◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/5月21日~31日

2019-05-27 10:20:09 | Weblog

※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
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今日の秀句/5月21日~31日

2019-05-27 10:19:14 | Weblog

5月31日(1句)

<小田原城>
★噴水や令和を祝う幟あり/多田有花
令和となったことを祝う幟が立てられた小田原城。令和の祝いに幟とはお城らしい。噴水も上がって、新元号がさわやかだ。(高橋正子)

5月30日(1句)

★登山電車スイッチバックの山若葉/多田有花
箱根の登山電車はスイッチバックで山を登る。従って山が若葉となれば、若葉が存分に楽しめる。行きつ戻りつ上る箱根の山は楽しからずや。(高橋正子)

5月29日(3句)

★天清和むけば真白き黒たまご/多田有花
箱根の大涌谷の黒たまごであるが、むけば、普通のたまごと変わらず白い。黒から真っ白になる不思議さ。その鮮やかさは、「天清和」である。(高橋正子)

★公園の青葉の中の子らの声/廣田洋一
公園は、青葉が覆うように茂る。その青葉から、子どもらの元気な声が聞こえる。すこやかな思いだ。(高橋正子)

★青蘆の水面見えざる壁なす丈/桑本栄太郎
青蘆は壁をなすほどの丈をなって、春先にはみえていた水面はすっかり見えなくなった。青蘆の勢いは、目を見張るものがある。豊葦原の国。(高橋正子)

5月28日(2句)

★ロープウェイ若葉の谷を越えてゆく/多田有花
若葉が湧き上がるような谷をロープウェイで超えてゆく。下を見ると少し怖い気もするが、若葉をこえるのだから、気分はよいものだ。(高橋正子)

★日を浴びて色透き通る立葵/廣田洋一
立葵のひらひらとした花びらは、日を浴びると、色が透ける。透明感のある色彩が夏の日をすずやかにしてくれる。(高橋正子)

5月27日(4句)

★郭公や牧の朝餉は山羊の乳/小口泰與
郭公、山羊の乳、牧の朝と牧歌的な句材が揃っている。たのしく、のどかな句だ。(高橋正子)

★熱帯魚シャンパングラス傾ける/多田有花
熱帯魚とシャンパングラスの取り合わせが、洒落ていて、とても涼しそうだ。(高橋正子)

★知覧新茶兵も飲みしか三角兵舎/廣田洋一
鹿児島は南だけあって、新茶も真っ先に。知覧の兵たちも新茶を飲んで出撃したのか。そう思うと、知覧の新茶が意味深く喉を通る。そういえば、わが家は、震災後、普段は、知覧のお茶になっている。(高橋正子)

★鴨川の風に張りたりよしず茶屋/桑本栄太郎

5月26日(3句)

★鮎釣や赤城は蒼く明けにける/小口泰與
「鮎釣」と「蒼く明けにける」が夏の朝の冷たいほどの涼しさを想像させてくれる。(高橋正子)

★来てみれば今日は実もあり花蜜柑/桑本栄太郎
蜜柑の花を毎日のように見に来ているのだろう。今日来てみれば実がついているものがある。驚きである。それだけ季節が進んだこと。(高橋正子)

★知覧の里赤く輝く桜の実/廣田洋一
知覧といえば特攻基地。若くして、幼顔も残っていただろう、特攻兵たちを思い出させる桜の実である。(高橋正子)

5月25日(2句)

★桜島煙も上げず若葉風/廣田洋一
桜島。今日は噴煙をあげていない。若葉風に安らうような桜島である。(高橋正子)

★夏きざす舟運びたるトラックに/桑本栄太郎
舟は川下りの舟だろう。トラックに載せられた舟は人目を引いてしまう。それを目にした人は、いよいよ夏だ、川下りを楽しむ夏が来たのだ、と思う。(高橋正子)

5月24日(2句)

★山菜をのせし穴子の身の白し/多田有花
穴子は、鮨では、タレがつけられ、白い身で供されるのは珍しい。鮨ではないのだろう。白い身に山菜の緑が野趣味ゆたかに載せられている。涼しそうな夏料理である。(高橋雅子)

★夕風の匂う川辺や花樗/桑本栄太郎
樗の花ははかない薄紫。夕風が吹けば夕べのうすくらさに紛れてしまいそうな花。やさしい思いにさせてくれる。(高橋正子)

5月23日(1句)

★激流へカヌー競技の学生等/小口泰與
カヌー競技の学生の勇ましさ。激流をものともせず挑む若々しさが眩しい。(高橋正子)

5月22日(2句)

★水打って横丁の灯のつきにける/小口泰與
隣り合って家々の並ぶ横丁。夕方の打ち水に横丁に涼風が抜け、灯がつき始める。懐かしい思いになる句だ。(高橋正子)

★草刈のエンジン高く目覚めけり/桑本栄太郎
草刈りの作業は早朝に始まる。草刈り機の高いエンジンの音で目が覚めてしまった。さわやかな朝である。(高橋正子)

5月21日(1句)

★芦ノ湖の遊覧船に若葉雨/多田有花
緑の山に囲まれた芦ノ湖を遊覧船が周遊する。折しもの雨は若葉雨。雨もたのしく若葉と湖を楽しめた。(高橋雅正子)

コメント (2)
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5月21日~31日

2019-05-27 10:18:00 | Weblog

5月31日(4名)

多田有花
<小田原城三句>
カラー咲く報徳神社の金次郎★★★
噴水や令和を祝う幟あり★★★★
蓮の葉が濠埋めている小田原城★★★

廣田洋一
雨上がり軽々引きし庭の土(原句)
雨上がり軽々引きし庭の草★★★★(正子添削)
強き日に帽子かぶりて草むしり★★★
草ひきて戸惑ひ走るだんご虫★★★

小口泰與
渓流の岸辺の淀み黒揚羽★★★★
あかあかと日は天上や一夜酒★★★
一夜にて蟻の門渡り草野球★★★

桑本栄太郎
木洩れ日の風誘い居り若楓★★★
紅白の薔薇の風吹く窓辺かな★★★
蜘蛛の囲の大樹の空に浮かびけり★★★★

5月30日(4名)

小口泰與
沼の面へ朝日差しけり時鳥★★★
上州は鶴舞うかたち麦の波★★★
若竹や湖の白波育ちける★★★

多田有花
<箱根登山鉄道三句>
登山電車スイッチバックの山若葉★★★★
新緑の鉄橋出山信号場★★★
トンネルの闇を抜ければ新樹光★★★

廣田洋一
蟻の列辿れる先に虫の骸★★★
何事か教へ合ひける蟻の道★★★★
いつの間に出口増えたり蟻の道★★★

桑本栄太郎
昇り来る朝のつぼみや立葵★★★
壁となり水面見えざり蘆茂る(原句)
壁となり水面見せざり蘆茂る★★★★(正子添削)
青蘆や手網を持ちたる子等の声★★★

5月29日(4名)

多田有花
<箱根三句>
天清和むけば真白き黒たまご★★★★
新緑をケーブルカーがすれ違う★★★
身をよじり電車夏めく山をゆく★★★

小口泰與
葭切や利根川(とね)はゆったり地を這いし★★★
仏壇へ朝の勤めや日日草★★★★
早う行け三光鳥の声の森★★★

廣田洋一
そよそよと青葉奏でる風の詩★★★
公園の青葉の中の子らの声★★★★
バスを待つ子らに優しく青葉風★★★

桑本栄太郎
川べりの地道歩むや草いきれ★★★

青蘆の水面見えざる壁の丈(原句)
青蘆の水面見えざる壁なす丈★★★★(正子添削)

多佳子忌の男子厨房入り浸し★★★

5月28日(3名)

小口泰與
青葉木寃ボート漕ぎ出づ若人等★★★
花寺と呼ばれし寺や九輪草★★★★
老鶯や渓流釣の人まれに★★★

多田有花
<箱根三句>
ゆったりと過ごす若葉の宿の朝★★★
ロープウェイ若葉の谷を越えてゆく★★★★
大涌谷噴気盛んに聖五月★★★

廣田洋一
日を浴びて色透き通る立葵★★★★
日を仰ぎ咲き登りたる立葵★★★
咲き上る葵の花や梅雨未だ★★★

5月27日(4名)

小口泰與
白樺の綾なす木木や閑古鳥★★★
郭公や牧の朝餉は山羊の乳★★★★
煙立つ朝の山小屋青葉木寃★★★

多田有花
<箱根吟遊三句>
熱帯魚シャンパングラス傾ける★★★★
快晴の五月の朝の露天風呂★★★
朝食にまた舌鼓窓若葉★★★

廣田洋一
妹に宛てし特攻遺書や若葉風★★★
知覧新茶兵も飲みしか三角兵舎★★★★
開聞岳越えて特攻桜の実★★★

桑本栄太郎
鴨川の風に張りたりよしず茶屋★★★★
せせらぎの涼風生るる高瀬川★★★
めまとひを払い歩める川辺かな★★★

5月26日(4名)

小口泰與
鮎釣や赤城は蒼く明けにける★★★★
ほととぎす鳴きなき飛ぶよ白駒湖★★★
鳴き競う八千穂の里の時鳥★★★

多田有花
<箱根吟遊三句>
相州牛焼いて地ビールもう一杯★★★
はつ夏のかやく御飯に熱きお茶★★★
笑顔にて締める五月の懐石を★★★

桑本栄太郎
来てみれば今日は実もあり花蜜柑★★★★
つる薔薇の赤き垣根や図書館に★★★
夕風や垣根に暗く鉄線咲く★★★

廣田洋一
特攻の母麗しき五月風★★★
口惜しやあたら散りたる知覧の桜★★★
知覧の里赤く輝く桜の実★★★★

5月25日(4名)

多田有花
<箱根吟遊三句>
山菜をのせし穴子の身の白し★★★★
伊勢海老のゆるり出てくる夏料理★★★
箸休め黒ごま豆富の冷奴★★★

※24日の投稿と同じです。

小口泰與
短夜や飲み屋横丁遠まわり★★★
葉の上に我が物顔の雨蛙★★★
はんざきや大正ロマン知りたるか★★★

廣田洋一
桜島煙も上げず若葉風★★★★
紫陽花の白き手鞠や池の端★★★
夏空に示現流稽古の乙女かな★★★

桑本栄太郎
信号を待つて片蔭欲しかりき★★★
夏きざす避けてよけても日差しかな★★★
<保津川下りの舟運び>
夏きざす舟運びたるトラックに★★★★

5月24日(4名)

多田有花
<箱根吟遊三句>
山菜をのせし穴子の身の白し★★★★
伊勢海老のゆるり出てくる夏料理★★★
箸休め黒ごま豆富の冷奴★★★

廣田洋一
白さつき一片赤く咲きにけり★★★
白さつき庭の明るさ増しにけり★★★★
道の端夜目にも白きさつきかな★★★

小口泰與
回廊を素足になりて歩みたし★★★
広縁の端居に居れる傘寿かな★★★
釣厭きて石を枕の昼寝かな★★★

桑本栄太郎
真夏日の犬の舌垂れ散歩かな★★★
下校子のすぐに取りつくたはら茱萸★★★
夕風の匂う川辺や花樗★★★★

5月23日(4名)

多田有花
<箱根吟遊三句>
新緑の箱根連山望む宿★★★★
山若葉近しく個室露天風呂★★★
風呂あがりのベリージュースや夏の宵★★★

小口泰與
膏薬を貼りたる妻の袋掛★★★
激流へカヌー競技の学生等★★★★
千曲川(ちくま)へと天守台より草矢かな★★★

廣田洋一
クーラーのフィルター掃除厨かな★★★
サバンナにライオン探し冷房車★★★
昼寝時クーラー止めて一人なり★★★

桑本栄太郎
蚯蚓出で干乾びいたる舗道かな★★★
川べりの地道歩めり草いきれ★★★
栴檀の花の憂いや夕風に★★★

5月22日(4名)

廣田洋一
省エネの机に立てし団扇かな★★★
旅先の風蘇る団扇の絵★★★★
縁の字の団扇貰ひて結ぶ縁★★★

小口泰與
麦刈りて赤城鍋割山(なべわり)くっきりと★★★
水打って横丁の灯のつきにける★★★★
柿若葉異国の人の働き場★★★

多田有花
<箱根三句>
濡れそぼつ箱根神社のしゃがの花★★★
芦ノ湖のほとり石楠花雨受けて★★★
皐月咲く駅伝コース終着点★★★

桑本栄太郎
草刈のエンジン高く目覚めけり★★★★
子すずめの降り立ち低き飛翔かな★★★
乙女等のうつむきながら栗の花★★★

5月21日(4名)

多田有花
<箱根三句>
大甕に薔薇活け箱根老舗蕎麦(原句)
大甕に薔薇活け箱根の老舗蕎麦屋★★★(正子添削)
夏浅し箱根湯本に蕎麦を食ぶ★★★
芦ノ湖の遊覧船に若葉雨★★★★

小口泰與
後架へも蟻の出入りや松の風★★★
一分の踵落としや緑さす★★★
雲の峰かんかん石の音色かな★★★
かんかん石=サヌカイト

廣田洋一
青芝をざっくり抉る五番アイアン★★★

青芝にごろ寝をしたる昼の月(原句)
青芝にごろ寝をしたり昼の月★★★(正子添削)
「昼寝をしたる」は、「昼寝」を修飾することになります。そこに、切れをいれてください。

青芝に伏して開きし万葉集★★★


桑本栄太郎
緑蔭の風を抜け居り散歩道★★★
主語があいまいです。
緑陰の風を抜け行く散歩道★★★(正子添削①)
緑陰を風が抜けたり散歩道(正子添削②)

弁慶と想う頭巾や山法師★★★
夏茱萸や想い出遠き母の胸★★★

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自由な投句箱/5月11日~20日

2019-05-12 15:31:12 | Weblog

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今日の秀句/5月11日~20日

2019-05-12 15:30:18 | Weblog

5月20日(2句)

★薔薇満開洗濯物のはためきし/廣田洋一
薔薇が満開。洗濯物をはためかす風が満開の薔薇も吹き上げる。華やかながら清潔感のある生活句。(高橋正子)

★一頻り下校児童や麦嵐/桑本栄太郎
下校の児童たちが帰る。それが一頻り続いて、麦をさわやかな風が吹く。麦嵐の中を帰る下校の児童を児童書を読むような気持で見ることができる句だ。麦嵐は、嵐とはいっても、秋の台風のような嵐ではなく、麦の収穫を祝福してくれるさわやかで心地よい風である。(高橋正子)

5月19日(2句)

★真青なる空より採りしさくらんぼ/廣田洋一
さくらんぼのかわいらしさが真青なる空で引き立てられて、シンプルな句になっている。(高橋正子)

★頂やぽっかり五月の空の下/多田有花
山の頂に座ると、五月の空がぽっかりと包んでくれる。眼下の方にも空が伸びている感じだ。こんな空に包まれてみたい。(高橋正子)

5月18日(1句)

★百合の木に百合の花咲く薄暑かな/桑本栄太郎
「百合の木に百合の花咲く」のは、なんの不思議もない。チューリップ型の百合の木の花を見上げるころは、薄暑なのだ。当たり前ながら不思議な取り合わせ。(高橋正子)

5月17日(2句)

★嬬恋の棚田へ水と水馬/小口泰與
棚田に入るのが、水だけでなく、水と水馬。ここが面白い。棚田に入る水がいきいきと弾んでいる。(高橋正子)

★桑の実や産土はるか遠くなり/桑本栄太郎
桑の実を食べた記憶ははるかになった。それと同時に産土も遠くなった。しみじみ故郷とはるかとなった少年時代を思う句。(高橋正子)

5月16日(2句)

★水槽の暁の水面へ目高かな/小口泰與
明けやすい夏の暁、目高ははやも目覚めて水面へ浮き上がってきた。すがすがしい夏の暁だ。(高橋正子)

★薫風や大樹の下に椅子一つ/廣田洋一
大樹の木陰に椅子が一つ。木陰に座って誰かが憩えるように置かれている。薫風理の木陰の至福の憩いに思いが至る。(高橋正子)

5月15日(2句)

★通り一つ渡れば神田祭かな/廣田洋一
日本三大祭りの一つ神田祭。通り一つで向こうはにぎやかな祭りの世界となる。私は、浅草の会員の方ご案内で、花冠会員の皆さんと三社祭の吟行を楽しんだが、その賑わいと祭りを離れた隅田川に祭りの余韻が届くのが印象に残っている。この句から思い出した。(高橋正子)

★森の影濃くなり初めし椎の花/多田有花
椎の花のむんむんとした強い匂いは、さしずめ、日が強くなったせいかと思わせるところがある。そのころは、森の影が濃くなり始める。光と木々の力強さを感じさせてくれる。(高橋正子)

5月14日(1句)

★新緑に囲まれている古刹かな/多田有花
古刹のものさびた様子を囲んで新緑が湧き上がる。新しい息吹と古く永く存在するものがよく溶け合っていい景色を見せている。(高橋正子)

5月13日(2句)

★乙女子のホットパンツや街薄暑/廣田洋一
気温に一番敏感なのは、若い女性たちかもしれない。気温に合わせて、洋服を選び、季節を先どり、たのしむ。薄暑を思えれば、早速ホットパンツで街を闊歩。初夏らしい溌剌とした姿が眩しい。(高橋正子)

★あめんぼの水面の空を走りけり/桑本栄太郎
水面の空には、雲のあるか。青空ばかりか。いろんな空が思い浮かぶが、空を走ってみたい思いは、人にもある。空を走ってあめんぼは、楽しいだろう。(高橋正子)

5月12日(1句)

★日当たれば形新たに若楓/多田有花
若楓は、黄緑の葉が薄い層のようになって重なり、広がっている。日陰れば一塊のようなみどりになるが、日当たれば、日に透かされてその形がくっきりとする。「形新たに」は作者の「心新たに」ということでもあろう。(高橋正子)

5月11日(1句)

★若楓開山堂の甍かな/多田有花
若楓の柔らかい緑と甍の対比に日本的な美しさがある。開山堂は、辞書には、「寺院内にあって、開祖・開山の像や位牌を安置した建物。祖師堂。御影堂。」と説明されている。甍はそれだけに歳月を経た色合いと風格を備えて、目に和やかな景色となっているのがよい。(高橋正子)
コメント (8)
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