具なのか、パレットにどりどりの色がある。チューブから出したままの絵具の色、混ぜて作った美しい色。濃い色、薄い色、さまざまな色に光があたって、実にうららかに見える。(髙橋正子)

廣田洋一
短くも丸々白き春大根★★★
門前の無人販売春大根★★★
橋の下鯉の口開け水温む★★★

桑本栄太郎
小雨降る里の旧家や梅屋敷★★★
三階へ着けば霞のエレベーター★★★★
夕霞む京西山となりにけり★★★

2月22日(4名)

小口泰與
足指のじんじん痛み冴返る★★★
クロッカス浅間はいまだ白きまま★★★
太巻きの甘き卵や山笑う★★★

廣田洋一
ものの芽の生気満ちたる庭の中★★★★
お帰りと声をかけたる名草の芽★★★
中州にも物の芽萌ゆる街の川★★★

多田有花
<鹿肉料理専門店・無鹿リゾート三句>
前菜は鹿肉と春の野菜かな★★★
鹿もも肉山椒味噌で焼きにけり★★★
春淡し鹿のロースのやわらかし★★★

桑本栄太郎
ベランダの鳥避けCD風光る★★★
芽柳の川風ふくみ青みけり★★★★
「川風をふくみ」に川傍に立つ芽柳のやわらかな姿がよく分かる。その芽柳が次第に青んできて、春らしい景色となっていくのが素晴らしい。(髙橋正子)

飛行機の雲の茜や春夕焼け★★★

2月21日(5名)

小口泰與
忽然と雉の鋭声や竹の丘★★★
春の雲何処に行くか利根源流★★★
いぬふぐり犬の駆け行く休耕田★★★

廣田洋一
池之端小さく揺れる柳の芽★★★
池の鳥一声鳴きて柳の芽★★★★
湯がきたるほうれん草の茎赤し★★★

多田有花
雉一声鳴けば闇の薄れ初め★★★★
<鹿肉料理専門店・無鹿リゾート二句>
春雨や鹿肉食べに丹波まで★★★
古民家でいただく春の鹿料理★★★

桑本栄太郎
降りつつも陽射し明るき春の雪★★★
吹きすさぶ風の田面や寒戻る★★★
橡の芽のぬめりきらめく風生忌★★★

弓削和人
みちのくの土の物陰やや萌えて★★★
山形にバスより降りぬ余寒かな★★★
春寒や奥羽山脈越えしいま★★★★
コメント (2)
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自由な投句箱/2月11日~2月20日

2023-02-12 17:07:41 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


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今日の秀句/2月11日~2月20日

2023-02-12 17:06:48 | Weblog
2月20日(1句)

★陽が差せば騒めき見ゆる銀杏の芽/桑本栄太郎
陰っている時はよく見えなかった銀杏の芽。陽が差すと、陽に輝いたり、陰ったままだったり、にぎやかに騒めいているように見える。「陽が差すと騒めき」の観察がいい。(髙橋正子)

2月19日(2句)

★春雪や運ばれてゆく競走馬/多田有花
運ばれてゆく競争馬が春の雪に降られ、美しい。美しいながらも運ばれてゆくさびしさがあって、深く印象に残る。(髙橋正子)

★梅花を通う人みな麗しき/弓削和人
「梅花」は少し落ち着かない表現に思える。「白梅」にしてはどうかと思うが、一考をお願いしたい。梅の花が咲いているところを通る人はみんな麗しく思えるというのだ。特に咲き初めの梅の花の清らかさが人を麗しくさせている。(髙橋正子)

2月18日(1句)

★奥山の姿を隠し春の雪/多田有花
奥山の姿は、しきりに降る春の雪でかくれてしまった。それほどまでに降る春の雪に、奥行きのある雪景色を見ることとなった。さらりとした詠みぶりが上手。(髙橋正子)

2月17日(1句)

★寄せ太鼓高くひびきて風光る/廣田洋一
寄せ太鼓が高くひびくのを聞くと、面白い事があるのだろうと、気を引かれる。ましてや日光が強くなり、吹く風もきらきらと光ると浮足立ちそうにもなる。「風光る」の季語がよく効いている。(髙橋正子)

2月16日(1句)

★新幹線星の過ぎゆく余寒かな/弓削和人
新幹線の車窓から夜空を見ていると星が次々に過ぎてゆく。車内は暖房されているだろうが、星がゆく空は冬とは違いつややかにも思えるが、「余寒」を感じてしまう。冬と春の間合いを捉えた繊細な感覚。(髙橋正子)

2月15日(2句)

★朝海にわずかな春や照る山辺/弓削和人
朝の海にわずかに春が来ている。山辺が照っていることを見ても春だとわかる。春の兆しがほんのわずかに感じられたときの心の明るさがいい。(髙橋正子)

★雪解水流れ早める街の中/廣田洋一
雪解水を集めてきた川は街中に入ると流れが速まる。「流れ速める街の中」という着眼点は俳句が得意とするところで、面白い。(髙橋正子)

2月14日(1句)

★藪つばきつやつやと葉を従えて/多田有花
つやつやとした葉に赤い藪つばきの花がくっきりと見える句。花をそれほど言っていないのに、花の印象が強い。(髙橋正子)

2月13日(1句)

★山風を身に孕ませて蓬摘む/小口泰與
赤城颪の山風か。「身に孕ませて」は、あまりに風が吹くので着ている衣類が体にぴたっと纏いつき、その身に風を孕ませたと解釈できる。(髙橋正子)

2月12日(1句)

★春ぐもりペンキ塗りたての香る/多田有花
「ペンキ塗りたて」が名詞のように使われている。つまり、「ペンキ塗りたて」という物や事態がある。うすく光がもれるような曇りかたが春ぐもり。そんな日はペンキがよく匂う。(髙橋正子)

2月11日(1句)

★春雪や雁字搦めの裏の門/小口泰與
春の雪が思わぬ時降って、裏の門はとくに人の出入りがないので、「雁字搦め」になっている。それを面白く捉えた。(髙橋正子)
コメント (6)
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