◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/2月21日~28日

2021-02-22 13:09:13 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

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今日の秀句/2月21日~28日

2021-02-22 13:07:16 | Weblog
2月28日(1句)

★さわさわと菜の花に吹く海の風/古田敬二
菜の花に吹く海の風を「さわさわ」と表現しているので、菜の花の柔らかさ、その匂いが現実感をもって快く伝わってくる。菜の花と海の取り合せが明るい。(高橋正子)

2月27日(1句)

★茶箪笥に紙の雛の置かれけり/小口泰與
紙の雛は、思うところに、どこにでも飾れるよさがある。家族がくつろぐ茶の間の茶箪笥に、紙雛を置く。とたんに明るく艶めいて、暮らしを美しく彩ってくれる。(高橋正子)

2月26日(1句)

★二階より紙飛行機や春の宵/小口泰與
思わぬ方向の二階から紙飛行機が飛んできた。ふいのことに驚いた。紙飛行機を飛ばした二階の少年に幼いころの自分を重ねたのだろう。浪漫的な感傷の漂う春の宵のことだから。(高橋正子)

2月25日(1句)

★雉啼くや山火事いまた収まらず/小口泰與
時事の山火事を詠んだ句。栃木県足利市の山火事が5日目となるが、赤城颪の風も吹いてか、燃える区域が広がっている。消火には10日から2週間かかるとみられる。山に棲む雉の鳴き声も哀しげに尾をひいて聞こえる。鎮火を祈る。(高橋正子)

2月24日(2句)

★風吹けば風の行方になずな咲く/桑本栄太郎
風が吹いて行く方へ、歩いて行くとそこになずなが咲いていた。風の案内を受けて歩いた野道がやさしく詠まれている。(高橋正子)

★紅梅を仰げば空のみずいろに/多田有花
紅梅が咲く空は、真っ青ではなく、みずいろ。春の空は青く見えながらも、霞がかかっていて淡い。紅梅の紅とみずいろの取り合わせが若々しい。(高橋正子)

2月23日(2句)

★大小の水車廻りて水温む/廣田洋一
流れにある大小の水車。大きい水車はたくさんの水を、小さい水車は少しの水を汲み流している。のどかな光景に水の温みを感じる。遠近感とリズム感があり、景色が生きている。(高橋正子)

★荷造りの紐の緩みや春菜着く/桑本栄太郎
荷物は遠くから運ばれ来た。人の手に渡り、車に揺られ、しっかり縛っていた紐が緩んでいる。荷には故郷の春菜がいろいろと。「緩み」と「春菜」の関係がいい。(高橋正子)

2月22日(1句)

★根元には日色を残しほうれん草/廣田洋一
ほうれん草の根元の赤い色は、緑濃い葉に対比されて、印象に残る。その赤い色をこの句では、「日色」と言った。太陽のもとに育ち、日の色を溜めたとも言える。生き生きとしたほうれん草だ。(高橋正子)

2月21日(1句)

★びょうびょうと風が耳過ぎ揚げひばり/桑本栄太郎
ひばりが鳴く野に出ると、耳元を風がびょうびょうと過ぎる。野を吹く強い風の中、高揚がるひばりの姿が力強い。(高橋正子)
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2月21日~28日

2021-02-22 13:02:35 | Weblog
2月28日(5名)

小口泰與
松風や四つの古墳へ春日影★★★★
日おもてを好む小犬や犬ふぐり★★★
雪岱の余白の挿絵春の波★★★

廣田洋一
ものの芽の緑を秘めし花壇かな★★★
西天に春満月の冴々と★★★★
一人でて春満月を仰ぎたる★★★

多田有花
春寒を戻りて熱きポトフ食ぶ★★★
雨あがる未明の街を春疾風★★★
枝垂梅風を誘いて枝垂れおり★★★★

桑本栄太郎
U・F・Oと見たる思いや土佐水木★★★
かすみ立つ遥か彼方や淀川に★★★
けぶり立つ畑となりたる二月尽★★★

古田敬二
落日にその影はっきり春の雪★★★

さわさわと菜の花に吹く海の風★★★★
菜の花に吹く海の風を「さわさわ」と表現しているので、菜の花の柔らかさ、その匂いが現実感をもって快く伝わってくる。菜の花と海の取り合せが明るい。(高橋正子)

一斉に菜の花なびく海風に★★★

2月27日(3名)

小口泰與
公魚や見えて遥けき湖の舟★★★
大試験家の哀歓ひひめける★★★
茶箪笥に紙の雛の置かれけり★★★★
紙の雛は、思うところに、どこにでも飾れるよさがある。家族がくつろぐ茶の間の茶箪笥に、紙雛を置く。とたんに明るく艶めいて、暮らしを美しく彩ってくれる。(高橋正子)

廣田洋一
妖艶な桃色光る椿かな★★★
小さき木に一輪咲きし椿かな★★★
走り根を紅く挟みて落椿(原句)
「紅く挟み」の「挟み」が気になりす。
走り根の間をうづめ落椿★★★★(正子添削)

桑本栄太郎
こつ然と天の静寂や雲雀落つ★★★
春寒のほつえにありぬ青き空★★★★
もくれんのにつと微笑み咲くばかり★★★

2月26日(3名)

小口泰與
春荒やいつもの事よ上州は★★★
夕食の会話弾みぬ大試験★★★

二階より紙飛行機や春の宵★★★★
思わぬ方向の二階から紙飛行機が飛んできた。ふいのことに驚いた。紙飛行機を飛ばした二階の少年に幼いころの自分を重ねたのだろう。浪漫的な感傷の漂う春の宵のことだから。(高橋正子)


廣田洋一
ものの芽の色に染まりし花壇かな(原句)
「色に染まり」では、読み手は「色」が具体的にイメージしにくいので、句が漠然とします。なにか想像の手がかりが欲しいです。
参考までに草田男の句を挙げます。
「青もかち紫も勝つ物芽かな 中村草田男」
ものの芽の色いろいろに花壇かな★★★★(正子添削例)

着古せし衣類を捨てて2月尽★★★
積まれし本地震にも耐え2月尽★★★

桑本栄太郎
目覚めても追憶つづく朝寝人★★★
竹の枝の支柱立てらる花ゑんどう★★★★
春風のパタパタ叩くトタン屋根★★★

2月25日(4名)

小口泰與
囀りや風吹かぬ日の厩橋★★★
雉啼くや山火事いまた収まらず★★★★
時事の山火事を詠んだ句。栃木県足利市の山火事が5日目となるが、赤城颪の風も吹いてか、燃える区域が広がっている。消火には10日から2週間かかるとみられる。山に棲む雉の鳴き声も哀しげに尾をひいて聞こえる。鎮火を祈る。(高橋正子)

山茱萸の花かたまりて毬の如★★★

廣田洋一
公園を駆けまわる子ら春めきぬ★★★
春めくや名を知らぬ花咲きにけり★★★
マンションの工事の音や春めけり★★★

多田有花
紅梅の後ろも紅梅色さかん★★★
陽を透かす高き梢の藪つばき★★★★
ピアニカを奏でておれば春の鳥★★★

桑本栄太郎
レシピ添え花菜売らるる無人店★★★
揚ひばり畑の真中にいちご園★★★★
春風のトタンの屋根を叩きけり★★★

2月24日(4名)

小口泰與
春眠の中に入りくる猫の声★★★
春泥や次つぎ庭へ群雀★★★
春疾風端山へ対う鳥の群★★★

廣田洋一
庭の草はたと揺れ止み冴返る★★★
濃紅梅白梅に割り込みにけり★★★
枝垂梅一輪残る枝の先★★★

桑本栄太郎
パンジーの蝶となる日か日差しけり★★★
風吹けば風の行方になずな咲く★★★★
風が吹いて行く方へ、歩いて行くとそこになずなが咲いていた。風の案内を受けて歩いた野道がやさしく詠まれている。(高橋正子)

青空を透いて並木や銀杏の芽★★★

多田有花
春の夜懐かしき人の夢を見る★★★
あけぼのの春山ぎわの空を見る★★★
紅梅を仰げば空のみずいろに★★★★
紅梅が咲く空は、真っ青ではなく、みずいろ。春の空は青く見えながらも、霞がかかっていて淡い。紅梅の紅とみずいろの取り合わせが若々しい。(高橋正子)

2月23日(3名)

小口泰與
赤城はや雪解水はも放ちける★★★
自転車の通学女子へ春疾風★★★
雨後の庭朝日賜わる牡丹の芽★★★

廣田洋一
指文字を書きたる水の温みけり★★★
鯉の群広がる淵の水温む★★★
大小の水車廻りて水温む★★★★
流れにある大小の水車。大きい水車はたくさんの水を、小さい水車は少しの水を汲み流している。のどかな光景に水の温みを感じる。遠近感とリズム感があり、景色が生きている。(高橋正子)

桑本栄太郎
花びらの一重楚々たり薮椿★★★
川べりにひそと番いや残り鴨★★★
荷造りの紐の緩みや春菜着く★★★★
荷物は遠くから運ばれ来た。人の手に渡り、車に揺られ、しっかり縛っていた紐が緩んでいる。荷には故郷の春菜がいろいろと。「緩み」と「春菜」の関係がいい。(高橋正子)

2月22日(4名)

小口泰與
浅間刷く霞の波や鳥の声★★★
春の宵土偶の尻の豊かにて★★★
外にも出よ春満月を浴びてみよ★★★

廣田洋一
川の鯉大きく跳ねて春動く★★★
温度差の大きな日々や春動く★★★

根元には日色を残しほうれん草★★★★
ほうれん草の根元の赤い色は、緑濃い葉に対比されて、印象に残る。その赤い色をこの句では、「日色」と言った。太陽のもとに育ち、日の色を溜めたとも言える。生き生きとしたほうれん草だ。(高橋正子)

多田有花
観梅の人の数多に陽のやさし★★★
家島の影ぼんやりと春霞★★★
天をさすまだ枝のみの山桜★★★★

桑本栄太郎
嶺の端に送電塔やかすみ立つ★★★
こつ然と空の静寂や雲雀落つ★★★
菜の花を供華と抱きたる祠かな★★★

2月21日(4名)

小口泰與
着水の禽の飛沫へ春日影★★★
黄水仙朝日含みて向きむきに★★★★
春の日や芝のおちこち醜草よ★★★

廣田洋一
梅祭日帰り旅に出かけたり★★★
光る海遠くに見つつ梅見かな★★★★
この辺で一寸一服梅見茶屋★★★

多田有花
観梅の人の数多に陽のやさし★★★
家島の影ぼんやりと春霞★★★
天をさすまだ枝のみの山桜★★★★

桑本栄太郎
枝垂れ梅しだれ軒端に日差しけり★★★
びょうびょうと風の耳過ぐ揚ひばり(原句)
びょうびょうと風が耳過ぎ揚げひばり★★★★(正子添削)
ひばりが鳴く野に出ると、耳元を風がびょうびょうと過ぎる。野を吹く強い風の中、高揚がるひばりの姿が力強い。(高橋正子)
ほろ苦き菜の花和えの夕餉かな★★★
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自由な投句箱/2月11日~20日

2021-02-11 16:42:30 | Weblog
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今日の秀句/2月11日~20日

2021-02-11 16:41:47 | Weblog
2月20日(2句)

★春きざす窓に風音空の青/川名ますみ
窓辺に聞こえる風の音、窓から見える空の青にたしかに「春のきざし」を感じた。形としてとらえられない音や色にまず季節の変化が現れると言っていいだろう。(高橋正子)

★俳句誌を開きたるまま春の宵/古田敬二
春の宵。それまで読んでいた俳句雑誌を開けたまま宵の時が過ぎる。明るく艶めいた浪漫的な感傷の漂う俳句がありそうな俳誌なのか。(高橋正子)

2月19日(1句)

★春きざす園児らはしゃぐ庭一杯/桑本栄太郎
庭一杯に広がってはしゃぐ園児がかわいらしく、にぎやかで、春のきざしの確かさがある。(高橋正子)

2月18日(2句)

★紙雛を共に飾りて賑やかに/廣田洋一
雛飾りは、女子のすこやかな成長を願い、また季節の美しさを愛でて飾られる。桜や橘の木木、菱餅や白酒を供え、桃の花を飾って、華やかな節句である。段飾りの雛の周りに紙雛も飾って、にぎやかにする。さびしくないようにの親心であろう。心のこもった雛飾り。(高橋正子)

★春泥の靴に重たく残りけり/古田敬二
春泥は、おのずから柔らかく、てらてらと光る感じがする。雪解けや凍てが緩み雨が降ると泥濘はあちこちに生じる。靴につくと粘って靴から離れず重い。それは、春泥特有の重さだ。(高橋正子)

2月17日(1句)

★渓流の音の方へと蕗の薹/小口泰與
渓流は、雪解け水に嵩を増して岸辺を濡らしながら流れている。蕗の薹は湿ったところを好むのか、水ぎわへと芽生えている。渓流のそばの蕗の薹が清冽な印象で詠まれている。(髙橋正子)

2月16日(1句)

★余寒あり蕪とろとろに煮えて/多田有花
余寒の寒さは身にしみて、温かいものが食べたくなる。ポトフなどに煮込んだ蕪がとろとろに甘く煮えて、一口食べれば、身も心も温まる。蕪がとろとろに煮えたイメージが余寒の空気感によくマッチしている。(高橋正子)

2月15日(1句)

★せせらぎの音涼やかに山笑ふ/廣田洋一
「山笑ふ」を遠くから眺めたのではなく、近くで実感した意義が大きい。山川のせせらぎの音が涼やかに音を立てて、木々の芽も吹くらんできている。日差しが明るく、にこやかな光景。(高橋正子)

2月14日(1句)

★さざ波の立ちて薄氷流れけり/桑本栄太郎
さざ波が立っていると川を覗けば、薄氷が溶けながら流れている。小さな波とうすうすとした氷の、儚いものの世界に作者の好みが読める。(高橋正子)

2月13日(1句)

★春きざす我を追い抜きトラクター/桑本栄太郎
春が来ると畑仕事が忙しくなる。出会ったトラクターも人が歩くを追い越して勢いをつけて農道を走っている。こんなところにも春のきざしが見えてうれしいものだ。(高橋正子)

2月12日(1句)

★淀川の下流かすみぬ菜の花忌/桑本栄太郎
菜の花忌は、2月12日の司馬遼太郎の命日。今、有名な忌日の一つとなったかもしれない。イメージの親しみやすさ、明るさや優しさがあるせいだろう。この日、淀川の上流から遠く下流をながめれば、かすんでいる。かすんでいるあたりに故人の姿がありそうである。(高橋正子)

2月11日(1句)

★畔青む農婦の足の軽やかに/廣田洋一
農婦へのまなざしが温かい。田の畔の草が青く萌えだすと、それまでの寒さから幾分開放されて、農婦の足取りも軽やかに。(高橋正子)

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