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PDCAが納得できません

2016年04月17日 | コンサルティング

PDCAサイクルは仕事を円滑に進める手法として知られています。1950年に「デミング賞」で知られるエドワーズ・デミング博士によって日本の産業界に紹介されました。

PDCAとはPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の順に仕事を繰り返すことで、仕事の質が螺旋(らせん)を描くように継続的に向上して行くというものです。
PDCAという考え方は非常にわかりやすいため、多くの会社で基本的な仕事の「作法」のように教えられています。

ところが、Act(改善)とその後に続くPlan(計画)の繋がりがよく理解できないという人がおり、次のような言葉を聞くことがあります。

「多くの仕事は1回限りではなく、絶え間なく繰り返されています。PDCAに従えば、改善した後に計画することになりますが、改善と(新しい)計画は別のものなのですか?別物だとしたらサイクルは途切れますし、同じものなら2つある必要はないのでは?むしろP→D→C→P→D→C・・・というサイクルが正しいように思います。」

実は、PDCAを単なる「念仏」ではなく、きちんと理解しようとする真面目な人ほどこうした疑問を持ちます。実際、PDS(Plan→Do→See)という、See(評価:結果を振り返り、計画の修正や改善につなげるフェーズ)を組み込んだサイクルもあります。

では、なぜAct(改善)があるのでしょう。
PDCAサイクルでは、C(評価、検証、分析)を行なった後に、A(その結果に基づいた改善策の実施)という流れになります。そして次に、新たなP(計画)を設定します。

その際、Cの結果を使ってすぐに新たなPを作ればそれで良いように見えます。

ここで、わざわざAct(改善)を入れる理由をわかりやすく言えば「確かに改善策を作って実行したという事実(あるいは成果)を明確にするため」です。

たとえば・・・
月に100台生産する計画(P)を実行(D)したが、目標が達成できなかったので原因を調べたら設備の能力不足だった(C)。そこで新しい設備を導入した(A)。それにより生産能力がアップしたので、新しい計画(P)は月に120台の生産とした。
・・・となります。

これを・・・
月に100台生産する計画(P)を実行(D)したが、目標が達成できなかったので原因を調べて新しい設備を導入した(C)。それにより生産能力がアップしたので、新しい計画(P)は月に120台の生産とした。
・・・としても間違いはありませんが(A)が独立しておらず、デミング博士の言う「改善のプロセス」がはっきりしません。

日常業務では、PDCAを段階的に区切って進めることはほとんどないと思います。

だからこそ(A)をはっきりと意識する必要があるのです。

(人材育成社)

 


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