◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/2月21日~2月29日

2024-02-22 09:53:16 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
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今日の秀句/2月21日~2月20日

2024-02-22 09:51:50 | Weblog
2月29日(1句)

★春北風や赤く染まりし西の空/廣田洋一
春北風が塵を吹き飛ばすように強く吹いた日は、西空は澄んだ薔薇色の夕焼けを見せてくれる。北風ながら、春は春のうれしさがある。(髙橋正子)

2月28日(1句)

★田道行き異国語めきぬ揚ひばり/桑本栄太郎
田道をゆくと雲雀が空高く揚がり、声を落としている。しばらく聞いて耳に馴染んでくると、人の言葉のように聞こえる。しかし、その言葉は異国語。何をはなしているんだろうか。(髙橋正子)

2月27日(1句)

★友よりの句集着きたる日永かな/桑本栄太郎
立春から少しずつ伸びた日に、日中は心持のびやかになる。そんな日を日永という。友から届いた句集を、ゆっくりと読むたのしみができた。(髙橋正子)

2月26日(2句)

★頂に春の陽あまりにありにけり/多田有花
低山の山の頂だろう。頂には木々がなく、芒や丈のひくい草が育っているようなところが多い。春の陽も山頂は山頂だけあって、陽がよく当たる。「あまりにありけり」というほど。しばらくは瞑目したいような頂きだ。(髙橋正子)

★桟橋にひろがる紺や光る風/弓削和人
湖や海へ突き出た桟橋に立つと、紺色の水がさざ波立ち、きらきらと風が光る。明るく、生きることの嬉しさが感じられる句だ。(髙橋正子)

2月25日(1句)

★理髪店出づや春の日強かりき/小口泰與
理髪店で髪をさっぱり刈ってもらって外に出ると、春の日は空高く昇って、強い光を投げかけている。理髪店の内と戸外の明るさの違いが際立つ。陽の光の強さを一番に感じる時だ。(髙橋正子)

2月24日(2句)

★グーの手を突き出すかたち木瓜蕾/川名ますみ
木瓜の丸い蕾は、葉に先駆けて、棒のような茎に「グーの手」のように膨らむ。丸みのある花びらの可愛らしさもと「グーの手」のようなたくましさがある。「グーの手」は俳句ではめずらしい。言葉を生かすも殺すも作者の心。(髙橋正子)

★囀や拭き忘れたる窓ぼこり/弓削和人
雪で閉ざされていた家も雪が解け、春が来ると小鳥の明るく和やかな囀が聞こえる。春が来たばかりの窓にうっすらほこりがある。これも春らしい。さりげない詠みぶりが上手い。囀は、小鳥の地鳴きは指さず、繁殖期の鳥の雄の縄張り宣言と雌への呼びかけを兼ねた鳴き声を指している。(髙橋正子)

2月23日(1句)

★奥利根の崖を削りて雪解水/小口泰與
日本の一級河川で、群馬県大水上山を水源に、流域面積日本一を誇る利根川は、下流にいくと堂々と平らかに流れ、千葉県の銚子沖に注ぐ。水上を中心とする奥利根では、利根川は川幅も狭く、水は崖にあたりながらも、澄みつつ流れる。雪解けの季節になると、崖を削り、勢いを増し、雄々しく流れる川は圧巻である。(髙橋正子)

2月22日(1句)

★木々の枝の潤み色なす芽ぐみかな/桑本栄太郎
「潤み色なす」から、葉が萌え出す季節にむかって、木々が準備を整えている様子がわかる。小さな芽ぐみが愛おしい。(髙橋正子)

2月21日(1句)

★今朝の川春翡翠も上流へ/小口泰與
翡翠が上流へ移動する意味がよくわからないが、川の上流といのは、石が多かったり、流れが急であったり、変化に富んでいるように思う。川の中流あたりへでかけたが、翡翠が見つからなくて、上流へ移動したのか、と思う。(髙橋正子)
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2月21日~2月29日

2024-02-22 09:47:49 | Weblog
2月29日(4名)

弓削和人
朝まだき窓辺に透きぬ残る雪★★★
クロッカス奏で始むるジャズピアノ★★★
観梅や白赤なべて日に照らる〈修正後〉
観梅や白赤なべて日に照れる(正子添削)

小口泰與
山風に沼の歪むや烏の巣★★★
大木の周りの雪間おちこちに★★★
この道を行くや春の日桃源郷★★★

桑本栄太郎
うるう年の四年後在りや二月尽★★★
肩ゆすり歩む鴉や冴返る★★★
抽斗のセーター又も凍て返る★★★

廣田洋一
自転車をばたばた倒し春疾風★★★
春北風や赤く染まりし西の空★★★★
春北風や急ぎて廻る風見鶏 ★★★

2月28日(4名)

弓削和人
赤錆の門開くなり土筆んぼう★★★★
若草の匂いの輪過ぐ畑の隈★★★
春燈を道しるべとす松の風★★★

廣田洋一
風強し梅の花弁舞ひ散りぬ★★★
野の花の大きく揺れて春疾風★★★
囀りや時々混じる高き声★★★

小口泰與
春なれや鳥の和事の瞬時なる★★★
春の雲何処まで流れ行くやらん★★★
出でし雛足踏ん張りて呼吸せり★★★

桑本栄太郎
田道行き異国語めきぬ揚ひばり★★★★
土手上の芝にことりと落つばき★★★
春北風やどんどん走る放れ雲★★★

2月27日(3名)

小口泰與
大試験山家に魚籠の吊られ居り★★★
山峡の沼にただよう春の鴨★★★
山の辺の沼に野鳥や春の風★★★

多田有花
トランペットの明るき音色春の日に★★★
川べりに紅白梅の咲きそろい★★★★
観梅の人のちらほら晴れし午後★★★

桑本栄太郎
春北風や団地の角の悲鳴上げ★★★
友よりの句集着きたる日永かな★★★★
燦々と団地明るき遅日かな★★★

2月26日(4名)

小口泰與
鳥鳴くやはるか雪解の浅間山★★★
山間の湯宿の辛夷咲きにける★★★
眼間の浅間雪解や鳥の声★★★

多田有花
春の午後細かき雨の降り続く★★★
頂に春の陽あまりにありにけり★★★★
心地よく乾きぬ春風に干せば★★★★

桑本栄太郎
春寒の風に帽子を押さえ行く★★★
春寒し雲の切れ間の蒼き空★★★
からころと竹林奏で余寒風★★★

弓削和人
春寒しぬかるむ土手を踏み分けて★★★
桟橋にひろがる紺や光る風★★★★
冴え返る日にぞ欲する母の声★★★

2月25日(3名)

小口泰與
理髪店出づや春の日強かりき★★★★
紅梅や榛名の天の根し雲★★★
パソコンの流れ定かや春の暮★★★

廣田洋一
雛段や友の折りたる紙雛★★★
冴え返る天を覆ひし厚き雲★★★
行儀よく空を見上げる菫かな★★★★

桑本栄太郎
春睡の目覚めて想う君のこと★★★
雨に濡れぼたりと落つる椿かな★★★
雨雲の峡駆けのぼる春の雨★★★

2月24日(5名)

小口泰與
林には数多の鳥や春の朝★★★
餌めぐり争う群れや河原鶸★★★
水底の小石定かの余寒かな★★★

桑本栄太郎
青空にぽつぽつ躍る木の芽晴★★★
春寒の風のいたずら帽子飛ぶ★★★
不器男の雲の奔りぬあおぞらに★★★

多田有花
病む人の数多ありけり春の雨★★★
春寒の空へそびえる姫路城★★★
満月に薄雲のあり春寒し★★★

川名ますみ
木瓜の芽の尖り蕾はまん丸に★★★
まるき葉にまるき花びら木瓜咲きぬ★★★

グーの手で木瓜の蕾を真似てみる(原句)
グーの手を突き出すかたち木瓜蕾(正子添削)

弓削和人
囀や拭き忘れたる窓ぼこり★★★★
春雪の積もらぬようにやわらかに★★★
みちのくの冴返る日に発ちにけり ★★★

2月23日(3名)
小口泰與
落椿水あふれ出す雨後の池★★★

奥利根の崖を削りし雪解水(原句)
奥利根の崖を削りて雪解水(正子添削)

耳襲ひ指を襲ひて冴返る★★★

廣田洋一
軒下の光る水滴冴え返る★★★
春雨の上がりさうなる空模様★★★
止みたると思へばまたも春の雨★★★

桑本栄太郎
冴返る妻は毛染めに出掛け居り★★★
雨雲の峡駆けのぼり寒戻る★★★
獺祭る乙訓郡の小川かな★★★

2月22日(4名)

小口泰與
麦萌ゆや赤城根つこし晴れやかに★★★
夕暮れの天にやすらふ花の兄★★★
庭先や向き向き変へて梅の花★★★

廣田洋一
春泥を後に飛ばす自転車かな★★★
公園の苗木養生春の土★★★
春泥をよけつつ巡る法の池★★★

弓削和人
梅日和いつもの刻の足任せ★★★
軒の陽や雪解の雫溜め落ちて★★★
啓蟄を吸いたる犬は駆けにけり★★★

桑本栄太郎
春寒の風吹く中を塵出しに★★★
老いてなお母懐かしき母子草★★★
木々の枝の潤み色なす芽ぐみかな★★★★

2月21日(4名)

小口泰與
今朝の川春翡翠も上流へ★★★★
冴返るやがて夜汽車の別れにて★★★
落椿青空に舞う二羽の鳥★★★

多田有花
山の色かくし近づく春しぐれ★★★★
雨水の朝細かな雨に明けにけり★★★
二月には珍し雨の続きおり★★★

桑本栄太郎
春雨や急ぎ買い行く目玉品★★★
紅梅の雨にしとどや丘の上★★★
実を想い苗木を買いぬ風生忌★★★

廣田洋一
子と孫が序幕をしたり母の句碑★★★
雨降りて波平らかに春の海★★★
九十四の誕生日祝ぐ梅の花★★★
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自由な投句箱/2月11日~2月20日

2024-02-11 20:32:09 | Weblog
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今日の秀句/2月11日~2月20日

2024-02-11 20:31:10 | Weblog
2月20日(2句)

★青空へ明かりゆらゆら花ミモザ/廣田洋一
ミモザの花の明るさを「明かり」と捉えて詠んだ句。「ゆらゆら」がミモザの咲く枝をよく思わせてくれる。(髙橋正子)

★残る雪遠くの雲と同じ色/弓削和人
遥かな雲と、残る雪をつなげて思うのは、詩人。いい句だと思う。(髙橋正子)

2月19日(1句)

★堰落ちる水音軽し春の川/廣田洋一
堰を落ちる水の音が軽い。さらさらと心地よさそうに流れる水の音を聞くのは心楽しい。川の水量は雨や雪の降りかたによって変わるので、季節の変化があらわれて来る。(髙橋正子)

2月18日(1句)

★いにしえの四天王寺の春そこに/多田有花
調べると、四天王寺は1400年ほど前の推古天皇元年(593)に聖徳太子が四天王を祀るために建立し、伽藍の形式は中門から講堂まで一直線でそれを囲む回廊が周りにある日本で最も古い建築様式をもつ寺であるという。いずれにしても、「いにしえ」の寺なのだ。その寺にも春はそこに来ているという。「いにしえ」を思うだけで、大らかな春が想像される。(髙橋正子)

2月17日(1句)

★湖の面に夕日まだあり帰る雁/小口泰與
「帰る雁」は、春になって北へ帰る雁のこと。鳴きかわす声には悲哀の情がある。湖に水面には沈みかけた夕日の光がまだ残っている。帰る雁の背景とし詠まれている。(髙橋正子)

2月16日(1句)

★野放図と云うは畑の野梅かな/桑本栄太郎
庭や梅園の梅は、選定されて木の形が整っているが、畑の梅は野放図というほど、枝が奔放に伸びている。それが野梅の風情。(髙橋正子)

2月15日
※該当句無し

2月14日
※該当句無し

2月13日(2句)

★金色の花蕊光りクロッカス/廣田洋一
「金色の花蕊」がローマン的で、感性が若い。生き生きとしたクロッカスの可愛らしさがでている。(髙橋正子)

★あおぞらの尾根くつきりと春の山/桑本栄太郎
春の山はやさしく、なだらかな印象をもつが、背景に青空があると、霞もなく、尾根がくっきりとしている。それだけ日が麗らかということ。(髙橋正子)

2月12日(1句)

★野を焼くや飛行場への道すがら/廣田洋一
これから飛行機で旅に出かけるようだ。飛行場への道すがら、野焼きをしているのを見た。バスの窓から野焼きをする早春の季節を思い、旅への期待が膨らんでいる。(髙橋正子)

2月11日(1句)

★水鏡して雪の木立の今朝の色/小口泰與
雪を冠った木立が水鏡に映っている。その静寂。その色は、夕べと違う今朝の色。どんな色なんだろう。静寂に息を与えるようなしずかな明るさが絵画のようだ。(髙橋正子)
コメント (9)
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