本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

幸せを願う!!

2018-01-17 16:34:17 | 漢字

新年を迎え初詣でをして

色々と幸せになるようにと

お願いをされたことと思います。

 

あなたを幸せにします!

と、

しかし、考えて見ると

お互いの幸せの価値観が違うと

思うのです、

後からこんなはずじゃなかった

ということがたびたび出てきます。

 

願うということは

とても大切なことです。

徳川家康の旗印のように

「厭離穢土 欣求浄土」

この苦しい世を厭い離れて

浄土を希うと、

本当に苦しいこの世を離れ

安らかな浄土を願ったのです。

純粋な意味で願うということが

切実だったのです。

 

幸せ、幸せといいますが …

しかし、よくよく考えて見ると

今以上に何を願うのでしょう。

昔から思うと

これほど豊かな時代はないようです

 

幸せ、という字を調べてみると

この文字は「干部」ほしの部首の

漢字です。

他に、平とか年という字も

この部類に入ります。

 

そこで、

「幸」の字の成り立ちは

夭(ヨウ)と屰(ゲキ)から

出来ています。

夭は若死にするという意味

屰は逆ですから反対の意味

死ぬべき時に死をまぬがれる

ということが

「幸」のもともとの意味です。

そこから死をまぬがれた

ということで、しあわせの意味に

なったということです。

 

そういえば、

『法句経』(ほっくきょう)という

お釈迦さまの言行録を記した

お経があります。

そのなかに、

「人の生を受くるは難く

 やがて死すべきものの

 いま、命あるは有り難し」

という一句があります。

 

「ありがとうございます。」

と何気なく使っていますが、

本当はこのお経からでてきた

言葉です。

有ること難し(あることかたし)

有りうべからざることが

有るのだ、という

サンキューとはちょっとニュアンス

が違います。

 

「やがて」というのは

生れてからやがて亡くなる

ということではなく、

いつでもということでしょう

死と隣り合わせに生きている

ということです。

 

人間として生まれることも

難しいことなのに

まして、

今日一日無事に生きるということの

難しさ、

そこに今日一日は有ること難し

「有り難い」

ということになるのです。

 

「ありがとうございます」

今日の日の大いなる喜び

という感動の言葉です。

 

最近とみに

元気な時はさほど感じないのです

しかし、

ちょっと風邪でも引いて

寝込んでしまうと

治りも遅く

心細くなってきます。

本当に今日一日

有ること難し、です。

 

幸せになりたい!

でも、

今あること自体

これほどの幸せはないのでは

ないでしょうか?

あれも欲しい、これも欲しい

と欲することも大事ですが

現状の自分を見つめなおすことも

大切ではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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