太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

エネルギー基本計画

2024-05-17 08:05:01 | 日記

 日本の将来のエネルギーの有り様を示すエネルギー基本計画の策定が始まる。2050年脱炭素社会実現に向けてこの国のエネルギー全体の将来あるべき姿を示すものである。2035年度以降の電源構成の目標が定められる予定で、2024年度中の策定を目指す。勿論基本計画だからその数字を実現する義務は何処にも無い。しかし国の大方針だから続いて策定される長期エネルギー需給見通しに反映され、あらゆる政策を動員して実現に向けての努力がなされる。

最大の焦点はやはり原子力をどう位置付けるかである。エネルギーの安定供給とかGHGを排出しないとか国民は耳にタコができている。最優先事項は核廃棄物の最終処分をどうするかだろう。最低限同時議論若しくは優先的に最終処分の議論が始まっても良いくらいだ。委員の先生方もそれは別の場で議論などと逃げてはならない。福島の処理水でもあれほど問題になったではないか。デブリを取り出した後どう処理するのか。核廃棄物は事故でなくとも間断なく出て来る。もう目先のごまかしとか先送りはできない。我々の世代はもういい。何があっても我慢する。子や孫の世代に一体何を引き継ぐというかだ。

それではどのようにして基本計画は成文化されるのか。今も昔と変わっていないとすれば、事務局案(官僚が作文した叩き台のようなもの)に対して委員の先生方が意見を言う。ここでは末梢の変更はあっても原案の骨格が崩れることはない。簡単に言えば委員の先生方は事務局案を追認、箔づけするようなものである。ゼロから文章(数字)を作り上げる時間はない。そういう意味では官僚の意に沿った計画が出来上がる(政治の関与は不明だが忖度はある)。国民の多くは偉い専門の先生方が考えたものだからと信頼する。真向事務局案と対立した委員先生がいたらどうするか。委員の改選の時に再任しない、あるいは似たような権威ある委員会を新たに立ち上げてその先生は委員に選任しないかだ。何だか官僚に意のままに操られているかというとそうでもない。言い訳はある。成文化される前にパブリックコメントに付され広く一般の意見聴取を行う。ただ事務局側にはそうではないという理屈を山ほど用意してありこの段階で大幅な訂正が入ることはまずない。基本計画は法律ではないから目くじらを立てる必要はないが有名な大学の有名な先生だから信頼できるというのはハロー効果の典型である。むしろ無名の委員先生の方が現実を捉えしっかりしているということは良くある。さらに原発の稼働基数の多さが甘すぎると言えるのは2049年末しか言えない。計画未達ではないかと言われればまだ1日あるではないか、計画通り稼働するかも知れないと言われかねない。委員会の様子は公開されると思うが、偉い人が決めたと諦めるのは国民側の怠慢である。大事な事だからよくウォッチしよう。



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