人材育成社のブログ

 人粒を実らす人材育成の日々
(一粒=ひとつぶ)

「わかりやすい」はうさんくさい

2017年10月22日 | コンサルティング

このブログでは過去に何度か「わかりやすさ」について書いてきました※。それも否定的に。その理由は「わかりやすい」がときに胡散臭(うさんくさ)いからです。「胡散臭い」は「何となく疑わしい。何となく怪しい」という形容詞です。形容詞ですから、あくまでも主観的な判断によるものです。たとえば、ある人にとっては「おいしい」ものが誰にとっても「おいしい」とは限りません。「わかりやすい」も同様です。

もちろん、「わかりやすい」ことはとても大切なことです。義務教育では最も優先されるべきでしょう。小学校で習う算数は、数学というとても大きな理論体系の一部をわかりやすくまとめたものです。その教科書は小学生向けとはいえ、数学についてよく理解している人が「わかりやすく」書いています。小学校の先生は、大学の教員養成課程などで「わかりやすく」教える訓練を受けています。

一方、大学で教えるには教員免許は必要ありません。教育学部を除けば、大学には「わかりやすく教える訓練」を受けていない教員がたくさんいます(95%くらいでしょうか)。学生自身も、大学で学ぶために必要な知識と経験をある程度身につけている(だろう)という前提もあります。

最近は大学の教員も学生から「授業アンケート」というかたちで評価を受けます。その中に「講義はわかりやすかったですか」という項目がよくあります。「わかりやすい」講義をできなかった教員は、学問的な業績がどれほど素晴らしくてもダメ出しをされます。研究と教育は別物ですから、これはこれでしかたがないのかもしれません。

社会人になるとさらに「わかりやすさ」が求められます。ビジネスにおいては、わかりにくいことは悪であるかのようです。もちろん、わかりにくいことが誤った行動を引き起こし、損失を生じてしまうことは多々あります。特に技術にかかわるドキュメントにおいては、わかりにくさは最大の敵です。

わかりにくいことの根っこにあるのは、複雑さであり曖昧(あいまい)さです。複雑なことを単純な「部分」に分解し、あいまいさを排除するために数字や具体例を使って示すことで「わかりやすさ」を実現します。そのため、「わかりやすい」はたくさんの言葉や文字によって支えられています。テクニカルドキュメント、たとえば技術マニュアルはそれなりのページ数になります。

技術的なことはもとより、ビジネスの現場で起こることの多くは複雑で曖昧です。それをわかりやすくするためには、たくさんの言葉が必要になるはずです。ところが多くの多くのビジネスパーソンはたくさんの言葉を聞きたくないようです。地位が高い人ほどその傾向が高くなります。

「ごちゃごちゃ言ってないでわかりやすく説明しろ!」「一言で言えばどういうことだ?」「どうでもいいから結論だけ言え!」

上司からこうした言葉をぶつけらた方は多いと思います。言いたいことをずばり伝えるスキルは、ビジネスパーソンにとって必須です。特に上司に対してはくどくどと説明をしてはいけません。地位が高くなるほど気が短くなるからです(寿命もです)。

こうしてビジネスパーソンは「わかりやすい」とは「余計なことを言わないこと」であると刷り込まれていきます。ビジネスパーソン向けのセミナーやウェブサイト、書籍が「わかりやすい」ことを前面に出しているのもうなずけます。

そして上司に言われたセリフをそのままセミナー講師にもぶつけます。「面倒なことはいいからもっとわかりやすく教えてくれ!」講師もそのニーズに応えます。「××だけわかっていればOKです!」

それは、たくさんの言葉を尽くしてていねいに伝えることを止めてしまったということです。ほんとうにそれで良いのでしょうか?脱線しますが、昨今の政治家の言葉を聞くにつれ、その思いが強くなります。

ビジネスパーソンに限らず大人こそ、ていねいに聞き、深く考えることがなによりも大切ではないでしょうか。それをしなくなるように仕向ける「わかりやすい」言葉を聞くたびに、だんだん自分の頭も考えること止めてしまうのではないかという恐ろしさを感じます。

だから私はとりあえず「わかりやすいはうさんくさい」と言い切るようにしています。

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※過去の記事

わかりやすいことだけを追い求めてはいけない

わかりやすいアンケートは要注意?

わかりやすいことが正しいとは限らない

「わかりやすい」という危うさ

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チーズは主体的に探しにいかなければならない

2017年10月18日 | コンサルティング

 近所の大型スーパーが売り場の装いを新たにしたとの広告を見て、久しぶりに訪れてみたところ、売り場が改装されただけでなく、商品自体も大幅に変更されていました。

もちろん、マーケティングに基づいて品揃えを変更したのでしょうが、個人的にはこれまで継続的に購入していた商品の中で売り場から消えてしまっていたものも多く、少々残念な気がしました。

このように、各売り場で様々な変更がされていたのですが、中でも一番大きく変わっていたのは、食料品売り場のレジの無人化が進んでいたことです。たぶん、これまでの3割くらいがセルフレジになっていたように感じました。

ここ数年、AI(人工知能)に今後取って代わられると予想される様々な職業がマスコミ等で紹介されていますが、レジの仕事もその1つなのでしょう。

このスーパーのレジには、これまでアジア系の外国人も多数採用されていましたが、日本人よりもコストが安いと言われている外国人でさえもAIに代替されてしまったということなのでしょうか。今後、AI化が様々な分野でますます進んでいくことは明らかです。もちろん、日本においてはさらに労働人口がどんどん減っていくわけですから、AIに変わっていくことは危機ではなく、有り難いことであるとも考えられます。

しかし、一方で自分の職業が消滅してしまう可能性があるとしたら、それはやはり脅威です。先日あるサイトで、「社内でなくなる可能性のある仕事」が紹介されていましたが、そこには、対人影響力を要するためAIでは難しいと考えられていた人材育成の仕事も入っていました。それでは、こうした変化に対して私たちは一体どうすれば良いのでしょうか。

そこで思い出したのが、スペンサー・ジョンソン氏の「チーズはどこへ消えた?」です。この本は、2,000年にベストセラーになり、全世界で1,800万人に読まれたそうです。(折しも、スペンサー氏は今年の7月に78歳で亡くなられたそうですが。)

私も当時この本を読んだ一人です。内容は2匹のネズミと2人の小人は毎日同じ場所でチーズを見つけて食べ続けていました。しかし、徐々にチーズの量が減っていき、ある日なくなってしまいました。ネズミはチーズが毎日少しずつ減っていることに気づいていたので、いずれなくなることを覚悟していました。そして、チーズが無くなるとすぐに新たなチーズを探しにいったのです。一方の小人は、チーズが無くなってしまっても、いつかまたチーズは戻ってくるだろうと考えて、動かずに待っていたという話です。

 動き出した変化を止めることは誰にもできません。そうであれば、私たちはそれに備えるしかありません。

 「なくなったものが戻ることはない」

これを肝に銘じて対応するしかないということを、今後AIに取って代わられる可能性のある「人材育成」の仕事をしている私も危機感を持つ必要があるということです。

 さて、冒頭で紹介したスーパーでレジを担当していたアジア系の外国人は若いイケメンの中国人(名札を見て分かった)の男性でした。レジを通すのがものすごく速く、さらに生ものをビニール袋に入れるのもとても丁寧で、ほれぼれするような働きぶりでした。

当時、私は彼がいるレジを好んで選んで会計を済ませていました(彼がイケメンだったからではありません)が、彼は2年くらい勤めた後、ある日突然そのスーパーからいなくなってしまいました。転職したのか国に帰ったのかはわかりませんが、彼の働きぶりを思い出すと、彼なら今頃次のステップで必ずや成功しているのではないかと想像しています。

これからの時代、私たちはネズミのように、新たなチーズを探しにいかなければなりません。

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SFA(営業支援システム)が9割失敗する理由

2017年10月15日 | コンサルティング

最近は中小企業にもSFA(Sales Force Automation:営業支援システム )が導入され始めています。SFAは、営業担当者が抱えている様々な顧客情報(担当者名や購入金額などの基礎データ、商談の進捗、受注・失注事例など)を社内で活用するためのシステム(グループウェア)です。営業日報の電子版のようなイメージがありますが、今までの顧客訪問履歴、提案書、見積書などをパソコンやスマホで見たり流用したりもできます。

SFAを使うことによって属人的な情報が「見える化」されるので、営業部門の生産性が上がります。その結果、売上、利益ともにアップするというわけです。

いいことずくめのSFAですが、中小企業が何も考えずに導入するとほぼ失敗します。最大の理由は経営者の「丸投げ」によるものです。

「SFAで営業効率が上がる?じゃあ、それをひとつ買って来い」と言った中小企業の社長がいたそうです。笑い話のようですが、こうした事例は決して少なくありません。こういう社長の下でSFAを導入すると次のようなことが起こります。

情報システム担当者:「社長のご指示によりSFAが導入されました。明日から営業日報はすべてPCかスマホから入力してください。」
営業担当者A:「なるほど、入力が簡単ですね。事務仕事が楽になりそうです。(一度入力した内容をコピペしてちょっと書き換えれば良いな。思いっきり手抜きができそうだ)」
営業担当者B:「色々な社内資料を参照できますね。役に立ちそうです。(冗談じゃない。俺が苦労して作った資料は絶対に公開しないぞ!タダで教えるもんか)」
営業担当者C:「部長からのアドバイスもすぐにいただけるんですね。心強いです。(いちいち小言を書き込まれたらたまらないよ!面倒な話は書かないようにしよう。)」
営業部長:「社長からはSFAを使って売上を2割アップせよとのお達しが来ている。みんな、大いに活用して頑張ってくれ。(失敗してもSFAを運用する情報システムのせいにしよう)」

ある会社にコンサルでお邪魔したとき、こうした心の声が「オフレコで・・・」というまくら言葉とともに聞こえる声となって私の耳に入ってきました。この会社はシステム化に前向きで実際に成果を上げているのですが、ことSFAに限っては大失敗という結果になりました。

SFAは情報の共有化には非常に役立つシステムですが、反面、真に共有されるべき情報の一部をかえって隠してしまうことがあります。営業はその進行プロセスがあいまいで、属人的な要素にもかなり左右されます。その点が経理や製造、受発注のような業務とは大きく異るところです。

営業担当者にとっては、SFAに入力することが最優先事項なので「社内の特定の人には知らせたくないこと」や「ちょっと気になること」までいちいち入力しなくなってしまいます。その結果、次のようなことが起こります。

情報はしっかりと共有されている(と社長は思い込んでいる)。でも売上が落ちた。

うかつにSFAを導入すれば必ず失敗します。では、どうすれば良いのか。

あなたが経営者ならば、一度当社にご相談ください。経営者限定の営業部門改善セミナーを近日実施いたします。お問い合わせいただければ、詳細をお知らせいたします。

【株式会社人材育成社】

 



 

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本や雑誌を買ったからと言って、すぐに効果は得られない

2017年10月11日 | コンサルティング

「お金、手帳、段取り(時間管理)の3つが、この数年の売れる3大テーマです」

これは以前、ある雑誌の編集者から聞いた言葉です。それから数年たっていますが、この傾向は今も変わっていないような気がします。

確かに、これからの季節であれば来年の手帳に関する雑誌が店頭に並ぶようになります。また、お金や段取り(時間管理)に関する雑誌は一年中、繰り返し出版されている印象があります。

でも、一体どうして同じようなテーマの雑誌が繰り返し何度も世に出てくるのでしょうか。

手帳に関して言えば季節ものですから、これは毎年恒例のものということでしょう。それでは、お金はどうなのか。こちらは季節に関係なく、財テクをはじめとして「貯める」、「節約」がメインテーマのようです。同様に、段取りや時間管理に関しても様々なものがあります。(実は私の記事も何度か掲載していただいたこともあります)

さらに、冒頭の編集者が語った中には入っていませんでしたが、ダイエットに関しても鉄板のテーマです。炭水化物を減らす、食事回数を減らすなどの食事療法から、筋トレ、ストレッチ、呼吸法などの運動について紹介した雑誌が、それこそ数えきれないくらい世に出ています。

いずれのテーマも、これだけたくさん取り上げられているということは、その分だけニーズがあるということは確かでしょう。

しかし、反対に考えれば、いろいろと取り組んでみても満足できる結果が出ていないという人が圧倒的に多いということの表れとも言えます。

財テクも時間管理もダイエットも、雑誌や本を読んだからと言って、すぐに結果が得られるものではありません。いずれも、その後にそれなりの時間をかけて努力をし、さらに継続しないと結果を手にすることは難しいものであり、即効性は期待できません。

そして、この「すぐに結果が得られるものではない、それなりの時間をかけて努力し、さらに継続が必要だ」というのは、人材育成の分野でも全く同じです。

研修を行う際に、すぐにその成果が出ることを期待して参加される人も多いです。もちろんテクニックなど、すぐに適用できるものもたくさんありますが。)研修後のアンケートに「「答え」を聞けると思っていたのにそれがなかった」と書かれる人もいます。その「答え」の多くは研修を踏まえ、自分で努力をして見出していただくべきものです。

人を育てるということには時間も労力も必要なものであり、たとえて言えば野菜のような速成栽培はどうしても無理があるということです。

簡単に手に入れることができないものだからこそ、こうして手を替え品を替え、繰り返し世に出続ける。店頭に並ぶ雑誌を見て、改めて人を育てる難しさを思います。

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ドリーム(映画)

2017年10月08日 | コンサルティング

ドリームという映画の広告が、本日の朝刊の真ん中に両面見開きで出ていました。私はこの映画の原作を先月読み、大変面白かったので、映画も観にいきました。内容は、広告や映画会社のホームページで知ることができますので詳しく書きませんが、作品概要をウェブから引用します。

「1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。」派手な映画ではないのですが、まったく飽きることがありませんでした。ひとことで言えば「地味に痛快」という感じです。

映画では、当時のアメリカの人種差別の様子が描かれています。黒人女性のキャサリンが抜群の能力(計算と解析)を認められてエリート集団の部署に異動します。しかし、職場がある建物には「有色人種用トイレ」がないので、片道800m離れた元の職場まで走って行ったり、コーヒーポットに「有色人種用」というシールを貼られたり、色々と(地味な)差別にあいます。原作の本を読むとわかりますが、小説ではなく伝記です。60年代は私が子供の頃でしたので、絵空事には思えませんでした。

それでも全編を通してとても明るい映画なので、楽しんで観ることができました。特に面白かったのは、主人公の1人、ドロシー・ボーンが子供をつれて公共図書館に行ったときのエピソードです。本を選んでいると「ここには有色人種用の本は無い」と警備員につまみ出されるのですが、こっそり1冊持ち出してきます。子供が「盗んだの?」と聞くと、「私の税金で買ったの」と答えます。その本が、後にドロシー・ボーン率いる黒人女性だけの計算チームを大きく飛躍させることになります。その本のタイトルを見たとき、思わず「おお!」と唸ってしまいました。私が読んだそれには「77」が付いていました・・・と言えば何の本かおわかりの方も多いと思います。

ただひとつこの映画に文句があるとすれば、ドリームという邦題です。原題は「Hidden Figures」隠された人物たち、歴史に埋もれた影の功労者たちというくらいの意味です。映画の中でも、字幕に「夢」とあった部分は会話ではimpossibleでした。ドリームというと夢物語をイメージします。映画は、主人公たちがimpossibleをpossibleにして行く内容なので、ちょっと似つかわしくありません。むしろ、映画「ワンダーウーマン」の方がよっぽどドリームで、「ドリーム」の方がよっぽどワンダーウーマン(ウィメン)を描いているように思います。

原作本も同じ「ドリーム」というタイトルが付いてますが、こちらは1940年代のNASAの前身の機関から描かれており、大変興味深い内容になっています。ぜひご一読ください。

さて、画像は、本人の名前が冠されたNASAの建物の前で車椅子に座るキャサリン・ジョンソンさんです。2015年、アメリカで文民に贈られる最高位の「大統領自由勲章」を授与されました。現在99歳とのこと。こうした人物をHiddenにしておかないところがアメリカの凄いところです。

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デスクワークの予定はいつも空欄になっている

2017年10月04日 | コンサルティング

「仕事はいつもほぼ予定通りに進んでいます」

これは、先日お会いしたある中小企業の事務職の社員の言葉です。もう1人、仕事が予定通りに進んでいると言っている社員がいましたが、それ以外の26人は予定通りに仕事が進むことは滅多にないとのことでした。

昨今、「働き方改革」が叫ばれるようになり、弊社でも生産性の向上に関する仕事を担当させていただくことが増えています。その際、一番初めに「いつも仕事は予定通りに進んでいますか?」という質問をさせていただいているのですが、9割以上の人は「仕事が予定通りに進むことは滅多にないです」と答えます。

では、仕事が予定通りに進む人と、そうでない人の違いはどうして起きるのでしょうか。もちろん、担当している仕事そのものや時期の問題などもあるとは思います。しかし、これまで様々な企業に伺っている中で感じるのは、どうやらそれ以外に大きな理由があるのではということです。

冒頭の企業で、予定通りに仕事が進んでいると言っている2人のスケジュールノートを見せていただきましたが、びっしりと記録してあります。一日の時間ごとの予定とともに、実際にどういう状態であったか、予定通りに行ったのか、行かなかったのかが細かく記録されているのです。

さらに一日の終わりには、作業ごとの時間も算出して上司に報告をしているとのことでした。

これはまさに、一日の中でPDCAをしっかり回しているということです。一日のスケジュールを計画して(Plan)、実際に作業や予定を行って(Do)、できたかできなかったかを振り返って、(Check)、やり方を改善する(Act)というわけです。

さらに、スケジュールノートには予定通りにいかなかったところには赤ペンで実際に作業にかかった時間や、さらに予定外に行った作業についても記録してありました。

このように各々の作業にかかっている時間を上司に報告することで、上司はどの作業にどれくらいの時間をかけているのか、また、標準時間に対して作業が早く進められているのか、または余計な時間がかかっているのかを把握することができます。

時間が余計にかかっていしまっている作業については、別途、勉強会等をやることで情報を共有化することができますし、それを通じて仕事の平準化を図ることにもつなげられます。

冒頭の企業で、予定通りに仕事を進めることができている2人の上司は、以前から部下に一日の予定を徹底的に「見える化」させています。さらにそれをきちんと振り返えらせることによって、仕事を予定通りに進むようにさせていたそうです。

一方、予定通りに仕事が進んでいない人のスケジュールノートも見せてもらいましたが、そこには会議、面談、外出の予定だけが書かれていて、デスクワークの仕事については何も書かれていませんでした。

仕事が予定通りに進んでいる2人と、それ以外の仕事が予定通りに進んでいない人のスケジュールの管理の違い、これはまさに、上司の指導力の差と言えるのではないでしょうか。

「仕事の段取りの重要性」については誰もが認識していると思いますが、実際にこのように段取りのやり方を部下に指導できる上司はごく少数です。

つまりは、上司が部下に対してスケジュールをきちんと立てて見える化することを指導することにより、部下の仕事は想像以上に「予定通りに進む」ことになるということなのです。

さて、今年も残すところあと3か月ほどとなり、早くも来年用の様々なスケジュールノートが店頭に並び始めています。このスケジュールノート、年々種類が増えるとともに、その機能もいろいろとアップしているようです。

しかし、どんなに機能的なスケジュールノートを手に入れたとしても、そこに記入されるのが会議と面談と外出予定だけであっては、来年も仕事が予定通りに進むことは難しいかもしれません。

デスクワークで行う仕事もきちんとスケジュールを立てることが、仕事を予定通りに進ませることができるポイントです。

まずは、明日のスケジュールの記入から見直してみませんか。

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製造業で働く文系社員の皆さんへ

2017年10月01日 | コンサルティング

「上場企業に就職できたら一生安泰。少なくとも食いっぱぐれることはないだろう。」これは某私立大学文系学部4年生A君の、就職活動を始めるにあたっての正直な気持ちでした。同じ学部の友人たちの多くは金融機関や流通業への就職を希望していましたが、彼は製造業を第一志望としていました。それは次のようの彼なりの(幼稚な)打算によるものでしそた。

(1)大手銀行や有名デパート、商社などは文系を大量採用するが、結局は東大、一橋、早慶の成績上位の連中が優遇される。(2)製造業は文系を多く採らないが、逆に入社後の出世競争は厳しくないだろう。(3)製造業の年間労働時間は金融や流通に比べて少ない。休みも工場の操業に合わせてしっかり取れる。

彼は会社訪問の解禁日に、誰もが名前を知っている大手企業ばかりの家電や重電業界は避け、ある地味なメーカーに足を運びました。そして、その会社(業界トップの一部上場企業)から内定をもらいました。

しかし(言うまでもないことですが)、入社後A君の目論見は外れました。とにかく残業が多く、仕事の内容もかなりハードでした。その後、A君が上司や先輩に叱られながらも、何年もクビにならずに働き続けることができたのは、その会社が「終身雇用」を社是としていたからに他なりません。

製造業はモノ作りの現場が中心にあります。モノを作るためには多額の設備投資と知識やノウハウの蓄積が必要です。また、一度製品が市場に出れば、その後何十年も補修用の部品と人員も確保しなければなりません。製造業の「時間感覚」は他の業種に比べて非常に長いのです。ですから、終身雇用は製造業向きの制度と言えるでしょう。

ところが、製造業の「時間感覚」は21世紀に入ってから急速に短くなってきました。A君の就職した会社もとうに終身雇用の看板を下ろしました。そして、日本を代表するような大手電機メーカーも倒産の危機にさらされ、社員の多くが転職して行きました。

もちろん、転職できるのは技術を身に付けているエンジニアがほとんどです。こうなるとメーカーの文系社員は非常に弱い立場になります。技術があるわけでもなく、他業種の知識やノウハウもそれほどありません。いったん会社が傾きはじめると、転職したくてもそう簡単にはいきません。

金融や流通など文系出身者の割合が非常に高い業界では、転職活動は比較的楽です。こうした業界での知識やスキルは、製造業に比べればポータビリティ(会社が変わっても使える性質)が高いからです。

製造業に勤めている文系社員の皆さん、ご自身のキャリアをしっかりと見据えた戦略を練ってください。「使える」資格を取ったり社会人大学院に行くなりして、少しでも付加価値を付けてください。

今からでも打てる手は何でも打ちましょう! A君こと私からの真摯なメッセージです。

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