太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

先行き不透明な時代に

2017-03-16 08:18:09 | 日記

春闘の回答ももほぼ出揃い一応決着を見るようである。ベースアップは4年連続したが、今年は昨年を水準を下回るという。春闘の時期になると新聞に目を凝らすと必ず景気が悪いニュースが溢れる。恐らく賃上げは難しいという経営側の婉曲的世論操作であろうが、ここ何年かはアベノミクスの成果として経済界に圧力を掛けてきたデフレ脱却に向けた政治の意欲の勝利だったのだろう。ところが、ここにきて息切れし終には世界経済のせいになっている。かってない圧力を掛けてきた政界はそれなりに評価すべきだが、やはり私の周辺は全国の津々浦々に位置しているようである。

春闘の時期に思い出すのは、ほとんど毎年、経営側が社内報などを通じて、あるいは直接的な説明で「この先行き不透明な時代に」という枕言葉を使う。ちょっと待て、先行き透明な時代になどという言葉は聞いたことが無い。何時の時代でも先のことは分からないが私はこういう計画でこういう手を打って行くと言うのが経営側が本来言うべきだろう。ただ、不透明な部分でこういうリスクはあると添えても良いが。先行き不透明で許されるなら経営側に居座る必要は無い。もっと最悪だったのは労働組合の新聞の冒頭で「先行き不透明・・・」という言葉で切りだされて来た時には、お前らアホか若しくは経営側と勘違いしているのか、単なる御用組合かと陰口を叩いていた若かりし頃。

先行き不透明感を払しょくするものとして世の中に溢れる多くの見通し、予測がある。しかし、これらの予測の信頼度を計る時には誰が何のために書いたかを良く考える必要がある。例えばIEAやその他中立機関による予測は現状の事実、過去の実績から帰納的に未来を予測する。書き手の意志は反映され難い。国が纏めるエネルギー需給見通しもこれに近いが行きつく未来であるベストミックスには多少国としての意志、意欲が反映される。意志、意欲があるからこそそれを実現するための政策や制度が動員される。成りゆく未来ではないのである。

業界団体が纏めるものはどうか。三段論法のように理論を積み重ねて行く演繹的未来ではないがこれに近い。もっとも適切な表現をするならバックキャストであろう。こうあるべきという絵姿をまず描き、ここに到るロードマップを演繹的に作成するというものである。国の政策動員に該当するのは業界の努力である。

全ての予測が科学的、統計的ではない。寧ろ意志の反映をどう読み取るか、書き手の場合はどう反映させるかが大事である。