人材育成社のブログ

 人粒を実らす人材育成の日々
(一粒=ひとつぶ)

日本企業にテレワークの導入は進むのか、否か

2017年07月30日 | コンサルティング

最近、働き方改革の一つの手段として、「テレワークの導入」が俄然注目を集めています。

テレワークとは、「tele=離れた場所で」「work=働く」という意味の造語で、遠隔勤務の意味です。ちなみに、国はテレワークをどのように定義しているかというと、総務省のHPによれば「ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」としています。

このテレワークですが、実際に様々なメリットがあるようです。

まず、労働者側のメリットとしては、働く場所や時間などの「働く環境」の制約が減ることにより、たとえば通勤時間の削減のほか、女性を中心として育児や介護など働く時間に制約のある人にとっては、都合のよい時間や場所を使って効率的に働くことができるなどがあげられます。

また、企業側にとっても事務スペースの設置やそれに伴う光熱費、紙などの備品を始めとするコストの削減や、従業員の通勤・移動に要する交通費の削減等、数々のメリットがあげられるようです。

確かにオフィスで仕事をしていると、自分宛にかかってきた電話でなくても電話をとらなければならなかったりします。また、上司や周囲の人に気を使ったり、お付き合い残業をしたりなど、仕事以外の人間関係に余分なエネルギーを使ったりすることもあります。

しかし、在宅で自分が働きたいと思える環境で働くことができれば、こうしたことに煩わされずに集中して仕事に取り組めるようになりますから、生産性が高くなることも期待できます。

このように、日本においては働き方改革の一環として非常に期待されているテレワークですが、アメリカではヤフーに続き、先日IBMも在宅勤務の廃止に方針転換したことが新聞やテレビで取り上げられていました。

IBMが在宅勤務を廃止した理由は、チームワークの徹底を目指すためとのことです。つまりは在宅勤務により、チームワークに対する何らかの不利益な結果が出ていたということなのでしょう。

先日、既に在宅勤務を取り入れている日本企業に勤めている人の話を伺う機会があったのですが、在宅勤務のメリットの一方、デメリットもたくさん感じているとのことでした。

具体的なデメリットとしては、仕事と家庭の境目が曖昧になってオンとオフの切り替えがはっきりしなくなり、仕事に対する意欲低下につながること。

また、周囲の雑音が聞こえてこないため、一見、集中して仕事ができると考えがちであるけれども、反対に上司や同僚などの周囲の目がないことによって、ついだらけてしまい、生産性はあまり上がらないのだそうです。

さらに、企画など発想力を問われる仕事をしているときに行き詰まったとしても、周囲に人がいればすぐに相談することできます。何らかのヒントを得ることができたり、話を聞いてもらったりすることによって自分の考えを整理することができるけれど、在宅勤務だとそれができない。もちろんテレビ会議などの方法もあるけれど、それは実際に対面しているときとは大きく違うとのことでした。

結局、その人の話では、いくら情報通信技術が発展したとは言っても、コミュニケーションをとるうえでは対面のコミュニケーションに勝るものはない、ということでした。

確かに、対面コミュニケーションはタイムリーかつ臨機応変に行うことができますが、そのほかのコミュニケーション手段では、そこまではうまくはいかないということなのでしょう。

やはり、人が一か所に集うことによって対面のコミュニケーションができ、そこから様々なヒントやアイディアを得たり、お互いに刺激し合ったりすることができます。そのことによってチームワークも得られるということであり、確かにこれはテレワークではなし得ないことだと思います。

もちろん、ヤフーやIBMでうまくいかなかったからと言って、すぐにテレワークはダメだということではないでしょう。しかし、もし、今後テレワークの導入を進めていくのであれば、形だけ導入するのでなく、やはり日本の労働の文化的な側面や企業の文化などの背景も十分に踏まえたうえで行う必要があるということでしょう。

さて、あなたはテレワークの導入に賛成ですか、それとも反対ですか?

人材育成のホームページ

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

知って行わざれば知らずに同じ。

2017年07月26日 | コンサルティング

これは江戸時代初期の儒学者、貝原益軒(かいばらえきけん)の言葉です。生涯で60部270余巻の著作があると言いますから、今で言えば超ベストセラー作家ということになります。

著書の多くは平易な文体で書かれており、自ら見聞し、体験した内容が中心でした。有名な「養生訓」は、一般大衆向けの「健康生活の心得」といった本ですが、なんと83歳のときの著作ですから説得力があります。

知って行わざれば知らずに同じ。どんな良いことを知っていても行動に移さなければ、それを知らないことと同じであるという意味です。

この言葉を聞くと、自らを省みてハッとする人も多いことでしょう(私もそうです)。ところが、この言葉に全く反応しない人も少数ですが存在します。

私は研修で年に延べ千人近くの方々(多いところでは1社で200人超の会社もあります)を対象に講義をします。受講者の中には「知っていることばかりで退屈だった」とか「新しい知識が得られると思ったが期待外れだった」と口にする人がいます。比率としては1%未満なのですが。

研修で学ぶ知識について、こうした「知ってる君」は確実に「やらない君」でもあります。貝原先生に言わせれば、無知な人と同類ということになります。

実際に見たわけでもないのになぜ「やらない君」だとわかるの?という疑問が浮かんだ方もいらっしゃるでしょう。

それは、研修の中で行うロープレ(ロールプレイング)を見ているとわかるのです。

「知ってる君」はとにかくロープレが全くダメなのです。妙に躊躇してしまったり、トンチンカンなやりとりをしてしまったり、目も当てられないくらいひどいのです。挙句に「こんなお遊戯みたいなことやっても実践では使えないよ!」などと言ったりもします。

いやいや、お遊戯すらできない人が実践で使えるわけがありません。

研修で初めて学んだ知識を素直にロープレで試してみて、職場で何度か使ってみることでようやく「できる」ようになるのです。繰り返し実行することが「知ること」であり、その逆ではありません。

残念なことに「知ってる君」につける薬はいまだに発明されていません。

人材育成のホームページ

 

 

 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

満足基準と最適基準

2017年07月23日 | コンサルティング

働き方改革や仕事の生産性向上に関する仕事を担当させていただいていると、企業における様々な問題や課題が見えてきます。

その一つに、仕事の制約条件である「QCD(quality品質、Costコスト、Delivery納期)」のうち、品質(quality)を必要以上に重要視してしまうことがあると感じています。

たとえば、先日お会いしたある受講者の話では、お客様に企画書を提案する際に事前に上司の確認を受けるそうです。その際、上司が細かいところにこだわって修正を要求してくるために、想定以上の時間がかかってしまうことが多いとのことでした。

もちろん社外に提出するものですから、間違いがあってはならないのは当然です。しかし、企画の本筋とは別に字面の一字一句こだわられるために、何度も何度も修正しなければならなくなるそうです。正直に言って上司に確認をしてもらうことが面倒だと感じてしまうとのことでした。

これは、まさにH・A・サイモンの意思決定のメカニズムにおける「最適基準」と「満足基準」の考え方が参考になる事例です。

H・A・サイモンの考え方は、最適の選択肢を探す「最適基準」と、一定の水準を満たしていたらよしとする「満足基準」に分けられます。

このうち、「満足基準」とは複数の案の中から1つを選択したり、あるいは1つのプロジェクトの実行に関する意思決定をしたりする際に、仮に最大の成果を獲得できなくても、意思決定者自身がある程度満足できるような成果ならば、それで満足しようという意思決定の原理です。マネジャーは通常、「満足基準」で意思決定していると述べていますが、どうやら先の上司はこの例には当てはまらないようです。

そして、これは組織の仕事の様々なところに該当しうる事象です。

たとえば、ある製品の開発の際、開発部門がハイスペックにこだわり過ぎたことで価格が高くなってしまい、売りにくいものになってしまった結果、営業部門のみならず市場からも結局受け入れられなくなってしまったということはよくある話です。

そして、働き方改革や仕事の生産性向上の視点からこの話を見てみると、必要以上なハイスペックを求める「最適基準」の追求が、結果として組織の残業時間を必要以上に長くしてしまっている面があるように感じます。

大きな課題である残業時間の削減のために、先ずは個々の企業における「満足基準」をきちんと定義することが大切なのではないでしょうか。

人材育成のホームページ

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

なぜ重要な仕事を後回しにしてしまうのか

2017年07月19日 | コンサルティング

昨年より、働き方改革や仕事の生産性向上がますますクローズアップされたことにより、弊社でも最近このテーマに関する仕事を担当させていただくことが増えています。

このテーマの研修の際には、演習の中で仕事の優先順位のつけ方や、自身が担当している仕事の中で重要度が高い仕事を顕在化させる方法に関する時間を特別に設けています。

仕事の優先順位を判断する際の「軸」(基準)はいろいろあるかと思いますが、演習では一般的にもっともよく使われている「緊急度」と「重要度」によって考えていただいています。

その結果を見てみると、「緊急度は高いけれど、重要度が低い仕事」を優先してしまって、反対に「緊急度は低いけれど、重要度が高い仕事」を後回しにしている人が圧倒的に多いです。

その理由を伺ってみると、「緊急度が高いものの多くはルーチンワークであり、それは担当者として自分がやらざるを得ないから後回しにしにはできない」という答えが返ってくることが多いのです。

これは「グレシャムの法則(計画のグレシャムの法則)」の状態です。「グレシャムの法則」とは、16世紀にイギリス国王財政顧問トーマス・グレシャムが、エリザベス1世に対して「イギリスの良貨が外国に流出する原因は貨幣改悪のためである」と進言した故事に由来しています。ちなみに、このグレシャムの法則という命名は19世紀にイギリスの経済学者がしたのだそうです。

この「グレシャムの法則」は、よく経営組織にあてはめて使われることがあります。

「人間は目の前に大量のルーチンワークを積まれると、その処理に追われてしまい、創造的な仕事を後回しにしてしまう傾向がある」というものです。ルーチンな仕事に追われている人はそれらの処理に埋没してしまい、長期的な展望や革新的な解決策を考えるなどの仕事は後回しにしてしまうということです。

それでは、「創造的な仕事」とはどういう仕事なのでしょうか。

基本的には、潜在的な問題を発見する、仕事のやり方を根本的に改革する、仕組みにする、さらに、ビジョンを考えたり、長期的なビジョンを描いたり、自己啓発をしたりするようなことです。これらの仕事はまさに「緊急度は低いけれど、重要度が高い仕事」です。

そもそもルーチンワークに追われている人は、自分にとっての「緊急度が低いけれど重要度が高い仕事」にはどういうものがあるのかが分かっていないことが多いのです。

職場において、全てのメンバーが「緊急度は高いけれど重要度が低い仕事」である目の前のルーチンワークに追われてしまって、将来を展望するような創造的な仕事を後回しにしてしまったら、その組織はいったいどういうことになるのでしょう?

その答えは言わずもがなです。

いつも「忙しい」が口癖になっている方は、日常的なルーチンの作業ばかりをしていることによって重要な仕事を後回しにしていないか、自身をきちんと振り返えってみる必要があるのではないでしょうか。

人材育成社のホームページ

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

その経営理念は絶対に社員に浸透しません(下)

2017年07月16日 | コンサルティング

(前回からの続きです)私は、経営理念をいったん「廃止」して、しばらくしてから理念を作り直してはどうかと提案しました。

「経営理念が社員に浸透していないなら、無くしてしまっても何の影響もないだろう? なぜ支障が出ると言いきれる?」
「確かに、今の経営理念の内容は浸透はしていません。しかし、そこに理念が“在る”というのはとても大事なことです。だから、なくなってしまうと本当に困るのは社員なんです。」
「なんだかよくわからないが、そういうものか。」

その後、この会社の役員会で経営理念を廃止しホームページ上からも消そうという話しになりました。
数日後、そのことが社内に伝わると、管理職に不満を言う社員が何人か現れました。
「なにも廃止することはないですよ」、「経営理念が無いなんて、お客さんに知れたら恥ずかしいです」そんな声も経営者の耳に届くようになりました。

そこで廃止するのはいったん止めて、社員にアンケートをとってみました。
すると9割以上が「経営理念は必要」と回答していたのです。

「必要と言っているのに浸透していないのはなぜだろう?」
社長にそう質問された私は「浸透できない経営理念だからです。」と答えました。

「できない、とはどういう意味かな?」
「正直、社員にとってあまりピンと来ないメッセージだからです。」
「そんなことはないだろう。私の尊敬する稲盛和夫氏が創業した京セラの”全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること”や、本田技研の”わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。”を見習って作ったんだ。」

社長は不満そうでしたが、私はこういいました。

「では、京セラとホンダの経営理念を入れ替えてみてください。違和感がありますか?」
「え?・・・いや、それはないな。どちらも立派な会社だからねえ・・・」
「だったら、他の会社もコピペして使えば良いのではないでしょうか。」
「そんな単純な話じゃないよ。世の中の会社が全部京セラやホンダじゃあるまいし。」
「そうですよね。両社の経営理念は、実は理念がすでに浸透したから理念になったんです。」

「どういうこと?」

「ホンダの会社案内の”ヒストリー”のページを見てください※。トップに小型のエンジンの付いた自転車の画像があります。」
「その上にこう書いてあります。これができたら、みんな喜ぶだろうなぁ”」
「これは経営理念ではありませんが、社長以下全社員の本当の気持ちですよね。」
「この言葉を見るたびに、自分が勤めている会社はこういうことを実現しようとしているんだな、というのが実感できます。浸透するというのはそういうことです。」

「うーん、誰もが実感できる言葉ねぇ。理念はそれが社員に浸透したときに作れば良いのか。」

「そうです。その言葉を生み出すのが社長の仕事です。コンサルに頼るなんてもってのほかです。」

この会社はその後、「私たちの思い」という形で新しい「経営理念の素」を作りました。
もちろん社長も社員も気に入っているようで、誰に聞いてもすぐに答えてくれます。

立派な経営理念をお持ちでありながら、社員に浸透していないとお悩みの経営者の皆さん、一度「廃止」を宣言してみてはいかがでしょうか。

(今回はいくつかの顧客の事例を元に書きました。”うちのことかな?”と思われた社長様、どうぞお許し下さい)

※ Honda|会社案内|ヒストリー

人材育成のホームページ

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

その経営理念は絶対に社員に浸透しません(上)

2017年07月12日 | コンサルティング

経営理念とは「経営者の経営哲学や信念、行動指針や目的などを明文化し、その企業が果たすべき使命や、基本姿勢などを社内外に向けて表明するもの(Wikipedia)」です。

「理念のない会社は生き残ることができない」という声はよく耳にします。特に経営コンサルタントは「経営理念は会社の土台だから、理念のない会社は崩壊する!」と言って、経営者を脅したりすることもあります。(そこで、すかさず高額の”理念作りコンサルティング”を提案するわけです)

経営理念ができあがると、次に出てくるのは「理念が社員に浸透していない」という問題です。「問題」は経営コンサルタントの大好物です。「せっかく作った理念が浸透しないのは、経営者であるあなたの責任です」と言って、喜び勇んで”経営理念浸透コンサルティング”について説明を始めます。

こうして時間とお金をかけて作った経営理念がホームページや会社案内に掲げられるわけですが、その結果はどんなものかと言えば・・・

従業員に聞いてみると「経営理念?ああ、一度覚えさせられたけど・・・なんだっけな・・・優れた製品で・・・社会に貢献して・・・グローバルがどうとかこうとか・・・。」といった具合です。

もちろん、毎日の朝礼で社員が唱和すれば記憶には残るでしょう。しかし、理念は単なる暗記項目ではないはずです。従業員の日々の仕事に意味を持たせ、「自分が勤めている会社はこういうことを実現しようとしているんだな」という実感を持たせるものでなければなりません。

それができない理由は、抽象的、規範的な言葉だけで理念を作っているからです。

当社も、経営者の方々から「経営理念が社員に浸透しない」という悩みを打ち明けられることがあります。その会社の状況や業界によっていろいろな解決策をお伝えするのですが、一番効果が上がるのが次の方法です。

「経営理念を廃止してください。」

大抵の場合、あからさまに嫌な顔をされます。「理念なき会社になれというのか!」、「高いお金をかけてようやく決まったのに!」等々、怒りを交えて即座に却下されてしまいます。

ところが、怒り出す前に「なぜ廃止するんだ?」と質問をされる方がいないわけではありません。その問いに対しては、次のように答えます。

「浸透しないのではなく、浸透できないものを作ったからです。」

「とりあえず印刷物はそのままでも構いませんが、ホームページから消してください。そして全従業員に対して、”当社の経営理念は浸透していなかったので、当面廃止します。社外の方に聞かれたら正直に、当社には経営理念がありませんと答えてください”というメッセージを送ってください。」と続けます。

「そんなことをして大丈夫か?」

「はい。大丈夫です。少なくとも3ヶ月くらいは放置してから、全従業員にアンケート調査で、経営理念がなくなって仕事に影響が出たかどうかを調べてください。」

「・・・そうか。なくても何の支障もないということか。」

「いいえ、違います。支障がでるんですよ。だから、そこから経営理念づくりが始まるんです。」

「え?どういうこと?」

「詳しくは次回に続きます。」

人材育成のホームページ

 

 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

生産性は「おしゃべり」の量に比例する?

2017年07月09日 | コンサルティング

忙しい職場でちょっと一息つきたいと思っていると、同僚の1人が声をかけてくれました。これ幸いと一緒に休憩コーナーに行き、自動販売機のコーヒーを手に向かい合って座りました。仕事の進み具合を聞いてみると、どうやら今日は2時間くらい残業になりそうです。「じゃあ、少し手伝おうか?」と言うと、「ほんと!?助かるよ。」そんなやり取りを10分弱ほどした後、オフィスに戻りました。

工場の生産ラインでは一斉に休憩をとります。従業員は短い休憩の間、他愛の無いおしゃべりをします。昨日のテレビ番組がどうだったとか、ひいきの野球チームが負け続けているとか・・・。休憩が終わると、一斉にラインに戻って作業を続けます。

最近読んだWebの記事で※、MITメディアラボのPentland氏は「銀行、軍隊、ITコンサルタント、その他を調査した結果、いずれの場合も従業員が同じ時間に休憩をとるなど、対面して会話を持つことが、生産性を向上させる」と述べていました。そして、「組織が成功する要因は同僚とのやり取りの量であり、内容は無関係」とのこと。「単なる暇つぶしのおしゃべりでも、話しをすればするほど生産性が向上する」のだそうです。

なんということでしょう!おしゃべりが多いほど仕事がはかどるというのです。

今まで「無駄口をきいていないで、黙って仕事をしろ!」と部下を脅し続けてきた管理職の面目は丸つぶれではありませんか。

さて、この記事を読んで、私の経験に照らし合わせて考えてみたことをまとめてみました。

(1) おしゃべりの量と生産性は正の相関関係にある
(2) ただし、おしゃべりの効用は逓減し、やがてある水準を超えると低下する
(3) 上記(1)(2)が成立するのは従業員の能力にあまりバラツキのない集団に限る

前回のブログにも書いた「収穫逓減の法則」が働くということです。そして、メンバー間に能力の差があまりないことも大変重要な点です。

つまり「おしゃべり生産性」は一般的な原理とはいえないということです。

MITの上を行く(!)当社は、貴社の生産性を最大限にする「最適おしゃべり量」を測定いたします。そして管理者を対象に、最適水準を維持する能力を身につけることができるトレーニングも合わせて実施いたします。

どうそお気軽にお声掛けください。

※ Social Physics - MIT Technology Review

人材育成のホームページ

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

頑張れば頑張るほど、仕事の効率が悪くなっていく

2017年07月05日 | コンサルティング

弊社が担当する管理職研修の際に、部下の指導に関して受けることが多い質問の一つに、「いつも忙しそうに仕事をしていて残業ばかりしているけれど、仕事がちっとも進んでいない部下がいて困っているんです。どうしたらよいでしょうか?」というものがあります。

先日伺った話では、その部下は1年前に他部署から異動してきた入社6年目の20代の男性で、非常にまじめで仕事にも前向きに取り組むタイプだそうです。

少し前までは初めて使うソフトに不慣れだったため、仕事の効率が悪いのはそのせいだろうと思っていました。

そこで、「ソフトの練習をしてみたら」と声をかけた結果、本人も一所懸命に練習をし、今ではそのソフトにもすっかり慣れて、十分に使いこなせるようになったとのことです。

しかし、残業時間は減るどころかますます増えてしまっていて、仕事の成果も以前と変わらないのだそうです。

原因を探るために残業をしているときの様子を観察したところ、周囲と雑談したり残業食を食べる時間をかけすぎてしまったりということもないことがわかったそうです。

それならば、残業代が欲しくて残業をしているのかと思い、一度面接をしてじっくり話し合ったそうですが、そうではないこともわかったとのことでした。

では、この部下はどうして、いつも残業ばかりしているのでしょうか?さらには、仕事の効率を向上させるためには、どのような指導が有効なのでしょうか?

はじめにこの話を伺った際に思ったのが、「収穫逓減の法則」です。この法則は「最も効率的な能力(最適規模)には上限があり、それを超えると効率が下がる」という考えです。

工場の製造部門などでは、残業を増やし機械の稼働時間を長くした場合に最初は生産量が増えても、やがては次第に能率が落ちたり不良品が増えたりして、生産量が頭打ちになってしまうことが知られています。

そして、これは何も工場だけの話ではなく、間接部門の仕事においても同様のことが起きると考えられます。

冒頭の部下の仕事も、実は本人にとっての上限を超えてしまっているのに、さらに残業して頑張って仕事をすることによって、反対に効率はどんどん落ちてしまっているのでしょう。

今でも「長時間労働をすればするほど成果は上がる」と誤解をしている人がまだいらっしゃいますが、実際には決してそうではないということです。

時間内に集中して効率的に仕事を進め、残業はできる限りしないということが、長い目で見て仕事の生産性を上げることになるわけです。また、ワークライフバランスの面からも望ましいことです。

長時間労働の問題点が指摘され、働き方改革が叫ばれている今だからこそ、もし職場で「頑張っているのに結果がついていかない」人がいたら、一度「頑張り過ぎて限界を超えていないか、それによってかえって仕事の効率が下がっているのではないか」という観点でチェックしてみることが必要ではないでしょうか。

人材育成のホームページ

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

経営者は「門外漢」ではいけません

2017年07月02日 | コンサルティング

コンサルティングの際、経営者に財務の数値、たとえば棚卸資産回転率や売上債権回収日数などをお聞きすると、「えーと・・・経理については門外漢なので、経理部長に聞いてください」という答えが返ってくることがあります。

門外漢(もんがいかん)とはその物事について専門家でない人、畑違いの人という意味です。デジタル大辞泉の解説に「経理については門外漢だ」という用例が載っていました。どうやら世の中には経理、会計の分野の門外漢がたくさんいそうです。

この言葉の由来を調べてみました。昔々、先生という地位にある人たちは立派な家に住み、弟子は先生の家の門の中の長屋に住んで教えを受けていました。そういえば、弟子のことを門人と言ったり、初めて教えを受けることを入門といったりしますね。

ところが、門の外にいる者は先生の弟子ではなく、その教えも受けられないから門外漢ということです。なお漢というのは「男」や「人」を表す言葉ですが、最初は外国人が中国人のことを(一般的に)呼ぶ名だったそうです。

これに似た言葉に「門前の小僧習わぬ経を読む(もんぜんのこぞうならわぬきょうをよむ)」というのがあります。「寺の門前に住む子供は、いつも読経を聞いているので、特に習わなくても自然に経を覚える。人は環境の影響を受ける。環境が大事であること。」という解説がありました。

門に入らずとも、いつもしっかり聞いていれば、ある程度の知識は身に付く、と解釈できるのではないでしょうか。

さて経営者の皆さん、会社の経営にとって会計の知識は必須です。棚卸資産回転率も売上債権回収日数も、経営者がしっかりと数値を把握し、日々改善に努めなければならない大事な数字です。経理部長の報告をただ聞き流すのではなく、少しでも良いですから学んでみてはいかがでしょうか。

しかも経営者は小僧ではありません。近くにいる「先生」を呼びつけてレクチャーさせればよいのです!

人材育成のホームページ

コメント
この記事をはてなブックマークに追加