書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

スティーヴン・オッペンハイマー著 仲村明子訳 『人類の足跡10万年全史』

2018年01月28日 | 自然科学
 出版社による紹介

 そのほかの部分は素人でわからないが、そして以下の部分はどちらかといえばこの著のなかでは枝葉末節に属する所なのだが、「プロローグ」の言語の起源と発生に関する議論で、それと断りなしにチョムスキーとピンカーのみ(つまり生成文法論のみ)に言及するのは、これはどうなのかなと思う

(草思社 2007年9月)

Andrew Ortony, ed., "Metaphor and Thought"

2017年06月02日 | 人文科学
 http://www.cambridge.org/catalogue/catalogue.asp?isbn=0521405610

 1979年刊。目次を見、編者の総論を見、索引から関心のあるタームで頁を繰ってみたが、基本チョムスキーの生成文法・普遍文法論が正しいとの前提に立っていて、ウォーフは冷笑ぎみの鼻も引っかけない扱いと見えるのは私の誤読か。

(Cambridge University Press, Sep. 1979)

Jean Aitchison, "Teach Yourself Linguistics (2nd ed.)"

2016年04月30日 | 人文科学
 チョムスキーの主張は生成文法および普遍文法の旗手としてほぼ一章が割かれているが、サピアはギリシア語・ラテン語を最高級としその他の言語を崩れて劣ったものとみなす従来の言語学説を批判したという点だけが数行で言及されるにすぎない(p. 65)。ウォーフにいたっては名すら出てこない。すごい概説書だ。

(UK: Hodder and Stoughton, 1978)

ウィキペディア「刺激の貧困」項

2015年01月08日 | 人文科学
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%BA%E6%BF%80%E3%81%AE%E8%B2%A7%E5%9B%B0

 ・子供は周囲の人の言葉を聞いて言葉を覚えるが、
   ・日常的な会話は概して短く誤りを含む。情報量が少ない。
   ・子供はどのような言い方が正しいのかを知らず、明示もされない(大人は子供の言い間違いを指摘しない)。
 ・言葉を覚えるのが単なる模倣によるならば誤りも一緒に覚えるはずであるが、
   ・子供は実際には正しく話せている。
   ・生まれたときから言葉を覚えるのに何らかの仕組みがあるのではないか。


 これは仮説である。生成文法論は仮説のうえに仮説を重ねていることになるのか?