本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

女をば法の御蔵というぞ …

2024-04-02 18:57:48 | 十地経

「前上地勝差別」

このテーマがづっと続く

のですが、

「前」というのは

七地から見て前ということ

で、初地から六地までを

指しています

それから「上」というのは

七地より上、つまり

八地、九地、十地です

 

「差別」というのは

仏教では「しゃべつ」と読み

差異という意味です。

「双行分差別」とか

全部差別という言葉が

ついています

それで「違い」といっても

いい言葉です。

 

『十地経』というように

「地」ということが

重要な一つのテーマです。

「前上地勝差別」と

前に地に勝れ、それから

上の地にも勝れている。

しかし、

「前上地勝差別」という

言葉を、前に勝れそれから

上にも勝れると

こういう読み方ができる

ということが不思議で

また、読み下していかれた

ことが驚きです。

 

それで、講義を見ると

 

「勝れているというのは

七地が下の方に勝れている

これはよう分かる。

しかし、上に勝れている

ということはちょっと

分かりにくいですけど

しかし、

上を生み出すですから。

 

だからして

つまり生んだものは

子ですね、生むのは親です

生むのは親であって

子は生まれるもんだと

これは『十地経』でいうと

仏地、

仏地というと

 

仏が地だという意味で

なしに、

仏が生まれてくるような地

というような意味。

仏が生まれて、仏を、

仏が親であるというような

地という意味じゃない。

仏を生みだすような地

という。

 

だから菩薩のことを

仏子というんです。

仏から生まれた子という

意味もあるけど、

また仏を生みだす子ですね

 

これが

非常に大事なところで、

仏から生まれてまた

仏を生み出す。

そういうところに

菩薩というものがあって

そういう点が

阿羅漢と違うんです。

 

阿羅漢は仏から生まれた

けど、

仏を生まんのです。

阿羅漢というのは偉い人

という意味なんです。

菩薩というのは偉いという

ことはないんです。

 

だから仏から生まれるけど

また仏を生み出し、

子が仏をあの、 妊、

胎蔵しとるという意味で

それで胎というんです。

胎蔵、

子というものがもう

仏を孕んどるんだ、

未来の。

無数の仏というものを

生み出していくというのが

子ですね。」

 

このところを読んで

ふと思い出したのが

一休さんの歌です

 

おなごをば

法の御蔵(のりのみくら)

というぞ 実に(げに)

釈迦も達磨も

ひょいひょいと生む

 

という歌です

女性というのは仏を胎蔵

している

そういうことからいうと

女性というのは大地です

まあ、母なる大地

という言葉もあります

全ての命を生み出していく

そういう力を孕んでいる

 

そういうことからいうと

女性は地であると

言えるのではないかと

真言宗でも

金剛界・胎蔵界曼荼羅

というものがありますが

胎蔵界というと英訳では

Womb(ウーム)

子宮という意味です

ここからWomanという

言葉が出たのでしょう。

 

仏の種を宿している

それが胎蔵界曼荼羅と

いうのではないかと

思うのです。

なかなか「地」という

ことも面白い意味がある

ようです。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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