◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/9月21日~30日

2019-09-22 15:32:08 | Weblog

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
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今日の秀句/9月21日~30日

2019-09-22 15:31:20 | Weblog

9月30日(2句)

★刈られたる田の彼方には淡路島/多田有花
刈田となって、その彼方に淡路島が見える。刈田でなくても、熟田の時も見えていたのではないかと思うが、
刈田となってみて、すっきりと取り払われて、まっすぐに淡路島が見えたのだろう。すっきりとした大きな景色が快い。(高橋正子)

★園児らの競ひて拾ふ木の実降る/廣田洋一
園児たちは、どんぐりなど木の実が大好きだ。降って来る木の実拾いに、夢中になる園児たち、競うことも遊びのひとつ。可愛らしい園児たちだ。(高橋正子)

9月29日(2句)

★快晴の路地に金木犀香る/多田有花
金木犀は、快晴の日はどれほどよく匂うだろうか。路地に流れる金木犀の香に私は秋祭りのが近いことをよく思った。金木犀はまさにこの季節の花だ。(高橋正子)

★珈琲の匂い確かに月の路地/小口泰與
月の照らす路地をゆくと珈琲のいい香りが漂ってくる。月明かりと珈琲の匂いの取り合わせに頷く。(高橋正子)

9月28日(1句)

★水澄める川面に映る白き雲/廣田洋一
川の水が澄んで流れる。静かで澄んだ流れに白い雲が映っている。水の澄み具合が手に取るようにわかる。(高橋正子)

9月27日(2句)

★山宿の素風に晒す薪の山/小口泰與
山の宿は、冬場は、薪ストーブなどに薪が用意されるのだろう。秋風に晒し、良く乾かして燃えやすくする。割られたばかりの白い薪の山が目に新しい。(高橋正子)

★ピストルや今日本番の体育祭/桑本栄太郎
体育祭が行われ、本番の緊張を一番盛り上げるが、スタートの合図のピストルの音。「今本番」に臨場感がある。(高橋正子)

9月26日(2句)

★上州は山の国なり秋の鮎/小口泰與
秋の鮎を釣り上げて、釣果にその美味に、まこと上州は山の国であることを実感した。山の国である幸せ。(高橋正子)

★芋の葉のあちこち向きて茂りけり/廣田 洋一
芋の葉はよく茂り、濃い緑、一様であるかに見える。その文人趣味的な葉の形の面白さ、それがあちこち向いていて、一興がある。(高橋正子)

9月25日(2句)

★干し物を取り込み仰ぐうろこ雲/桑本栄太郎
洗濯物を取り外したあと、つい空を眺めたくなる。広い空に広がるうろこ雲。秋を代表するうろこ雲に、楽しさが
読める。(高橋正子)

★旅立ちに花と秋果を持たせたり/多田有花
死出の旅立ち。棺に花や個人の、あの世でも楽しんでくださいと愛用の品など入れる。秋果も入れたのだ。思い出の果物だったのだろう。稔りの秋の旅立ちに、充実した故人の人生が偲ばれる。(高橋正子)

9月24日(1句)

★秋草の手入れ細やか診療所/廣田洋一
診療所は、診療所の先生や奥さん、看護婦さんたちの趣味やセンスで前庭や花壇に草花が植えられて目を楽しませてくれるところが多い。この診療所もそうで、いろんな秋草が細やかに手入れされて来院者を和ませてくれる。やさしさのある診療所に違いない。(高橋正子)

9月23日(1句)

★時おりはまだ聞こえくる秋の蝉/多田有花
朝夕、すっかり涼しくなって、もう蝉も鳴かなくなったのかと思うと、そうではない。まだ、時おりは蝉の声が聞こえる。ああ、蝉がまだ生きていると思う。9月27日の今朝、私の耳に「つくつくほうし」と3回繰り返す声が届いた。(高橋正子)

9月22日(2句)

★湖風に光零して秋桜/小口泰與
湖畔に咲くコスモス。そのコスモスの花が湖からの風に、揺れて、光を零している。優しい湖畔の光景。(高橋正子)

★摂津早や煙立ち居る刈田かな/桑本栄太郎
摂津平野。稲が刈られ、ひろびろと刈田が広がる。その田から、煙が立ち上る。籾殻や屑藁を焼く煙だ。私には、晩秋の景色として脳裏に焼き付いているが、「早や」と思いたくなる。(高橋正子)

9月21日(1句)

★鳴くものの鳴かぬ朝や賢治の忌/桑本栄太郎
動物たちを作品にいろいろ登場させた宮沢賢治。賢治の忌日は9月21日。このころは、秋の虫がよく鳴くころ。烏や小鳥や猫も鳴く。そんな生き物の声がなんにも聞こえなくて、しんとしている。賢治を悼むかのようだ。(高橋正子)
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9月21日~30日

2019-09-22 15:28:41 | Weblog

9月30日(4名)

多田有花
刈られたる田の彼方には淡路島★★★★
刈田となって、その彼方に淡路島が見える。刈田でなくても、熟田の時も見えていたのではないかと思うが、
刈田となってみて、すっきりと取り払われて、まっすぐに淡路島が見えたのだろう。すっきりとした大きな景色が快い。(高橋正子)

大小の船ちりばめて秋の海★★★
六甲を仰ぐ校庭運動会★★★

小口泰與
雨後の庭天上天下虫の声★★★
榛名湖の雲のうつろう花野かな★★★★
鳥の声ここのみ日矢の花野かな★★★

廣田洋一
夕まぐれ木の実に肩を叩かれし★★★
父と子の闘志むき出し木の実独楽★★★
園児らの競ひて拾ふ木の実降る★★★★
園児たちは、どんぐりなど木の実が大好きだ。降って来る木の実拾いに、夢中になる園児たち、競うことも遊びのひとつ。可愛らしい園児たちだ。(高橋正子)

桑本栄太郎
前向きの抱つこバンドや爽やかに★★★
我想う時にわれあり彼岸花★★★
増税のセール今日まで秋愁ふ★★★

9月29日(4名)

多田有花
快晴の路地に金木犀香る★★★★
金木犀は、快晴の日はどれほどよく匂うだろうか。路地に流れる金木犀の香に私は秋祭りのが近いことをよく思った。金木犀はまさにこの季節の花だ。(高橋正子)


秋晴れの駅正面に城見えて★★★
彼岸花いずこの田をも縁取りて★★★

小口泰與
珈琲の匂い確かに月の路地★★★★
月の照らす路地をゆくと珈琲のいい香りが漂ってくる。月明かりと珈琲の匂いの取り合わせに頷く。(高橋正子)

筮竹を引くや日矢さす秋の山★★★
千年の赤城のすそ野蕎麦の花★★★

廣田洋一
富士の峰持ち上げて居る秋の雲★★★

ブラバンの音にうすうす秋の雲(原句)
ブラスバンドの音にうすうす秋の雲★★★★

ノンちゃんが飛び乗りさうな秋の雲★★★

桑本栄太郎
うつり香も連れて市バスへ金木犀★★★
大学の煉瓦校舎に秋日ざし★★★★
君想ふ愛の讃歌や曼殊沙華★★★

9月28日(4名)

小口泰與
露の世や地下道長き土合駅★★★
遠山は紺碧なるや稲雀★★★★
眠たさが襲いきたるや草の花★★★

多田有花
あぜ道に一直線に曼珠沙華★★★
河川敷より運動会の音楽★★★
雨が来る前に慌てて運動会★★★

廣田洋一
水澄める川面に映る白き雲★★★★
川の水が澄んで流れる。静かで澄んだ流れに白い雲が映っている。水の澄み具合が手に取るようにわかる。(高橋正子)

吹奏の音高々と水澄めり★★★
水澄みて泳ぎの速き魚の影★★★

桑本栄太郎
町家なる狭庭にありぬ山ぶどう★★★

編隊の翅の夕日にあきつ飛ぶ(原句)
「夕日に」の「に」一考ありです。

目覚むれば釣瓶落としの入日かな★★★

9月27日(4名)

多田有花
秋晴れに遺品の棚を解体す★★★
秋陽さす部屋で遺品を整理する★★★
捨てるもの積み上げている秋の暮★★★

廣田洋一
ナイロビの道端で焼く玉蜀黍★★★★
玉蜀黍醤油ふりかけ焼きにけり★★★
雨降らず歯抜けだらけの玉蜀黍★★★

小口泰與
山宿の素風に晒す薪の山★★★★
山の宿は、冬場は、薪ストーブなどに薪が用意されるのだろう。秋風に晒し、良く乾かして燃えやすくする。割られたばかりの白い薪の山が目に新しい。(高橋正子)

秋虹や背(せな)ふたつ行く土合駅★★★
忽然と羽音鋭き稲雀★★★

桑本栄太郎
ピストルや今日本番の体育祭★★★★
体育祭が行われ、本番の緊張を一番盛り上げるが、スタートの合図のピストルの音。「今本番」に臨場感がある。(高橋正子)

穂すすきの解け初め居り夕風に★★★
案山子立つと思う一つの農夫かな★★★

9月26日(3名)

小口泰與
流星や分校の子の都会へと★★★
上州は山の国なり秋の鮎★★★★
秋の鮎を釣り上げて、釣果にその美味に、まこと上州は山の国であることを実感した。山の国である幸せ。(高橋正子)

おちこちにどんぐり落ちる落としたり★★★

廣田 洋一
芋の葉や水玉はじきまたはじく★★★

芋の葉のあちこち向きて茂り居り(原句)
芋の葉のあちこち向きて茂りけり★★★★
芋の葉はよく茂り、濃い緑、一様であるかに見える。その文人趣味的な葉の形の面白さ、それがあちこち向いていて、一興がある。(高橋正子)

校庭に喚声上がる芋の秋★★★

桑本栄太郎
八雲忌の掘割すすむ小舟かな★★★★
秋澄むや壁打ちテニスの音高し★★★
公園の小径暮れ居りつづれさせ★★★

9月25日(3名)

小口泰與
曼珠沙華棚田を警護するごとし★★★
鰯雲上野(コウズケ)の空充しけり★★★
山峡を治むる如し秋桜★★★★

桑本栄太郎
音楽と生徒の放送うんどう会★★★
干し物を取り込み仰ぐうろこ雲★★★★
洗濯物を取り外したあと、つい空を眺めたくなる。広い空に広がるうろこ雲。秋を代表するうろこ雲に楽しさが
読める。(高橋正子)
押入れの一枚出しぬ夜寒かな★★★

多田有花
旅立ちに花と秋果を持たせたり★★★★
死出の旅立ち。棺に花や個人の、あの世でも楽しんでくださいと愛用の品など入れる。秋果も入れたのだ。思い出の果物だったのだろう。稔りの秋の旅立ちに、充実した故人の人生が偲ばれる。(高橋正子)

秋晴れや骨上げを待つ控室★★★
骨壷を包む白布や秋の声★★★

9月24日(4名)

多田有花
義兄逝けり秋分の嵐去る朝★★★
その人を連れて野分の去りにけり★★★
なにげないこと思い出す夜長かな★★★★

小口泰與
外に出づや四方八方虫の声★★★
廃屋となりし隣家や柿の秋★★★
秋桜子の秘境の渓や初紅葉★★★★

廣田洋一
線路際はためく黄色草の花★★★
地鎮祭終えし空き地に秋の草★★★
秋草の手入れ細やか診療所★★★★
診療所は、診療所の先生や奥さん、看護婦さんたちの趣味やセンスで前庭や花壇に草花が植えられて目を楽しませてくれるところが多い。この診療所もそうで、いろんな秋草が細やかに手入れされて来院者を和ませてくれる。やさしさのある診療所に違いない。(高橋正子)

桑本栄太郎
朝顔の塀に垂れ居り末枯るる★★★
とんぼうの視線ばかりが残りけり★★★★
摂津田の車窓に向う案山子かな★★★

9月23日(4名)

多田有花
ひいやりとして探しけりはおりもの★★★
時おりはまだ聞こえくる秋の蝉★★★★
朝夕、すっかり涼しくなって、もう蝉も鳴かなくなったのかと思うと、そうではない。まだ、時おりは蝉の声が聞こえる。ああ、蝉がまだ生きていると思う。(高橋正子)

窓をうつ野分の音に目覚めおり★★★

小口泰與
畦に沿ひ棚田の田ごと曼珠沙華★★★★
跡継ぎの無きまま葡萄採らずまま★★★
紺碧の今朝の赤城や早稲の波★★★

廣田洋一
遺影ごとに酒かおはぎや秋分の日★★★
秋分の草々揺らすやはき風★★★★
秋分や風の渦巻く西の空★★★

桑本栄太郎
秋冷や哀しき夢に目覚めたり★★★
アパートの軒に極まる稲田かな★★★
土手蔽い葛の花咲く川辺かな★★★

9月22日(4名)

多田有花
秋の昼母大量に買物を★★★
報せ待つ秋の彼岸の座敷かな★★★
身に入むや初めて会いし日を思う★★★

小口泰與
灯のゆるる石段の街星月夜★★★
集いきてマーキングせる秋の蝶★★★
湖風に光零して秋桜★★★★
湖畔に咲くコスモス。そのコスモスの花が湖からの風に、揺れて、光を零している。優しい湖畔の光景。(高橋正子)

廣田洋一
生垣に花一つもなき秋彼岸★★★
墓苑の中車渋滞秋彼岸★★★
秋彼岸いつもの店のおはぎ買ふ★★★

桑本栄太郎
とんぼうの肩に帽子に慕い来ぬ★★★★
との曇る空の重きや台風来る★★★
摂津早や煙立ち居る刈田かな★★★★
摂津平野。稲が刈られ、ひろびろと刈田が広がる。その田から、煙が立ち上る。籾殻や屑藁を焼く煙だ。私には、晩秋の景色として脳裏に焼き付いているが、「早や」と思いたくなる。(高橋正子)

9月21日(4名)

小口泰與
ちょこなんと妻の帽子へ赤蜻蛉★★★
盆栽の針金掛けや律の風★★★
夕月や奇岩浮き立つ妙義山★★★★

多田有花
秋うらら手延素麺揖保乃糸★★★
嵐接近運動会を蹴散らしぬ★★★
秋冷に突然出会う朝かな★★★

桑本栄太郎
鳴くものの鳴かぬ朝や賢治の忌★★★★
動物たちを作品にいろいろ登場させた宮沢賢治。賢治の忌日は9月21日。このころは、秋の虫がよく鳴くころ。烏や小鳥や猫も鳴く。そんな生き物の声がなんにも聞こえなくて、しんとしている。賢治を悼むかのようだ。(高橋正子)

嶺の端の暮れて茜や赤とんぼ★★★
ごみ出しの路地に鳴きをりつづれさせ★★★

廣田洋一
秋風や雲一つ無き富士の山★★★
秋風や過ぎ来し方を振り返り★★★
新築の門扉にふれし秋の風★★★★
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自由な投句箱/9月11日~20日

2019-09-12 11:32:53 | Weblog

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今日の秀句/9月11日~20日

2019-09-12 11:31:11 | Weblog

9月18日(2句)

★鰯雲夜空いっぱい泳ぎおり/多田有花
夜空にも雲の色が見えることがある。この日、鰯雲が夜空いっぱいに泳いでいた。ま昼間の続きの夜空の鰯雲。こんな光景を眺めて楽しくなる。(高橋正子)

★刈り残す畦の供花とや彼岸花/桑本栄太郎
畦草を刈りとるとき、彼岸花が刈り残された。畦の供花であるかのように。このように彼岸花を大切に思って詠んだ句は珍しい。(高橋正子)

9月17日(2句)

★雲いまだ生まれておらず秋高し/多田有花
秋の快晴の空だけを詠んだ句。雲が生きもののように思われていて、雲への親しみがある。ひとかけらの雲があってもよさほうだが、まだ生まれていないのだ。(高橋正子)

★すつきりと風の抜け行く刈田かな/桑本栄太郎
刈田となって、なににも邪魔されずに、田を風が抜けて行く。「すっきりと」が気持ちよい。(高橋正子)

9月16日(1句)

★さやけしや銀輪列の女子高生/桑本栄太郎
女子高生の数人が列をなして自転車の車輪を光らせて、銀輪を光らせて、走って来る。季節も爽やかだが、青春ただなかのういういしい女子高生の姿こそが爽やかなのだ。(高橋正子)

9月15日(1句)

★十五夜の明けて雲なき快晴に/多田有花
きれいな十五夜が明けて、翌日は、雲のひとつもない快晴の天気に恵まれた。きのうの十五夜の続きの空が、こんなにもきれいな快晴になるとは、まだ気持ちのなかには十五夜の月が残っている。(高橋正子)

9月14日(2句)

★コスモスの露天風呂へとなだれ咲く/小口泰與
露天風呂の傍にコスモスが咲き、露天風呂へと雪崩れている。コスモスに囲まれた湯は柔らかい湯であろうと思う。(高橋正子)

★まっすぐな道の両側豊の秋/多田有花
稲田の中にまっすぐな道が通るのは、そこが広い田である必要がある。そのことから、広い稔り田が道の両脇に広がる風景が想像できる。豊かに稲が実り、豊の秋が肌に触れて感じられるような句だ。(高橋正子)

9月13日(1句)

★驚きぬ苅田の鳶の大きさに/多田有花
高く輪を描きながら滑空する鳶はよく目にする。鎌倉あたりに行くと鳶の多さに驚き、たまに、下りてきているが、羽ばたきをしようものなら、少し怖いくらいの大きさになる。苅田に下りた鳶のまさかの大きさに驚いたことだ。(高橋正子)

9月12日(2句)

★赤々と鶏頭燃えている畑/多田有花
鶏頭が燃えているのが、庭や花壇ではなく、畑というのが面白い。農家では、花壇を特に作らず、畑の隅に咲かせているのをたまに見かける。鶏頭を咲かせた人の健康的な「花こころ」とでも言うものが偲ばれてゆかしい。(高橋正子)

★渚にて白き石踏む秋の潮/廣田洋一
秋はしらしらと淋しく、白がよく似合う。秋の潮が打ち返す渚を歩き、きれいに洗われた白い石を踏む。
心持も、秋潮に踏む白い石の感覚に似通う。(高橋正子)

9月11日(2句)

★水の秋大歩危小歩危巡る旅/廣田洋一
大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)は、2億年の時を経て四国山地を横切る吉野川の激流によって創られた約8kmにわたる渓谷。吉野川の中流にあたるが、流れの水は、渓谷の美しさを引き立てて、「水の秋」が堪能できる。(高橋正子)

★快晴にまず刈られたる田一枚/多田有花
稲にいつ鎌を入れるかは、経験による判断が必要なのだろう。快晴の日、まだ葉に緑が残る田が一枚刈られた。手始めの、田が刈られ、いよいよ稲刈りの季節だ。(高橋正子)
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