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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

『Education and Popular Literacy in Ch'ing China』

2010年08月03日 | 東洋史
 Evelyn Sakakida Rawski 著。 
 清代の識字率(数百字から二千字程度の漢字読み書き能力。機能的識字)は、男子30-45パーセント、女子2-10パーセントだったという主張('1 A Historical Survey of Popular Literacy in China', pp. 22-23)。この数字は、清代270年間および都市部、農村部を通じての全国平均値である。
 すこし高すぎないかとも思えるが、しかし、この書でもしばしば引用される当時の米国側の記録『The Chinese Repository』によれば、たとえば道光年間(19世紀第二四半期)の広東では識字率は50パーセント近くに達し、10才以上の男子でまったく読み書きを習ったことのないのは10パーセント未満であった(注)という報告があるから、革命前の伝統中国においては、すくなくとも大都市部では相当高い機能的識字率であったことは言えるのだろう。

 注。梅棹忠夫/栗田靖之編『知と教養の文明学』(中央公論社、1991年12月)所収、吉田純「清代のことばの問題をめぐって」における引用、同書130-131頁。

(Univ of Michigan Press, USA, February, 1979)